【News】Riversideがバンド20周年を記念した新曲「Story Of My Dream」のMVを公開!2021年11月19日にコンピレーション・アルバム『Riverside 20』をリリース!
by 関口竜太 · 2021-11-04
こんにちは、ギタリストの関口です。
ポーランドのプログレッシブ・ロック/メタルバンドで、The Pineapple ThiefやPorcupine Treeに並ぶダーク&オルタナ系バンドとして人気を博すRiverside。
その彼らがこの度、バンド20周年を記念した新曲「Story Of My Dream」のMVを公開しました!
バンド概要
ポーランドの中央に位置する最大の都市ワルシャワで、2001年に結成されたRiverside。
元々プログレッシブ・ロックの土壌としてはそこまで有名ではありませんが、共産主義体制が崩壊した1980年を境に、民主的な音楽グループが多数出現。’90年代から’00年代にかけてはプログレッシブ・ロック・シーンも活性化しました。
ギターPiotr Grudziński(ピョートル・グルジンスクフキ)とドラムPiotr Kozieradzki(ピョートル・コジエラスキ)の二人は、車でMarillionを聴いたことで意気投合、そのまま偶発的にバンドを結成すると、友人であったキーボードのJacek Melnicki(ヤーチェク・メルニツキ)を誘います(ヤーチェクがスタジオを所有していた)。さらに、すでにマルチな才能を開花させ活動していたベース・ボーカルのMariusz Duda(マリウシュ・ドゥーダ)を迎え入れ早速曲作りに移りました。
Riversideはたった1年で完成したデモ・アルバム『Out of Myself』を500枚売り、ワルシャワでも注目のバンドとなっていました。このデモ・アルバムは翌年に正規のレコーディングを行うことになりますが、このタイミングでヤーチェクが脱退。新たにMichał Łapaj (ミカウ・シャパジ)を迎えます。しかし、そんなバンド内の逆境を跳ね返すように、『Out of Myself』は好調なセールスを記録しアメリカのレーベルLaser’s Edgeからもリリースされたため一気に世界的なバンドへ進出していきます。
彼らの音楽性は当初、先のMarillionよりの影響が強く、メンバーにはデス・メタルやドゥーム・メタルを愛するメタラーが集結しているにも関わらず、クリーンでジェントルなボーカルとメランコリックな音像による内省溢れる世界観を展開しています。
2005年からはプログ・ミュージックの総本家Inside Out Musicへと移籍。各国のフェスにも出演し、Dream Theaterなど著名なバンドともツアーを共にするなど人気・実力共にひたすら地位を上げていきました。
2015年リリースの6thアルバム『Love, Fear and the Time Machine』ではさらにPink Floydのようなサイケ成分も融合し、よりヴィンテージ・サウンドを表現するにまで成長を見せます。ポーランド国内ではアルバムの度にチャートのトップを飾り、もはや「東欧プログレ」と言えばRiverside、そんな地位まで登り詰めていたのですが。
悲劇は突然に起こりました。
このアルバムを発表の後の2016年2月、バンドの中心人物であったギタリストのグルジンスクフキが急逝。死因は肺塞栓症でした。リーダーもといブレインを失ったバンドの喪失感や絶望は計り知れませんが、このときからマリウシュがリーダーとしてバンドを引っ張り、Riversideは長らくトリオでの活動を余儀なくされました。
2018年にアルバムを一枚リリースし、セールスこそ好評でしたが、ファンの間では失ったものの大きさやバンドへの負担が心配だったことと思います。
しかしながら、最愛のメンバーの死を乗り越え2020年に新メンバーが加入。彼の名前はMaciej Meller (マチェイ・メラー)。グルジンスクフキの死後2017年からサポートしてバンドを支え続けた新たなクルーです。バンドの傷を癒し前進させる、新たな風となりました。
※各メンバーの名前について、不確定な発音を記している部分が多いです。
新曲「Story Of My Dream」
そしてこの度発表された新曲「Story Of My Dream」がこちら。
聴いた印象としてはPorcupine Tree、もといSteven Wilsonに近い曲調ですね。Pink Floydのような優しいメロディとボーカル、打ち付けるギターやベース、ドラムのパワフルさが土台を成し、プログレらしいキーボードがうねるとてもシンプルな楽曲になっています。
マリウシュのコメントを意訳すると以下の通り。
『「Story Of My Dream」は、僕たちの20周年のために特別に準備された曲だよ。僕たちはそれに自分たちの持てる全ての要素を加えようと思ったんだ。初めは重たいリズムで初期のRiverside、歌はメランコリックで比較的最近のRiversideといった具合にね。歌詞には、かつてリリースした曲のタイトルを直接引用している。さらにジャケットはTravis Smith(Opethのアルバム・アートで有名なデザイナー)が作ってくれて、これも過去のジャケットの断片が随所に反映されているんだ。そしてマチェイを迎えた新ラインナップによる初のナンバーだよ!来年はこのメンバーでアルバムを出す。この曲はそこには入らないけど、『Riverside 20』というコンピレーション(事実上のベストアルバム)が出るからチェックしてね!』
ここで重要なのは話の最後に出た『Riverside 20』ですね。「Vol.1, The Shorts」と「Vol.2, The Longs」という2枚がリリース予定で先のシングルは「Vol.1」に収録予定。発売日は11月19日とのことでもうすぐですね!下に概要を書いておくので、ファンはもちろんRiversideの入門盤としてもおススメです!
Riverside 20 – Vol.1, The Shorts
- Story of My Dream (05:47)
- In Two Minds (04:35)
- Loose Heart (04:47)
- Acronym Love (04:43)
- Conceiving You (03:40)
- I Turned You Down (04:34)
- Panic Room – Radio Edit (03:52)
- Through The Other Side (04:05)
- Forgotten Land – Radio Edit (05:10)
- The Depth of Self-Delusion – Radio Edit (04:59)
- We Got Used To Us (04:09)
- Shine (04:07)
- Lost (05:51)
- Addicted (03:58)
- Time Travellers – Radio Edit (05:19)
- Vale of Tears (04:48)
- Guardian Angel (04:23)
- Lament (05:06)
- River Down Below – Radio Edit (04:25)
Riverside 20 – Vol.2, The Longs
- The Same River (12:07)
- DNA Ts. Rednum Or F.Raf (07:20)
- Second Life Syndrome (15:40)
- Dance With The Shadow (11:38)
- Ultimate Trip (13:13)
- Rapid Eye Movement 2016 (12:40)
- Egoist Hedonist (08:56)
- Left Out (10:58)
- Living In The Past (10:15)
- Deprived (08:24)
- Escalator Shrine (12:40)
- Towards The Blue Horizon (08:08)
- Wasteland (08:25)
- The Curtain Falls (07:57)
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タグ: Riverside
関口竜太
東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。
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