2021年プログレッシブ・メタル・アルバムTOP10

こんにちは、ギタリストの関口です!

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さあ本日は毎年恒例となりました、年間プログレアルバムランキングを発表して参ります!

今年2021年も、名盤と呼べる作品が多数誕生しました。このブログを通じて1枚でも多く、みなさまの琴線に触れるような作品をご紹介できたらなと思います。ランキングは昨年に引き続き、プログレッシブ・ロックとプログレッシブ・メタルとで記事を分けさせていただきました。

また、今回強力な助っ人として、今年3月に発売となりました書籍、『PROG MUSIC Disc Guide』高橋祐希さん、楯弥生さんにもランキング作成にご協力いただきました。ですので、紹介されるアルバムは私個人の独断と偏見にならず、より信頼性の高い作品ということになりますので、その辺にも注目していただけると幸いです。

それではさっそくまいりましょう!2021年プログレッシブ・メタルランキングの発表です。それではどうぞ!

動画はこちら▼

10-4


10位 Imperial / Soen


IMPERIAL

スウェーデンで2010年に結成されたプログレッシブ・メタルバンド、Soen(ソーエン)の5枚目最新作がまずは10位。

元OpethのMartin Ropezが中心となって結成されたこのバンドは、ヘヴィなギター・リフとそれに呼応するようなドラムの存在感が魅力的です。Opeth+Toolと言えるダークな雰囲気に、オーガニックでキレのいい演奏がとにかく心地いいです!

9位 Hushed And Grim / Mastodon


HUSHED AND GRIM

第9位はアメリカのMastodon(マストドン)、4年ぶり最新作がランクインしました!

コンスタントなリリースでチャート順位を着実に伸ばしてきた彼ら。ここ数作でメロディセンスを大幅に強化し、展開よりアレンジに広がりを持たせることで成長してきました。最新作はそんな成長を肌で感じられるキャッチーさを有しながら、新たにオルタナからの影響も滲み出る2枚組アルバムとなっています。

8位 Volume I: The Tactician / Rototypical


Volume I: The Tactician

アメリカの新生プログレ・メタルバンドRototypical(ロトティピカル)のデビュー作が8位にランクイン。

マルチミュージシャン及び作曲家であるPat Savageのソロ・プロジェクトですね。テクニカルでフラッシーな展開はNative Constructぽさもあり、とりわけ縦横無尽なギタープレイが好きな人にはたまらない一作です。彼らにとって「プログレッシブ」とは後天的な表現であり、パットの世界観を具現化できるのか、あくまでここに焦点が当たります。シリーズを匂わせるアルバムタイトルや、収録された5部構成の組曲など、大作志向である点も評価できます!

7位 Frontal / Turbulence


フロンタル[日本国内盤CD限定ボーナストラック付き/日本語解説付き]

第7位は中東より、レバノン出身のプログレメタルバンド、Turbulence(タービュランス)の『Frontal』。

王道なプログレッシブ・メタルの潮流を取り入れた音楽性で精力的に活動しており、中でもDream Theaterからの影響を強く受けた大注目株です!アルバムはそこへ、近年のモダンなアプローチを混ぜたハイブリッド・スタイルで、ギタリスト、アライン・イブラハムからはペトルーシの香りが滲み出ていますね。

なお日本盤のボーナストラックには、そんなDTの「In The Name Of God」のカヴァーが収録されています!

6位 Resident Human / Wheel


Resident Human

第6位は2019年にデビューしたフィンランドのプログレッシブ・メタルバンド、Wheel(ホイール)の2ndアルバム。

「人類の比類なき脱構築」をテーマに、日々移ろいで行く人間の営みや、ダン・シモンズの小説「ハイペリオン」からの影響を取り込んだ宇宙学的大スケール。攻撃的なリフやPink Floydを思わす内省的なアルペジオなど、一メタルとしての枠を超えた非常に完成度の高いアルバムになっています。

実は私個人ではこのアルバムを1位に選んだというくらい今年よく聴いた一枚です。

5位 Ascension Codes / Cynic


ASCENSION CODES (アセンション・コーズ)

第5位は1987年以降、二度の解散を乗り越えてなお活躍するアメリカのプログレメタルバンド、Cynic(シニック)の最新作です。

Sean Reinert、Sean Maloneという黎明期からのメンバーを相次いで失ったバンドでしたが、悲しみを乗り越え制作された本作はバンドの最高傑作と呼んでいいほどの名盤。このアルバムを1位に選んだ高橋さんからは、「これまでで最もプログレッシヴかつ、最もキャッチーで最もアンビエント、かつどこをどう聴いてもCynicな恐るべきアルバム」と評しています。

4位 LTE3 / Liquid Tension Experiment


リキッド・テンション・エクスペリメント3

かつてのDream Theaterメンバー3人とKing CrimsonのTony Levinを加えた無敵のインスト・グループが帰ってきました!

パンデミック、そしてロックダウンという危機を逆に契機にし、22年という月日とブランクを感じさせないほどエネルギーに満ちたニューアルバムが登場です。より熟練したプレイングによる圧巻のジャムはもちろん、ガーシュウィンのカヴァーとなる「Rhapsody In Blue」も話題となった、この『LTE3』が第4位に選ばれました!

3-1


3位 Witness / VOLA


WITNESS

第3位はデンマークのプログレッシブ・メタルバンドVOLA(ヴォラ)の3rdアルバム『Witness』がランクインしました。

7弦ギターを用い、プログレやDjentが基盤となったハードなアンサンブルに、エレクトロな要素も追加。さらに雄大で壮大なコーラスを武器とすることで、Pink Floyd+Rammstein+Meshuggahが融合したような独自のスタイルを確立します。

本作はバンド自身が公言しているように、Opethからの影響を随所に感じ取れる他、Pain Of SalvationやDevin Townsendなど、由緒あるプログ・アーティストをリスペクトする姿勢が読み取れます。インダストリアルながらマス要素のある独特なリズム・パターンとヘヴィなリフ、そしてAsger Myginの切なく攻撃的なボーカルに一瞬で虜になること請け合いです!

2位 A View from the Top of the World / Dream Theater


ア・ヴュー・フロム・ザ・トップ・オブ・ザ・ワールド(ジャパン・リミテッド・エディション) (特典なし)

第2位は米国プログレメタルの雄、Dream Theater (ドリーム・シアター)の15枚目最新作となる『A View from the Top of the World』!

前作のコンパクトな内容から打って変わり、今作では再び長尺贔屓なDTスタイルが戻ってきています。その中でも一際注目を浴びた20分超えのタイトルナンバーは、「頂点」という、言い換えればそこから下降していく運命にある真理への、次元超越的な哲学が述べられています。

バンドを語る上で欠かせないRushからの影響を色濃く感じられるナンバーや、バンド初の8弦ギターを使用したナンバー、そして彼ららしいミディアムテンポのプログレ曲まで、非常にバランスの取れたテクニカル系プログレ・メタルの決定版!技術の大波に呑まれたい人には太鼓判、今回も手堅い安定さを見せつけてくれました!

1位 Aphelion / Leprous


Aphelion

そして、プログレッシブ・メタル部門第1位はノルウェーのバンドLeprous(レプラス)の最新作『Aphelion』に決定いたしました!

ノルウェー西部の町ノトデンで2001年、キーボード・ボーカルであるEinar Solbergと、ギタリストTor Oddmund Suhrkeによって結成されたプログレッシブ・メタルバンド。特にボーカルのアイナールの存在感が全てを物語っていて、リリカルな楽曲や静と動、緩急のジェットコースターでリスナーを一気に引き込む、圧倒的説得力がこのバンドの最大の魅力といえます。

本作はそんなアイナールから「直感的かつ自発的で、これまでと全く違う感触を持つアルバムだ。」と言われているように、頭で考えるよりも感覚で捉える作品となっています。前作『Pitfalls』の出来を遥かに超えてきた本作は、モダンクラシカル/アンビエントをも吸収し、一方でオーガニックなサウンドやブルージーなフレーズをも聴かせるという、ポテンシャルの深さを存分に見せつけてきた、まさに2021年の傑作です。

はい、ということで2021年のプログレッシブ・メタルアルバムTOP10、いかがでしたでしょうか。これと同時にプログレッシブ・ロックアルバムのランキングもアップされていますので、よろしければそちらもチェックしてみてください。

また、今回ランキングにご協力くださった高橋祐希さん、楯弥生さんらが中心となって発行された書籍『PROG MUSIC Disc Guide』、好評発売中です!現代のプログレッシブ・ロック/メタルを代表するシーン最重要アルバムを500枚以上に渡って紹介していますので、概要欄のリンクより、是非お手に取ってみてください!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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