2021年プログレッシブ・ロック・アルバムTOP10

こんにちは、ギタリストの関口です!

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さあ本日は毎年恒例となりました、年間プログレアルバムランキングを発表して参ります!

今年2021年も名盤と呼べる作品が多数誕生しました。このブログを通じて1枚でも多く、みなさまの琴線に触れる作品をご紹介できたらなと思います。ランキングは昨年に引き続き、プログレッシブ・ロックとプログレッシブ・メタルとで記事を分けさせていただきました。

また、今回強力な助っ人として、今年3月に発売となりました書籍、『PROG MUSIC Disc Guide』高橋祐希さん、楯弥生さんにもランキング作成にご協力いただきました。ですので、紹介されるアルバムは私個人の独断と偏見にならず、より信頼性の高い作品ということになりますのでその辺にも注目していただけると幸いです。

それではさっそくまいりましょう!2021年プログレッシブ・ロックランキングの発表です。お楽しみください!

動画はこちら▼

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10位 Teatro D’ira: Vol.I / Måneskin (Italy)


Teatro d’ira – Vol. I [Explicit]

第10位はイタリア、ローマ出身のオルタナティブ・ロック・バンド、Måneskin(モーネスキン)の2ndアルバムがランクインしました。Måneskinは2016年から活動を続ける次世代バンドで、歯切れのいいギターとグランジでラップのようなボーカルが特徴的。

1956年から続く、欧州放送連合の加盟放送局で開催されているユーロビジョン・ソング・コンテストにて、2021年の王者になっている期待のバンドで、新たなストーナー・ロックとしての形を見せています。

9位 Music Is Our Friend / King Crimson (U.K)


音楽は我らが友 ライヴ・イン・ワシントン・アンド・アルバニー2021

結成から53年を数えるレジェンド・バンド、King Crimsonの最新ライブアルバムが第9位。今年、コロナ禍を乗り越え念願だった来日公演も実現したことでさらなる注目を浴びています。

本作は2021年9月にワシントンで行われたライヴに、8月のニューヨーク公演から数曲がピックアップされており、74年解散までの初期の名曲や80年代ディシプリン期、さらに90年以降のヌーヴォメタル期といったオールタイムなキングクリムゾンが楽しめ、依然としてパワフルなその演奏に驚かされることでしょう!

8位 Aeromantic II / Night Flight Orchestra (Sweden)


Aeromantic II

SoilworkのBjörn Strid、David Andersson、Arch EnemyのSharlee D’Angeloなどが参加したスウェーデンのスーパー・グループ、最新作が8位に飛び込んできました。ヘヴィメタル界における大物ミュージシャンが多数参加していますが、音楽性は70年代〜80年代のAORをエミュレートした仕上がりで、懐かしのクラシック・ハードロックを思う存分堪能できます。

7位 New Axial Age / The Mask of the Phantasm (U.S.A)


New Axial Age

第7位はアメリカの新鋭バンドThe Mask of the Phantasm(ザ・マスク・オブ・ザ・ファンタズム)のデビュー作!

ギタリストでソングライターでもあるOmar Ghaznaviを中心に、女性ボーカルAlexa Joan Raeによる灼熱のような歌声が響く「躍動するプログレ」です。またバンドメンバーには元The Mars VoltaのAdrian Terrazas Gonzalezも参加していて、Pink FloydやYeah Yeah Yeahs、Don Caballeroなど、前衛的なサウンドイメージを受け継いだエネルギッシュな作風となっています。

6位 The Absolute Universe / Transatlantic (U.S.A, Sweden, U.K)


The Absolute Universe: The Breath Of Life (Abridged Version)

アメリカンプログレの巨匠、Neal MorseとMike Portnoy、The Flower KingsのRoine Stolt、MarilionのPete Trewavasで結成された、多国籍スーパーグループの7年ぶり最新作が第6位です。2ヴァージョン用意されたダブル・アルバム仕様となっていまして、いくつかのテーマが相互的に機能しあっている試みが非常に興味深く、終盤のエキサイティングなセッションや壮大なバラードによる大団円など、今作も抜群の安定感で聴かせてくれます!

5位 Eclipsed / Fleesh (Brazil)


Eclipsed [Explicit]

第5位は南米ブラジルの男女ユニット、Fleeshの最新作がランクイン。数々のカヴァー動画を上げるYouTuberとしても人気の彼らですが、女性ボーカルGabby Vessoniの歌声と、ギタリストCelo Oliveiraによるシンフォニックかつドラマティックな曲が最大の特徴。

本作もその特色は遺憾無く発揮されていて、ブリティッシュ系ロックにも近いメロディアスで上質なプログレッシブ・ロックに浸ることができます。

4位 Heatwave / A.C.T (Sweden)


ヒートウェイヴ

スウェーデンのプログレッシブ・ハードロックバンド、A.C.Tの最新EP『Heatwave』が第4位です。2019年にリリースされた『Rebirth』の続編として、地球温暖化と世界の終末を匂わせる、そんな荒廃的世界観を、ポップなメロディとキラキラした音色、高い演奏力で紡いでいきます。マニフェストでは、このシリーズは1年スパンでのリリースが公言されており、来年以降も目が離せないバンドですね!

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3位 Common Ground / Big Big Train (U.K)


コモン・グランド

第3位はイギリスのプログレッシブ・ロックバンド、Big Big Trainの最新作『Common Ground』。1990年に結成して以降、現代に生きる人たちが肌で感じられる、英国トラッドなプログレッシブ・ロックを伝承しているバンドです。

本作に当たって、ギタリストやキーボーディスト、ヴァイオリン奏者など長らくバンドを支えてきたメンバーが脱退するという事態もありましたが、豪華な音色の数々と煌びやかで美しいメロディを奏でる、この10年で培った集大成とも言える作品に仕上がっています。

2022年1月にもニューアルバムが予定されていますが、大変残念なことにボーカルのDavid Longdonが去る11月に事故で急死してしまい、次回作が彼の遺作となってしまいます。

2位 Day And Age / Frost* (U.K)


デイ・アンド・エイジ

第2位はイギリスのFrost*、5年ぶりのフルレングス・アルバム『Day And Age』。作曲家・音楽プロデューサーであるJem Godfreyが中心となり、2004年に結成されたニューエイジなプログレッシブ・ロック・グループ、ファン待望の4thアルバムがついに登場です!

近年デジタルポップ化の進むプログレ・ロックシーンの中で、Frost*も昨年リリースのEP『others』ではその傾向を見せていましたが、本作では本来のロックなFrost*が戻ってきています。デジタルシンセと解像度の高いタイトなギター、パワフルで存在感の強いリズムセクションといった具合に、私たちがFrost*に求める21世紀のプログレがそこにありました。

1位 The Future Bites / Steven Wilson (U.K)


THE FUTURE BITES

そして栄えある第1位は、イギリスのミュージシャンSteven Wilsonの最新作『The Future Bites』に決定いたしました。スティーヴンについて簡単に説明いたしますと、イギリスのソングライターTim BownessとアートロックユニットNo-Manを結成後、ソロから派生したプログレッシブ・ロックバンドPorcupine Treeのフロントマンとしてシーンを牽引。以降、音楽プロデューサーとしても敏腕を振るう今のプログレシーンに欠かせない人物ですね。

最新作『The Future Bites』は元々、2020年6月にリリースが予定されていたものですが、ロックダウンの影響を受けて今年1月に延期になっていました。単なる「ポップ」ではなく、サイケデリックやアンビエント、エレクトロといったスティーヴンがこれまで関わってきたプロジェクトで実践してきた音楽を独自に蒸留し完成させた、一つの到達点であり、いわゆる「プログレはこうあるべき」といった固定観念を覆す、まさに未来へ噛み付く大名盤となっています。

ということで2021年のプログレッシブ・ロックアルバムTOP10、いかがでしたでしょうか。これと同時にプログレッシブ・メタルアルバムのランキングもアップされていますので、よろしければそちらもチェックしてみてください。

また、今回ランキングにご協力くださった高橋祐希さん、楯弥生さんらが中心となって発行された書籍『PROG MUSIC Disc Guide』、好評発売中です!現代のプログレッシブ・ロック/メタルを代表するシーン最重要アルバムを500枚以上に渡って紹介していますので、気になる方はチェックお願いします!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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