Dream Theater待望の単独来日!ライブat武道館「Top Of The World Tour」をレポート!
by 関口竜太 · 2023-06-14
こんにちは、ギタリストの関口です。
本日はDream Theater Top Of The World Tour来日公演レポをお届けしようと思います。
ということで、今年の2月に急遽決定した来日公演なんですが、その前が去年の8月にDOWNLOAD JAPANのヘッドライナーだったので早い再来日でした。ただ2020年に予定されていたツアーが中止となってしまっていたので単独ツアーによる来日は2017年9月以来、5年半ぶりになるんですね。
先にブログ更新が大分ご無沙汰になったこと、さらにライブから実に1か月以上が経過していることをお詫びしたいと思います。
初めに
今回のライブ、結論からいうとめちゃくちゃよかったです。詳しくはYouTubeにて同様の内容をお伝えしているので、そちらもチェックしていただきたいのですが、やっぱり感じたことを文章に起こしておく大切さは守っていきたいので本日はこちらをお届けしようかと思います。
当日の行動を順を追うと、13時くらいに武道館に着きまして、そこで「Tシャツ企画」のために待機していたんですよ。
これが何かと言うと、YouTubeの企画で、武道館当日にみなさんが着ているTシャツを見せてくださいというもので、企画名を「Dream Theater Live At Budokan 参戦Tシャツ自慢大会」としていました。こちらも別で動画があるので下に宣伝させてください。
当日の天気は数日前から雨予報で傘は避けられない流れだったのですが、なんとお昼以降は曇りで、途中パラっと降ったものの概ね「降らなかった」な天気で持ってくれたのです!
そしてありがたいことに、たくさんの人からTシャツ見せにきましたとお声かけしていただき、僕としては無事大成功に終われました。動画でもお伝えしましたが、改めてたくさんのご参加ありがとうございました!
ドリーム・シアターのライブで会った人にTシャツを自慢してもらったら本気度がぶっ飛んでました!!
最初に声をかけてくださった方は20代前半くらいの男性。Tシャツ企画のことは知らなかったそうですが、最初「YouTubeやられてますか?」っていう入りから来てやっぱりYouTubeの力はすごいなと感じました。
物販
そこから物販が始まる15時まで結構コンスタントにTシャツ企画の方が進んで、ようやく物販。
今回買ったのは
- シンボルTシャツ
ジャケットプリントは昨年のダウンロード・ジャパンでゲットしていたので違ったデザインを。 - パーカー。
これ第一希望で、XLなんですがデザインもいいしダボっと着るのにもちょうどいいなということで今回ゲットしました。 - キャップ
ダウンロードでキャップを買って以降、それまで帽子の習慣がなかったのがちょっと被るのにハマったという経緯があり今回マジェスティシンボルのキャップをゲット!
あと、物販の横でCDとかLPも売っていたのですが、見ていたらつい欲しくなり、ブートレグから2017年武道館の『Images And Words』再現アルバムのLPを購入しました。
開場
セトリは来日が決まった時の動画でお話した通り、差し替えやサプライズもなしで世界標準のセトリですね。
DOWNLOADとあまり変わりないとは言え、あの時は1日他のバンドも見て、立ちっぱなしで最後Dream Theaterを迎えたので足腰がだいぶきつかったんです。その点、始まるまで椅子に座っていられただけでも最高でしたw
セットリスト
- The Alien
- 6:00
- Sleeping Giant
- Bridges in the Sky
- Caught in a Web
- Answering the Call
- Solitary Shell
- About to Crush
- Losing TIme/Grand FInale
- Pull Me Under
- A View From the Top of the World
- The Count of Tuscany (Encore)
今回席はアリーナ前方の上手、ペトルーシ側ですね。ステージが今回とても簡素で、アンプも積み上がっていないし、マンジーニのドラムセットもかなりシンプルでした。つまりはそうした「動きやすそうなセット」の上でのライブでした。
ライブ本編
「The Alien」からフルボルテージでフルスロットル!音はちょっと心配でしたが、これもすごくよくて…特にペトルーシの音ですね。やはり安定して抜けがいいし、バッキングでもリードでもダイレクトに伝わってくる迫力が全編でありましたね。
僕のいた位置だからかもしれませんが、ルーデスのシンセが若干ハイ成分の面で痛かったというのもありました。ですが、音はトータルでよかったと思います。
「6:00」は同じDOWNLOADと同様、その後「Awaken the Master」だったのが「Sleeping Giant」に代わっていて、そして「Caught in A Web」へ続きます。前回と合わせて『Awake』のことを意識してるセトリなのかなというのを感じました。
そんな感じで演奏面は相変わらずの最強ぶりなんですが、ラブリエのボーカルはところどころ大変そうな場面もありました。特に「6:00」、「Caught In A Web」など、昔の曲はスタジオ盤のようなハイが出ないのでだいぶアレンジで乗り切ってるなという印象でした。
ただハイが昔のように出なくなってきたのはあっても上品な歌声は変わらずなので、最新アルバムの曲や後半の叙情パートでは本領発揮でしたね。
今回のセトリは前半ラウド系、後半「Six Degrees Of Inner Turbulence」からはエピックソング多めで聴ける選曲でしたね。人生初の「Solitary Shell」が聴けたのもよかったし、「Grand Finale」のラストでちゃんと(小さな)ドラも用意してあって感動しました。
続くPull Me Underはちゃんと原曲キー。2017年の再現公演では『Images And Words』をほぼ全編半音下げで歌っていたのでそこは仕方なかったのですが、前半に比べて後半はラブリエの調子も戻ってきて、ここは結構頑張ってたなと思いました。
「A View from the Top of the World」はアンコール前ラスト、個人的にはDOWNLOADよりも“見れた”感じがしましたね。あの時よりアルバム聴き込めたのはもちろんですが、前回と今回とで決定的に違うのは声出しの解禁なんですよね。やっぱりDOWNLOAD時はコロナによる切実な問題があって、どんなに好きなバンドでも盛り上がり切れない、最高っていう気持ちがあってもそれをお客さんが表現しにくかったし、やはり歓声のあるライブはいいですね。
余談ですが、ライブ後、ルーデスがステージから撮った景色をInstagramに上げていました。最前でもマスクしていない人は多く見られました。2020年はコロナによってツアーそのものがダメになって、2022年でなんとかライブが叶ってでも声は規制があって、それで今回まだ脅威が完全に去ったとは言えないですけど声出しも止められることなく全力で楽しめるライブだったんじゃないかと思います。このちょっとずつできることが増えていくっていうのが「A View from the Top of the World」っていう曲と相まってすごくよかったなっていうのをしみじみ感じましたね。
そしてアンコールの「The Count of Tuscany」。
僕はこの瞬間を何よりも楽しみにしていたんですが、アンコールだから終わりが近づいてるっていうのはあれど聞きたかったし、スラッシュメタルな前半とフロイド的でペトルーシのギターが染み渡る後半と、ここまでの道のりとかファンの気持ちDream Theaterの気持ち、双方の気持ちをマッチングさせるのにこれ以上ない曲だと改めて思いました。
あの曲はアウトロでもシンガロンするんですが、声出し解禁も含めあの瞬間に全部詰まっていて、あそこさえみんなで合唱できたなら全部許せてしまう感がありました。
曲の後半でペトルーシがボリューム奏法を使用し「星に願いを」を弾いてくれたんですが雰囲気も相まってすっごく綺麗でした。今回のライブでペトルーシのギターがもっとも染みた演奏の一つだと思います。
気になる動員と今後
ライブ自体がすごくよかった反面、今回結構言われていたのが動員について。
例えば物販一つとってもそんなに並ばずに買えたという話がありました。確かにずっと並んでいた人もいたけど、撮影を終えた僕が急いで並んでも案外すんなり買えたというのはありましたね。
単純にグッズの魅力もありますが(昔はツアーパンフとかもありましたけど最近は出してないし、Tシャツも安定の黒にジャケットかロゴのプリントなので)、加えてグッズの値段もだいぶ高騰していましたしね。チケット代もバカにならないし、ファンが期待するその上の魅力がグッズにないとDream Theaterクラスのバンドでもだんだん難しくなっていくのかなあという思いはありましたね。MegadethみたいにカタカナのTシャツとか、今だからこそああいう媚びた感じがあってもいいのかなとは思いました。
あと、今回僕は武道館だったんですけど、当日券が全然あったみたいです。友人が急遽来れそうというのでライブ後落ち合ったんですが、当日券で並んだら一般かプレミアムか聞かれたっていうんですよね。友人は一般で入ったのですが、プレミアムを選んでいたらアリーナ席も行けたらしいです笑
チケットが渋かったことについてはこれもいくつか要因があるんですが、一つは単純に高いっていうこと。これはどのライブでも仕方ないと思っていて、個人個人がお目当てのライブに向けてきちんとお金を準備していくということに尽きると思います。もう来てくれるだけでありがとうの時代なので。円安とか増税とか、自分の力でどうにもならない部分にあまり怒っても仕方ないのでそこは各自頑張りましょう。
あとは大物の来日が今年はあまりに多いということ。Megadeth、Eric Clapton、Red Hot Chili Peppers、Mr.Big、Extremeといった待望の来日アーティスト…場合によってはラストツアーという事情もかぶってDream Theaterを選択肢から外さざるをえなかったという人はそこそこいたと思っています。
最後にDOWNLOADから日数があまり経っていなかったので、セトリがマイナーチェンジであったこと今回のツアーはそこからすでに二択であったという。そこに加え、チケ代や他のアーティストとの取捨選択があって今回見送った人はどうしても出てきますよね。Dream Theater来てくれる!最高に嬉しい!って思う反面、2023年の激戦区に割り込むにはなかなかハードルが高かったんじゃないかなと思っています。
ちょっと暗い話になったので先述のTシャツ企画に話を戻すと、前回の単独ツアーから5年以上経っていて、その間にDream Theaterを好きになったとか、コロナで来日公演そのものの貴重性が改めて垣間見れたことで今日が初めてのDream Theaterですとか、DOWNLOADが初めてで単独は今日が初めてでっていう人がお話した中で結構いらっしゃいました。
中には最近聞いてなかったんだけど、このチャンネルでまた再燃してライブまで来てしまいましたっていう人もありがたいことにいらしたのは嬉しかったです。
そういう人たちが少なからずいるので、彼らを捨てずに拾ってくれた今回の来日は、僕個人としてはそれだけで意味のあったものだと思います。数字だけ見ればもしかしたらチケットの売れ行きは不振だったかもしれないけども、熱はまだまだ全然あって、またいいアルバム作ってワールドツアー、最後の方でもいいから来てくださいっていう感じでした。
最後に
本当にいいライブでしたよ。
Twitterで追加公演の渋谷から、愛知から大阪から常に様子がチェックできてたんですけど、どの会場も最高だったと聞いています。バンドサイドもルーデスが天下一品行ってるぞ御茶ノ水行ってるぞとか、ペトルーシは家族旅行も兼ねて富士山観光の写真を上げていたりして、向こうも日本を堪能してくれているのが嬉しかったですね。
ということで、Dream Theater Top Of The World Tour来日公演レポでした。
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タグ: Dream TheaterJames LaBrieJohn MyungJohn PetrucciJordan RudessMike Mangini
関口竜太
東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。
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