Downes Braide Association「Halcyon Hymns」: ’80年代Yesの精神、未だここに。爽やかなニューウェイヴ・サウンドで紡ぐ“ファミリー”の新作、誕生!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はDownes Braide Associationの2021年最新作をご紹介します。

Halcyon Hymns / Downes Braide Association


Halcyon Hymns -CD+DVD-

Downes Braide Association(ダウンズ・ブレイド・アソシエーション)はイギリスのプログレッシブ・ロックバンド。

来歴


YesやAsiaで知られるキーボーディストGeoff Downesと、Britoney SpearsやChristina Aguileraらを手がける一方、自身もソングライターとして活動するイギリスのポップ・ミュージシャンChris Braideを中心として、2012年に結成されたプログレッシブ・ロックバンド(デュオ)。

それまで二人の直接的な繋がりは見受けられなかったものの、The Buggles(’70年代後半にイギリスで活動していたニューウェイヴ・バンド)が2010年に再結成ライブを行った際、バンドメンバーであるダウンズとプロデューサー業をしていたブレイドが知り合ったことがプロジェクトのきっかけになっています。

しかしThe Bugglesや、ダウンズが2011年にYesでリリースした『Fly From Here』に参加したTrebor Hornが、自身のバンドThe Producersにてブレイドと共演していたところから、ファミリー・ツリーにおいてはなかなかニアピンであったようです。

どちらにせよ、キーボードを主体としたポップスやオリエンテッド・ロックをベースに、活動していたパラレルワールドの住人同士がようやく結びついたと考えると、そのスーパーノヴァを見過ごすわけにはいかないでしょう。

二人は結成後間も無く『Picture of You』でデビューを飾ると、2015年に『Suburban Ghosts』、2017年に『Skyscraper Souls』とコンスタントな活動を継続していきます。

4年ぶりとなる本作『Halcyon Hymns』は、バンドにThe StrawbsやIonaで知られるDave Bainbridge(Gt)、The ProducersのAsh Soan(Dr)、Andy Hodge(Ba)らを迎え入れ、ゲストにはBig Big TrainのDavid Longdonもコーラスで参加するなど豪華な面々。ジャケットデザインはYesなどでおなじみのRoger Deanが担当しています。

アルバム参加メンバー


  • Chris Braide – Vocals
  • Geoff Downes (Yes, Asia, The Buggles) – Keyboards, Vocals
  • Dave Bainbridge (Iona) – Guitars
  • Ash Soan – Drums
  • Andy Hodge – Bass

その他参加ミュージシャン

  • Marc Almond (Soft Cell)
  • David Longdon (Big Big Train)
  • Barney Ashton-Bullock – Narration
  • Joe Catcheside, Elijah Braide, Sascha Braide – Backing vocals

楽曲紹介


  1. Love Among The Ruins
  2. King Of The Sunset
  3. Your Heart Will Find The Way
  4. Holding The Heavens
  5. Beachcombers
  6. Warm Summer Sun
  7. Today
  8. Hymn To Darkness
  9. She’ll Be Riding Horses
  10. Late Summer
  11. Remembrance
  12. Epilogue

リリースに際し、二人は「牧歌的で穏やかな夏を反映した作品」に仕上がっているとコメント。

#1「Love Among The Ruins」からすでに、デビューより変わらない’80年代英ポップの、メロウなオリエンテッド路線をブラッシュアップ。爪弾かれる12弦ギターのメロディと柔らかなブレイドのボーカルによりファンタジックに描かれます。

続く#2「King Of The Sunset」はメランコリーな雰囲気が漂う3拍子のナンバー。哀愁漂うメロディラインに加えベインブリッジによる泣きのギターソロも必聴です。

#3「Your Heart Will Find The Way」は明るくポップなAOR的ナンバー。’80年代感たっぷりなドラミングとメロディックなサビ、そして煌びやかな12弦ギターやピアノが軽快に踊ります。2:49〜聴けるDave Bainbridgeのギター・ソロもフュージョンのフィーリングがあって非常に知的です。

英国らしいアコースティカルなウェットさが魅力の#4「Holding The Heavens」。ユニヴァイブなギターの音色が優しいフォーク・ソングでありながら、中盤のクリスのファルセットがJon Andersonを思わせたりと、Yesの直系であることをもろに感じる一曲です。同じく#5「Beachcombers」も、高音のコーラスと360度から伝わるニューウェーブな空気がTrevor Rabin時代を彷彿とさせます。

#6「Warm Summer Sun」はストリングスとピアノが主体になったバラード。バック・コーラスも一体となり一つの楽器として機能しています。続く#7「Today」は「世界は私が愛する完璧な姿をしていないことを知っている」といった独自の哲学が歌われる美しいバラードで、ピアノや楽器のチョイス、リズムなどからJohn Lennonの影響も感じる一曲となっています。

#6を思わせつつマンドリンのトレモロが印象的な#8「Hymn To Darkness」を抜け、アルバムはポップ#9「She’ll Be Riding Horses」へと流れていきます。さらにアトモスフィアな小曲#10「Late Summer」といった具合に、アルバムは明言通りの夏らしい選曲に彩られています。

そして11分半を超える大作となった#11「Remembrance」。ゴリゴリにプログレッシブな展開を有しているわけではなく、あくまでこの作品の意図を見失わないメロディックで郷愁的なバンド・サウンドを楽しめます。ラストは30秒ほどの#12「Epilogue」でアルバムは終幕しています。

最後に


’80年代YesやPink Floydが好きな方には刺さる一枚だと思います。

爽やかなジャケットに釣られて壮大な展開や古き良きプログレッシブ・ロックのそれを求めてしまうと、人によっては肩透かしを食う結果になるとも言えますが、このブログでもAORサウンドはよく扱っていますし、未だ息づいている’80年代スタイルを聴きながらこれから訪れる夏に向けて気持ちを高められる、そんな良作に仕上がっていると思います!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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