全部買うと3万円超!だからオススメ教えます!Dream Theaterの公式ブートレグ「Lost Not Forgotten Archives」10枚を一挙に解説!

こんにちは、ギタリスト/音楽ライターの関口です。

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みなさんは、ドリーム・シアターのアルバムは何枚くらい持っていますか?

オリジナルアルバムもライブアルバムも全部持ってるよ!という人もいれば、有名なアルバムだけ持ってるという人も、今はサブスクで聴いてるから1枚も持ってないっていう人も多いと思います。

今日はそんなDream Theaterファン全員に耳寄りというかお得な、そんな動画になると思います。

ただいま絶賛リリース進行中のレア音源集、Dream Theater Lost Not Forgotten Archivesシリーズ!

今日は数あるこのLost Not Forgotten Archivesシリーズからライター視点でおすすめの作品をご紹介できたらと思いますので最後までチェックしてくれると嬉しいです!さっそく参りましょう!

動画はこちら▼

Lost Not Forgotten Archivesとは


この『Lost Not Forgotten Archives』シリーズとはなんぞやという人のために、まずはこちらの説明をしていこうと思います。

結論から言うと、こちらDream Theaterの公式が出しているブートレグシリーズになります。ブートレグというのはいわゆる海賊版のことですね。つまり公式認定海賊盤シリーズと言ったところでしょうか。

かつて、バンドのブレインにして2010年に脱退したドラマー、マイク・ポートノイ(Mike Portnoy)が在籍していたころから、彼らはデモ・テープやアーティストのカヴァー、スペシャル・ライヴの様子などを収めた、言わばレア音源をYtsejam(イッツイージャム)レコーズとして、自らの手で発表してきました。ポートノイ脱退前の2009年を最後に、久しくその姿を拝むことができずにいた同シリーズなのですが、この度、所属しているInside Out Musicとコラボレーションすることで完全復活したわけですね。そしてそのシリーズが『A Dramatic Turn Of Events』収録のタイトルから取られた『Lost Not Forgotten Archives(邦題:『忘るまじ喪失音源集』)』ということになります。

皮切りは2021年6月からで、今の所ほぼ月一ペースでリリースされていまして、今後数年に亘って、このリリースラッシュは続いていく予定だそうです。

リリースされる全ての作品は、最新マスタリングと新アートワークが採用されて、以前のような帯なしプラケースという、従来の海賊盤的イメージを脱却しています。日本盤は高品質Blu-spec CD2仕様で伊藤政則先生のライナー・ノーツまでしっかり用意されているので、単なるレア音源やファン・アイテムといった域を飛び出した「作品である」という意図を理解したいところです。

とまあ、ファンにはDream Theaterへの知見が深まるとても嬉しい作品集なんですが、いかんせんその数が多いんですね。2022年5月現在で実に10枚も出ていて、貴重な音源なのはわかるけど、ジャケットも似通っていてどれから手を付けていいかわからないという人も多いと思います。

そこで今日は、現在出ている10枚のアルバムをランキング形式にして、解説込みでご紹介していこうと思います。あくまで主観ではありますが、ご自身が気になる作品と照らし合わせて視聴を決めてみるというのも面白いかもしれません。では第10位から発表していきます!どうぞ!

第10位 The Majesty Demos

オフィシャル・ブートレグ・シリーズ、まずは第6弾から、バンドの前身The Majestyによる貴重なデモ音源集、その名も『The Majesty Demos (1985-1986)』ですね。

内容としては、バークリー音楽院在学時のマイク・ポートノイ、ジョン・ペトルーシ(John Petrucci)ジョン・マイヤング(John Myung)の3人によるデモと、クリス・コリンズ(Chris Collins)をヴォーカルに迎えた頃のデモ音源、そこにカヴァーを加えた全23曲という感じです。

注目は2曲目で聴ける「Another Won」、これは20周年ライヴ作品『Score』でも披露された曲ですね。2曲目の段階ではまだまだ粗削りなのですが、その後コリンズとケヴィン・ムーア(Kevin Moore)を迎えた18曲目にて完全に形になっています。アルバムの中で曲が完成していく時系列を追うことができるんですね。当然、当時のデモテープという音質や、技術は今に及ばないのですが、生々しい記録から彼らの楽曲や演奏に対する根本的な姿勢を聴くことができます。

第9位 Images And Words – Live in Japan 2017

続きまして、本シリーズの記念すべき第1弾となる『Images And Words – Live in Japan 2017』です。こちらに関しては過去に唯一、単体ブログとして記事に書きました。

Dream Theater「Lost Not Forgotten Archives: Images And Words – Live In Japan 2017」: 公式ブートレグ第一弾が投下!大人気ライブI&Wを再現した、武道館公演の熱狂が今ここに蘇る!

これは、2017年に行われた『Images, Words And Beyonds Tour』というツアーで、9月11日日本武道館での様子をシューティングしたものですね。このツアーでは第2部に、アルバム『Images And Words』のフル演奏をしていまして、日本では同年の11月にWOWOWにて一度放送、2021年1月30日に、有料特設サイトより初の全世界配信も実現しています。ただこうした記録媒体としてのリリースは今回が初めてになります。

ジェイムズ・ラブリエ(James LaBrie)のハイトーンはさすがにかつてのスタジオ盤には及ばないものの、演奏チームの安定感は健在です。その中でもハイライトは、インスト・パートの一部を全楽器パートがユニゾンするという「Metropolis Pt.1」ですね。またこの日、日本武道館には日本のプロ・ミュージシャンも多数駆けつけたんですよね。プロとして、今の日本の音楽を支えているミュージシャンでさえも、一瞬で思い出と憧れの中に連れ戻されるDREAM THEATERというバンドの素晴らしさがこのアルバムには収められています。

第8位 Train Of Thought Instrumental Demos (2003)

第8位はバンド史上最もアグレッシヴかつヘヴィな作品として名高い7thアルバム『Train Of Thought』のインスト・デモ音源集となる、『Train Of Thought Instrumental Demos (2003)』です。シリーズとしては第3弾に当たります。

こちらは過去にYtsejamレコーズより限定生産された音源の復刻になります。その完成度はほぼ仕上がっているレベルで、生々しいバンド・サウンドによるリハーサルの様子を楽しむことができますね。あと、実際のテイクとは違うフレーズがあったりペトルーシのソロがまとまっていなかったりっていう、細かな違いを聴き比べるマニアックさがこのデモ盤には詰まっています。

この曲順は、単に曲を書き上げた順番になっているというシンプルなんですが、ラストの“Stream Of Consciousness”を演奏した後に、ポートノイが「We all fxxkin done!!(全部やってやったぞ!)」と叫んでいることから、このアルバムに対する熱意というかやりきった感があるのでそこにも注目です。

第7位 A Dramatic Tour Of Events – Select Board Mixies

第7位はシリーズ第2弾から、『A Dramatic Tour Of Events – Select Board Mixes』と題された2枚組のライヴ・セレクションです。2011年〜2012年にかけて行われたライヴ・ツアー『A Dramatic Tour Of Events』の模様をピックアップしており、元は2013年のクリスマスにファン・クラブ限定で配信されたものになります。フィジカルによる収録は今回が初となるので結構レアなアルバムですね。

ツアーの様々な公演から、ベストなパフォーマンスが抜き出されたより抜き仕様で、ボリューム的にも楽曲の品揃え的にも、本シリーズ屈指の名盤に値だと思います。

ちなみに日本公演からは、2012年4月24日のSHIBUYA-AXで演奏されたアンコールの「As I Am」が収録されているんですが、こちらではドスが効いたラブリエの絶好調なパフォーマンスが楽しめます。マンジーニが加入して間もないころのツアーですがすでにしっかりバンドを支えている頼もしさを実感できると思います!

第6位 Awake Demos (1994)

続いて第6位は、‘90年代ヘヴィ・プログの名盤『Awake』のデモ音源をまとめた、『Awake Demo (1994)』ですね。

こちらはさっきの『Train Of Thought』と違い、すでにラブリエのヴォーカルが入り、残すは本レコーディングだけという段階のデモ・アルバムです。当然、この段階でかなりの完成度を誇っているんですが、ここから再度尺やリフのパターンが見直されたり、曲間の繋ぎに対してメスが入っていたりと、まだまだブラッシュアップする余地も残していますね。

このアルバムの象徴的楽曲として「Lie」という7弦ギターを使用した曲があるんですが、そのリフが実は「The Mirror」に内包されていたという事実があったり、「Erotomania」〜「The Silent Man」に至る組曲がYesやRushを参考にしていることがわかったりですね、随所に興味深い発見も多い内容になっています。

第5位 Master Of Puppets – Live in Barcelona, 2002

第5位は本ブートレグの言わば注目どころでもあるカバーシリーズですね。

まず『Six Degrees Of Inner Turbulence』を伴った2002年のツアーから、同じ会場で2日連続公演がある際には、2日目に彼らがリスペクトするバンドの名盤を全曲、第2部のセットリストに組み込んでいたという、非常にユニークな企画と経緯を振り返る必要があります。

発起人はもちろんポートノイなんですが、そんなカヴァーシリーズの初回となったのが、Metallicaの『Master Of Puppets』なんですよ。Dream Theaterにとってメタリカはバンドのコアに当たる重要な存在であるし、当時観客にとっては完全にサプライズだったのでかなり話題になりました。

バンドは他にもPink Floyd『狂気』やIron Maiden『魔力の刻印』、Deep Purple『ライヴ・イン・ジャパン』など、誰もが聴き親しんだ名盤のフル・カヴァーを行ってきたんですが、中でも『Master Of Puppets』は、ライヴとは思えないハイ・クオリティな演奏、音質の良さ、そしてYtsejamレコーズ盤の遊び心に富んだアート・ワークも含めファンにはとりわけ人気が高い一枚ですね。

第4位 Live in NYC – 1993

第4位はシリーズ第8弾。2ndアルバム『Images And Words』を提げた、1993年3月4日のニューヨーク公演を120分フル収録したライブ音源になります!当時はね、1stと2ndを合わせてもまだ十数曲しかない彼らのライヴだが、パフォーマンスは絶好調だし、ラブリエの声もかなり若さと張りがあってRushに近いものを感じますね。

セットリストには「Another Hand」、「To Live Forever」、「Eve」といった初期のレア曲が入ってる他に、このライヴがきっかけで、後にEPとしてリリースされる「A Change Of Seasons」を披露しているのでそこも注目ですね。

第3位 When Dream And Day Reunite (Live)

第3位はデビュー・アルバムの『When Dream And Day Unite』のリリース15年を記念して、2004年3月6日にロサンゼルスで行なわれた、アルバム完全再現のライブ盤ですね。

1stアルバムはDream Theaterにとって若干切り離してしまう存在でもあるんですが、実際楽曲のクオリティや演奏は素晴らしくて、ライブでも頻繁に演奏される楽曲も実は多かったりします。『Awake』以降は徐々に減っていくんですけどね…それをラブリエとジョーダン・ルーデス(Jordan Rudess)がいる編成で改めてフル演奏されるという点に本作の価値があります。

アンコールには「To Live Forever」と「Metropolis」が演奏されるんですが、前者ではチャーリー・ドミニシ(Charlie Dominici)、後者ではデレク・シェリニアン(Derek Sherinian)がゲスト参加している、なんというかもうお祭りのようなライブ盤ですね。

ちなみにオリジナル盤はこのように1stのジャケットにバースデーケーキが運ばれているというユニークなデザインです。

第2位 …And Beyond Live in Japan 2017

第2位はシリーズの第9弾になります。

9位でご紹介した、2017年『Images, Words And Beyonds Tour』の第一部を収録しています。当然フィジカルでのリリースは今回が初ですね。

第二部の『Images And Words』の完全再現がシリーズ第1弾に収められているため、あれを聴いたならマストとなる一枚ですね。ライヴ盤として注目すると、なんと8曲中5曲がライヴ盤初収録です!厳密には「The Dark Eternal Night」「The Bigger Picture」「The Gift Of Music」「Our New World」そして、ジョン・マイヤングによるジャコパストリアスのカヴァー「Portrait of Tracy」ですね。他にも「As I Am」にMetallicaの「Enter Sandman」のリフを挿入したりなど遊び心、聴きどころも満載です。

アンコールの「A Change Of Seasons」のみ収録されないのは惜しいがこれは是非ゲットしたいですね。

第1位 Falling Into Infinity Demos, 1996-1997

そして第1位はこの5月にリリースされたばかりのシリーズ第10弾、4thアルバム『Falling Into Infinity』のデモ音源集『Falling Into Infinity Demos, 1996-1997』です。有名な話になりますが、『Falling Into Infinity』は当初2枚組アルバムとして構想されていたんですよ。しかしレーベルよりセールスに結びつかないとされ、これを一蹴されてしまうわけですね。さらに外部作曲家との共同作業を強いられて、これに対する反応もメンバー間で意見が分かれたりして、非常に不安定な苦しい時期の作品となりました。

実際は僕も含めこのアルバムが大好きという人は多いんですけども、本デモは、構想されていたアルバムの全容が収められている、デモとしてだけでなくパラレルなDream Theater作品としても大変貴重な音源ですね。「Raise The Knife」を初めとする未収録楽曲はもちろん、ラストには5th作へ発展するインスト「Metropolis Pt.2」も収録されている超ボリューム作品となっています。

最後に


はい、ということで『Lost Not Forgotten Archives』シリーズ、気になった作品はありましたでしょうか。

今後の予定として、私が知る限りだと、6月にIron Maidenの『The Number Of The Beast』がリリースされますね。あとは個人的に『Dark Side Of The Moon』とか色んなカヴァーをまとめた『Uncoverd 2003-2005』も出してくれることを期待しています。

こちらの記事はYouTubeチャンネルせっちんミュージックでも公開しています。よろしければGOODボタン、チャンネル登録、コメントなどいただけると嬉しいです。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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