Vanden Plas「The Ghost Xperiment – Awakening」: 王道スタイルからドラマを生み出すドイツ産プログレメタルの9th!超常現象に挑む実験をテーマにしたダブルアルバムの先発作!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はVanden Plasが2019年にリリースした9thアルバムをご紹介します。

The Ghost Xperiment – Awakening / Vanden Plas


Ghost Xperiment Awakening

Vanden Plas(ヴァンデン・プラス)はドイツのプログレッシブ・メタルバンド。

来歴


ドイツの西に位置するカイザースラウテルンを拠点に、1986年から活動するベテランのメタルバンド。

早速話が脱線しますがこのカイザースラウテルンという超かっこいい名前の都市、実は東京都文京区の姉妹都市に当たり、親善活動や文化交流、国際連携が行われているそうです。

ボーカルのAndy Kuntzを始めギターStephan Lill、キーボードGünter Werno、ベースTorsten Reichert、ドラムAndreas Lillという5人はいずれもロックミュージカルとして名高い「Jesus Christ Superstar」や「Evita」などの舞台に携わった経験のある実力派ぞろいです。そして結成から現在にいたるまでメンバーチェンジを行なっていない、昨今珍しい安定感を見せています。

結成からしばらくはデビューや音源とは無縁だったのですが、1991年に地元サッカーチームの凱歌を作りコンピレーションという形で1994年にデビューを果たします。

同年、バンドとしても初のスタジオアルバムColour Templeをリリース。「Jesus Christ Superstar」にも携わっていると先述しましたが、このアルバムは曲のテーマも新約聖書に基づいたクリスチャン的世界観が特徴の作品になりました。

その後、一定のスパンでコンスタントにアルバムをリリースしていく中で、2014年、2015年には2部構成となるシリーズアルバムChronicles of the Immortalsに着手。ヨーロッパ特有のメタルサウンドとファンタジックで壮大な世界観のダブルアルバムとなりました。

次なる新境地として、超常現象に関する実験を題材にした2タイトルのコンセプト作へ踏み切ります。その第一弾が本作『The Ghost Xperiment – Awakening』。ギデオン・グレイスという主人公を立て、彼がフランスを旅する中で「雨の家(House of Rain)」という謎の影との戦いを描きます。海外ドラマの「Supernatural」的な世界観を想定して聴いていただければ幸いです。

アルバム参加メンバー


  • Andy Kuntz(アンディ・クヌート) – Vocal
  • Stephan Lill(ステファン・リル) – Guitar
  • Günter Werno(ギュンター・ヴェルノ) – Keyboard
  • Andreas Lill(アンドレアス・リル) – Drums
  • Torsten Reichert(トルステン・レイチェルト) – Bass

その他参加ミュージシャン

  • Markus Teske – Backing vocal, Vocal arrangements, Mixing, Co-producer
  • Jürgen Rehberg – Backing vocal
  • Manuel Lothschütz- Backing vocal
  • Oliver Hartmann- Backing vocal

楽曲紹介


  1. Cold December Night
  2. The Phantoms Of Prends-Toi-Garde
  3. Three Ghosts
  4. Devils´ Poetry
  5. Fall From The Skies
  6. The Ghost Xperiment

粘りのあるヘヴィリフから始まるオープニングナンバー#1「Cold December Night」。王道を行くヘヴィメタルですが細かなテンポチェンジやリズムチェンジ、さらには転調も交えた巧みな造りになっているのが特徴。Andy Kuntzのボーカルはダミっぽさから語り口を想像させたり、サビでは広がりのある伸びやかなトーンを披露したりと表現力の点でとても優秀です。

3分ごろからのタイトな刻みに対し若干控えめにレイヤーを重ねるGünter Wernoのキーボード、そこからギタリストStephan Lillによるテクニカルなソロが登場します。タッピングや弦跳びフレーズなどを多用し、大胆なヴィブラートでメロディアスに世界観を織りなす様子は、この曲のみで説得力を生み出すに足るファクターだと思います。

続く#2「The Phantoms Of Prends-Toi-Garde」では、エレクトロなドラムに楽曲を牽引するメロディアスなレスリーサウンドのリフが印象的です。タイトルはフランス語で「幽霊に気をつけて」と言った意味合いですが#1のタイトな雰囲気とは違う浮遊感を持たせたナンバーになっています。

#3「Three Ghosts」は穏やかなヴァースと、アンディのメロウなサビとの緩急が素晴らしいバラードナンバー。ハードなギターとドラムにピアノのサウンドが奏でる綺麗なコントラストに切なさを感じてしまいます。スネアと刻みが一体となった王道なブラスト・ブレイクも本曲においてドラマティックさの演出に一躍買っています。

70年代を彷彿とさせるシンセサイザーのフェードからスローで重たいリフを展開していく#4「Devils´ Poetry」。そのサウンドやフィルで聴かれるリフの数々、楽曲を彩るシンセサイザーはさながら『Awake』期のDream Theaterのようです。5分すぎから畳み掛けるインストパートでは不穏な転調とテクニカルなキーボードソロも堪能でき、さらに本来なら温かみを感じるメロトロンの古めかしいフルートがまさに幽霊のような、逆に冷たく荒廃的な何かを思わせます。

#4に続き、こちらも9分半に及ぶ大作#5「Fall From The Skies」。ひたすらにダークな演奏と、彼らが得意とするメロディアスなボーカルラインの対比がとにかく素晴らしいです。インストパートは5:55ごろから、印象的なパッセージやユニゾンパート、突如メジャーにもっていくギターソロの大胆な転調などこちらも無駄がなく飽きを一切感じさせません。

前半ラストナンバーはテーマタイトルにもなっている#6「The Ghost Xperiment」。6拍子のリフに幽霊を演出させるホイッスル、サビでは5拍子も交え変則的に聴かせることでバトルでありながら緊張感を仰いでいます。一時のFates Warningも彷彿とさせるサウンドとスタイルで、終始身を委ねながら聴き入ることができる良作に仕上がっていると思います!

 

 

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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