【開拓】2020年プログレッシブ・ロックアルバムBest10
by 関口竜太 · 2020-12-20
こんにちは、ギタリストの関口です!
今年も一年の総決算として2020年のプログレ作品で特によかったものをランキングにまとめました!
今回はプログレッシブ・ロック部門とプログレッシブ・メタル部門の2部門を用意したのですが、こちらのブログではプログレッシブ・ロックのランキングをお届けします!
例によって独断と偏見ですが最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。
動画はこちら▼
よろしければ評価、チャンネル登録もぜひよろしくお願いします!
10-4
10位 Weltschmerz / Fish (U.K.)
第10位は元MarillionのボーカリストFishのキャリアラストアルバム。
このアルバムをもって引退を宣言したFishなのですが、相変わらずPeter Gabrielバリのボーカリゼーションに、70年代~80年代をひっくるめた古き良き時代の体現者として二枚組のアルバムを展開しています。
9位 Invisible / Nick D’Virgilio (U.S.A)
Spock’s BeardやBig Big Trainなどで知られるスーパードラマーNick D’VIrgilioの最新作。
ゲストにJordan RudessやJem Godfrey、Tony Levin、Paul Gilbertなど、豪華なミュージシャンを多数迎え、エレクトロかつソウルフルなフュージョンからハードロックまでこなす、彼のポテンシャルの高さを再認識できる一枚です。
8位 Infusion / Rubber Tea (Germany)
2017年にドイツで結成された若手5人組バンドRubber Teaのデビューアルバム『Infusion』が第8位。
女性ボーカル兼サックスのVenessa Grossを筆頭に、サイケロックとフォーク成分を掛け合わせたスタイルで、幻想さと芯のある美しさが同居した新感覚のバンドサウンドです。
7位 New Beginnings / AmuZeum (U.S.A)
第7位はこちらもデビュー作、アメリカのプログレッシブ・ロックバンドAmuZeumの『New Beginnings』です。
古くは90年代から手を替え品を替え、メンバー変遷を繰り返してきたバンドの最終到達点。70年代のプログレ風味を一身に持つスタイルで、YesやJethro Tullを彷彿とさせるような、演劇チックかつフォークなテイストが魅力です。
6位 Islands / The Flower Kings (Sweden)
第6位はスウェーデンのネオプログレッシブ・ロックバンドThe Flower Kingsの『Islands』。
昨年同時期にアルバムが出たばかりですがコロナ自粛の影響で制作が早まり早々に最新作が登場しました。
人々の孤独をテーマにした2枚組アルバムで、コンセプト作でありながら曲を繋げず単体で聴けるまさに「Islands」な作品に仕上がっています。
5位 Eupnea / Pure Reason Revolution (U.K.)
第5位はイギリスのプログレッシブ・ロックユニットPure Reason Revolutionの『Eupnea』。
PRRは元々サイケデリック・ロックバンドとして活動していたものが、2010年に解散。昨年のフェスで復帰したのをきっかけに男女ユニットとして今年最新アルバムがリリースされました。
一旦はエレクトロにも走ったPRRでしたが、最新作はデビュー当時のサイケロックに立ち返り、幻想的な音の空間に透明感の高いボーカルを堪能できる仕上がりとなっています。
4位 Through Shaded Woods / Lunatic Soul (Poland)
ポーランドのプログレッシブ・ロックバンドRiversideの中心人物Mariusz DudaによるソロプロジェクトLunatic Soulの最新作が第4位。
アコギやパーカッションをメインに、キーボードやストリングスセクションを絡め、Porcupine TreeやToolといった現代プログレのダークな雰囲気を踏襲したフォークスタイルは今作も健在です。
3-1
3位 The Absence of Presence / Kansas (U.S.A)
第3位はアメリカン・プログレ・ハードとして70年代中期からシーンを支え続けてきたベテランバンドKansasの最新作『The Absence of Presence』。
前作からおよそ4年ぶりの新作ですが、この間に、新たにキーボーディストTom Brislinを迎えた新体制に生まれ変わります。
ハードロックなギターにKansasの代名詞であるヴァイオリンサウンド、70年代からブレないスタイルを突き通しつつも最新のミックスによるスッキリとした音像がたまらなく心地いいです。
2位 Once Upon a Time / Cryptex (Germany)
第2位はドイツのシンフォニック・プログレバンドCryptexの最新作『Once Upon a Time』。
Cryptexはですね、2006年にボーカル・キーボードのSimon MoskonとドラマーRamon Fleigのセッションから始まったバンドで、メロディアスなボーカルラインに大仰しさも感じるほど壮大なシンフォニックと超巨大なサビが一番の特徴です。
最新作はそんなバンドの特色を遺憾無く発揮し、ロックバンドらしい爽やかなテーマや短いバラードで各曲コンパクトにまとめ上げています。
1位 Le fantastique envol de Dieter Böhm / Lazuli (France)
Le fantastique envol de Dieter Böhm
そして、プログレッシブ・ロック部門第1位はフランスのバンドLazuliの最新作『Le fantastique envol de Dieter Böhm(レ・ファンタスティクー・エンヴォル・デ・ディーター・ベーム)』。
1998年に南フランスで結成したLazuliは、リードボーカルであるClaude LeonettiとギターのDominique Leonettiという兄弟を中心に活動しています。
結成前、ボーカルのクロードが交通事故に遭い、弾けなくなったギターの代わりに片手で演奏できるLéodeというスライドギターのような楽器を開発しているのですが、これがその後のメランコリーなバンドスタイルにも繋がります。
アルバムは全編フランス語による歌詞ですが、人が空を飛ぶことについての哲学を全6部構成によるコンセプト作で、独創性の溢れるテーマと柔軟な音作りが非常に芸術的な一枚となっています。
というわけで2020年にリリースされたプログレッシブ・ロックアルバムの個人的ランキングトップ10でした!
同時に「2020年のプログレッシブ・メタルアルバムトップ10」の記事もよかったら見てみてください!今後何か新たな音楽を開拓する手助けになれればと思います。
2020年ベスト・プログレッシブ・ロックTOP10 – イメージは燃える朝焼け
- Le fantastique envol de Dieter Böhm / Lazuli
- Once Upon a Time / Cryptex
- The Absence of Presence / Kansas
- Through Shade Woods / Lunatic Soul
- Eupnea / Pure Reason Revolution
- Islands / The Flower Kings
- New Beginnings / AmuZeum
- Infusion / Rubber Tea
- Invisible / Nick D’Virgilio
- Weltschmerz / Fish
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タグ: AmuZeumCryptexFishKansasLazuliLunatic SoulNick D’VirgilioPure Reason RevolutionRubber TeaThe Flower Kings
関口竜太
東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。
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関口竜太
東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。