Lionville「Magic is Alive」: 2020年、メロハーに酔いしれたいならこの一枚!イタリア産AORバンドによる最新作のスーパージャーニー!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はイタリアのバンドLionvilleの2020年最新作をご紹介します。

Magic is Alive / Lionville


マジック・イズ・アライヴ

Lionville(ライオンヴィル)はイタリアのAOR、プログレッシブ・ロックバンド。

来歴


Lionvilleはイタリア北西部の港湾都市ジェノヴァにて、シンガーソングライターのStefano LionettiとキーボディストAlessandro Del Vecchioを中心に2010年に結成されました。

デビューアルバムは2011年にバンド名を冠した『Lioneville』、続く2ndアルバム『II』は2013年にそれぞれリリース。インディーズによるアルバムの発表でしたが、所謂JourneyやTotoと言ったメロディックハードサウンドが大変な話題を呼び、その評価は海を越え日本まで伝わってくるくらいでした。

曲そのものの良さはもちろんありましたが、リードボーカルを務めるWork of ArtのLars Säfsundの存在が大きく、その人気は瞬く間に浸透することとなります。

2017年にはイタリアの大手Frontier Labelと契約することで正式にメジャーデビュー、3rdアルバム『A World of Fools』をリリースしています。

そして待望の4thアルバムが2020年リリースの本作『Magic is Alive』。先述のTotoはもちろん、Richard MarxやGiantにも通ずる超良質なメロディのAORサウンドを展開し、日本盤もリリースされています!

アルバム参加メンバー


  • Stefano Lionetti – Vocal, Guitar, Keyboard
  • Lars Säfsund – Vocal
  • Michele Cusato – Guitar
  • Giulio Dagnino – Bass
  • Martino Malacrida – Drums, Percussion

楽曲紹介


  1. Nothing Without You
  2. You’re Not Alone
  3. Runaway
  4. Finally You’re with Me
  5. Every Little Thing (Leads Back to You)
  6. If You Don’t Know Me
  7. Living with the Truth
  8. Reaching for the Sky
  9. I’ll Never Give My Heart Away
  10. Into the Night
  11. Magic is Alive

クラシックなAORアクトから強い影響を受けたサウンドが全編に渡る4thアルバム。Bon JoviやFair Warningにも匹敵する正統派メロディアスハードに正直あまり解説することもないのですが……笑 とにかく全編感覚に従ってその良質なメロディとサウンド構築に触れていただきたいです。

オープニングナンバーである#1「Nothing Without You」からとびきり上質な80年代サウンドが飛び出します。キラキラとしたシンセサイザーに繊細なアルペジオが同居するギターリフ、そしてラースの抜群に安定度の高いボーカルによってメロディアスに歌われるナンバーです。

コーラスクリーンのアルペジオが一層の煌びやかさを出す#2「You’re Not Alone」。過ぎ去っていく毎日に対する問いと明日への追求をテーマにした非常に前向きな激励ソングとなっています。

#3「Runaway」は、ローファイに加工されたヴァースではフィルターをかけたボーカルと、静かに脈動するバッキングサウンドがその後の開放感を予期させてくれます。2:40〜ではメロディを重視した硬派なギターソロも。

続く#4「Finally You’re with Me」はピアノとストングスが織りなすイントロから豊かなコーラスを兼ね備えた上質なバラードとなっています。本作では他にも#7「Living with the Truth」や#10「Into the Night」など、ロックテイストだったり叙情的だったりなメロハーならではのバラードも披露しています。

メロハーソングの代表格とも言える#5「Every Little Thing (Leads Back to You)」。バブリーに振り切ったシンセサウンドと歯切れよく疾走するハードロックナンバーです。

#6「If You Don’t Know Me」はジャズ的テンションコードにより大人な雰囲気が滲み出たミドルナンバー。ただ張り上げるだけでない落ち着いたボーカルやインターバルでのギターソロなど技巧的なポテンシャルが垣間見え、複雑に聴こえる進行からもプログレッシブでインテリジェンスな一面を感じられると思います。

イントロのエレピが特徴的な#8「Reaching for the Sky」。ロックバンドというよりひたすらポップに仕上げられたナンバーで、そのアメリカンかつベガスな雰囲気にイタリアのバンドだということを忘れてしまいそうです。

3rdシングルとして配信された#9「I’ll Never Give My Heart Away」。80年代テイストたっぷりに、メロディックなサビとコーラスにひたすら包まれる至高の4分間を体現できる一曲です。

 

タイトルナンバーとなるラストソング#11「Magic is Alive」。コミカルなベースラインが気を引くナンバーで、これまでの曲に比べると淡白にも感じます。その上に乗っかるボーカルラインは依然メロディアスで、インターバルではサックスソロがあったりするなどバンドのフリーキーな挑戦をここで感じることができます!

2020年になって音楽の進化がよりカオスへと進んでいってもかつて繁栄を誇った80年代の時代の素晴らしさが不滅のものだと現代に伝える、これからが注目のバンドです。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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