Lunatic Soul「Through Shaded Woods」: 孤独に落ちたい気分を代弁してくれるダークフォーク!ポーランドのベテランアーティストが送る7枚目最新作!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はLunatic Soulの2020年最新作をご紹介します。

Through Shaded Woods / Lunatic Soul


Through Shaded Woods

Lunatic Soul(ルナティック・ソウル)はポーランドのプログレッシブ・ロックプロジェクト。

来歴


ポーランドの首都にして最大の都市、ワルシャワ出身のミュージシャンMariusz Dudaが牽引するプログレッシブ・ロックプロジェクト。

ポーランドのプログレといえばRiversideを誰もが思い浮かべると思いますが、このデューダこそそのRiversideのリーダーであり、Lunatic Soulは彼の個人的趣向が現れたソロプロジェクトというわけですね。

デューダがそんなLunatic Soulを開始したのは2008年のこと。この時Riversideはといえば、3rdアルバムをリリースしポーランドのみならず国外でも認知し始められたころになります。このタイミングでソロプロジェクトを始めたのには色々と訳がありそうですが、アルバムが成功しツアーによりヨーロッパ各地にファンを増やしたことが大きな理由となりそうです。

そう考えると、このLunatic Soulこそデューダの音楽的目標の一つだったとも言えるわけです。

音楽性はというと、アコースティックギターやパーカッションをメインにキーボードやストリングスセクションを絡め、Porcupine TreeやToolといった現代プログレの雰囲気も踏襲したダークフォークスタイル。2008年のデビュー作『Lunatic Soul』から現在に至るまでこの音楽性を一貫しています。

本作『Through Shaded Woods』は通算7枚目のニューアルバム。例によって楽曲、ボーカル、各種インストゥルメンタルがデューダ一人の手で仕上げられています。

アルバム参加メンバー


  • Mariusz Duda – Vocal, All instruments

楽曲紹介


  1. Navvie
  2. The Passage
  3. Through Shaded Woods
  4. Oblivion
  5. Summoning Dance
  6. The Fountain
  7. Vyraj (Special Ltd Bonus CD)
  8. Hylophobia (Special Ltd Bonus CD)
  9. Transition II (Special Ltd Bonus CD)

本編は全6曲。そこにリミテッドエディションでは長尺ナンバーを含む3曲を収録したスペシャルディスクがくっ付いているためなかなかボリューミー。

アルバムはラテンのノリを感じるナンバー#1「Navvie」から幕を開けます。このアコースティックサウンドにはNeal Morseのアルバム『One』の風格を感じました。歌は基本ヴァースとコーラスが融合したテーマで構成されており、アルバムのオープニングとしての役割を果たしています。

#2「The Passage」は暗い森のようなこのアルバムの中でも特に印象深い一曲。デューダの低いトーンにより淡々としたボーカリゼーションとアコースティックサウンド。ダークな雰囲気こそあれどそのメロディには確かな優しさがありストリングスやパーカッションで暖かさを感じられると思います。8分のナンバーですが、後半はここにバンド編成が加わりヘヴィな様相に変わっていきます。

タイトルナンバー#3「Through Shaded Woods」は#1のラテン的フレーズとエレキ+アコギのユニゾンによるオリエンタルで内側の激しさを内包したナンバー。ドラムはエレクトロリカルに打ち込み感を出したSteven Wilson的な一曲です。

中盤に入りハチロクの#4「Oblivion」。メインのギターリフがループする形でそこにドラムやストリングス、別の弦楽器、そしてボーカルが乗っかっていく一人セッションのようなナンバー。サウンドトラック的な一面がある本作を象徴した一曲です。

アルバム本編で最も長い10分弱のナンバー#5「Summoning Dance」。これまでの硬いアコースティックリフから一転、冒頭は繊細なアルペジオに語りかけるような優しいボーカルが出迎えます。まるでLucy Roseのような暖かいフォークに幽玄なストリングスとピアノ、そして広がっていくコーラスがとにかく美しいです。4:22〜は変拍子も絡めたアルバムのテーマ的ラテンリフと4つ打ちのドラムが特徴的。

ラストとなる#6「The Fountain」。穏やかなフォークナンバーでピアノの美しさにどっぷりと浸かり癒されます。アルペジオに徹したアコギの他、ストリングスはリヴァース加工されているのでそこにトリッキーな雰囲気をもたらしています。

本編はここまでなのですが、リミテッドエディションのボーカルディスク収録曲についても簡単にご紹介します。

#7「Vyraj」はエレクトリックにスピード感のあるインストナンバー。後期Jeff Beckを思わす一曲です。#8「Hylophobia」は特に激し目なエレキサウンドを堪能できるロック曲。こちらもインストですね。

そしてラストとなる#9「Transition II」は27分を超える壮大なインスト曲。とは言いつつも本編のような具体性に溢れるテーマは用意されておらずPink Floydの「Atom Heart Mother」のようなアンビエント性能に優れたアトモスフィアナンバー。言い方は悪いかもしれませんが、暗いB級映画のサントラ的雰囲気があり、好きな人はとことん好きだと思います。

このようにボーナストラックも非常に表現豊かかつお腹いっぱい堪能できる仕上がりですが、明らかに本編とは毛色が違うので分けて消化されることをオススメします。

繰り返しになりますが、暗い雰囲気と終始アコースティックなサウンド、そしてデューダの穏やかで暖かいボーカルからSteven WilsonやバラードOpethが好きな人には是非手にとっていただきたい作品です!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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