This Winter Machine「The Man Who Never Was」: 冬の表現力がエキスパート!発祥地イギリスから誕生した新生ネオプログレバンドのデビュー作!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はイギリスのバンドThis Winter Machineのデビュー作をご紹介します。

The Man Who Never Was / This Winter Machine


THE MAN WHO NEVER WAS

This Winter Machine(ディス・ウィンター・マシーン)はイギリスのプログレッシブ・ロックバンド。

来歴


イギリスの中でもイングランド北西部に当たるウェスト・ヨークシャーで2016年に結成されたのが、本日ご紹介するThis Winter Machineです。

ボーカルAl Wynterを中心に、Mark Numan(Keyboard)、 Peter Priestley(Bass)、Marcus Murray(Drums)、Gary Jevon(Guitar)の5人でスタートすると、その年の7月にはブリティッシュプログレの人気バンドMagnumのツアーに同行。Magnumのファンやそのコミュニティを中心に早くも認知度を高めていきます。

This Winter Machineの音楽性は叙情的な正統派プログレッシブ・ロックで、70年代から受け継がれる陰鬱な空気感や美しいメロディとサウンドを主体にしています。近代流のハードな演奏も取り入れてはいますがそこまで強くは主張せず、80年代のMarillionやIQなどと同等に語れる新ネオプログレッシブ・ロックバンドです。これらはボーカルのウィンターによるバンドコンセプトになります。

本作『The Man Who Never Was』は結成から1年後にリリースされた彼らの1stアルバムとなるのですが、タイトル曲に関してはそれより10年も前にすでに原型が出来上がっており、アルのバンド結成に際し正式に日の目を見た形となりました。

なお本作収録曲「After Tomorrow Comes」は、リリース後、英Prog Magazine特集の「70年代をフィーチャーした楽曲」として紹介されました。

アルバム参加メンバー


  • Al Wynter – Vocal
  • Gary Jevon – Guitar
  • Andy Milner – Drums
  • Mark Numan – Keyboard
  • Stuart Mcauley – Bass

楽曲紹介


  1. The Man Who Never Was
  2. The Wheel
  3. Lullaby (Interrupted)
  4. After Tomorrow Comes
  5. Fractured

アルバムを飾るオープニングは15分を超える4分構成の組曲#1「The Man Who Never Was」。人々の雑踏からスタートするとピアノと存在感のあるベースに、ヴォリューム奏法でヴァイオリンを演じるギターの繊細なイントロが深々とした幕開けを告げます。

テンポチェンジやリズムチェンジを繰り返し壮大に展開していくものの、その実終始穏やかなナンバーとなっています。ボーカルは強い主張こそないですが、非常にナチュラルな声で聴きやすい印象。

#2「The Wheel」は冒頭の静かなボーカルパートから変拍子を交え展開していくミドルロックナンバー。そんな冒頭はこれまた真っ白なストリングスとギターのアルペジオをバックにウィンターの柔らかなボーカルが響きます。2:40〜の第2展開ではヘヴィなギターリフや往年のプログレッシブ・ロックを感じさせるアクティブな様相に変化。テクニカルなギターソロもあるのですが、ミックスによってあまり前に出て来ないのは若干惜しい気もします。

雪積もるジャケットが印象的な本作ですが#3「Lullaby (Interrupted)」のイントロにおけるソロギターでもそんな静かな雪原風景を感じられます。インストであるこの曲ではギタリストのゲイリーがイニシアチブを握ったように、ハードロックなリフやワーミーペダルを使ったトリッキーなテーマ、変拍子上でのペンタなソロなどギターフリークな一曲に仕上がっています。

イントロにマークのピアノが再び世界観を静寂に呼び戻す#4「After Tomorrow Comes」。全体的に大作思考にまとまった本作で似たような曲調というのは各々が主張しづらいものですが、アコースティックギターやGenesisを始祖とするようなシンセサウンドなど楽器の差別化は感じますね。

ラストナンバー#5「Fractured」は、冒頭から変拍子によるシーケンスなギターフレーズからメタリックなリフへ展開。このイントロではシンセとギターの掛け合いを堪能できるのですが、基本ソロパートが曲の後半に偏りがちだった本作では一番フックが効いているかも。2部構成になっている楽曲は、アクティブかつドラマティックに転調。6:30以降はエンディングに向け元のシンフォニックロックなバラードへと展開し最終的にイントロのギターへ帰還していきます。

演奏力の高さは申し分なく、また楽曲はドラマ性も富んでいますが、全体的にミックスがピアノ、ストリングス、ボーカルの3点に寄っているのでベースやシンセサイザー、ギターのオイシイパートで前に出て来ないもどかしさは若干ありました。プログレッシブな意志は存分に受け止めましたしまだデビュー仕立ての若いバンドなのでこれからには大いに期待できます!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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