Nick D’Virgilio「Invisible」: 超売れっ子のベテランPROGドラマー9年ぶりのソロ音源がリリース!幅広い音楽性と豪華ゲストによるソウル&オーケストラ・ロック作品!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はNick D’Virgilioのソロ最新作をご紹介します。

Invisible / Nick D’Virgilio


Invisible

Nick D’Virgilio(ニック・ディヴァージリオ)はアメリカのミュージシャン、及びドラマー。

来歴


アメリカカリフォルニア州のウィッティアで、1968年に誕生したNick D’Virgilio。

ドラマーでありながらマルチミュージシャンとしても有名で、母国アメリカではSpock’s BeardイギリスではBig Big TrainGenesisの『Calling All Stations(1997)』でもその活動を確認することができます。

とりわけSpock’s Beardは、2002年にフロントマンであるNeal Morseが脱退したことで、一時はドラムとボーカルを兼任。レコーディングではその両方を録音しライブではサポートドラマーを立て自身はボーカルに専念するという、バンドの苦難の時期を支えた存在でもあります。

それとは前後して2001年、ソロ1stアルバム『Karma』をリリース。この作品は1996年に亡くなったシンガーソングライターKevin Gilbertが以前使用していたLawnmower and Garden Supplies Studioでレコーディングされました。ニックはケヴィンのスタジオアルバム『Thud』にドラムで参加していることで所縁がありました。

またこの時期からJames LaBrieなどのサポートで知られるギタリストMike Keneallyバンドのツアーメンバーにも在籍。2003年にはFates WarningのドラマーMark Zonderに代わり、Dream TheaterとQueensrÿcheとのツアーに一時的に参加するなど各地で引っ張りだこな、プログレロック界有数の売れっ子ドラマーになります。

2011年にはソロEP作『Pieces』も発表。カナダのケベックでショウを行なったことも繋がったのか、その年はかの有名なシルク・ドゥ・ソレイユにも参加。かなり多忙なためSpock’s Beardの脱退を明かしました。その後Spock’s Beardには正式には戻っていないもののアルバムのレコーディングにゲストという形で参加していたりします。

本作『Invisible』はアルバムで見れば2001年以来、音源としては2011年以来なのでいずれにしてもかなり久しいという印象です。正直このアルバムのアナウンスでニックのソロ活動を知ったくらいです。

ゲストにはDream TheaterのJordan Rudess、Frost*のJem Godfrey、King CrimsonのTony Levin、The Flower KingsのJonas ReingoldPaul Gilbertなどなどニックでなければ実現しなさそうな米英欧のスーパープレイヤーが集結。プログレッシブ・ロックの枠に囚われない幅広い音楽ジャンルで21世紀のシーンに新たな一枚を加えています。

アルバム参加メンバー


  • Nick D’Virgilio – Drums, Vocal, Multi-instruments

ゲストミュージシャン

  • Jordan Rudess (Dream Theater) – Keyboard
  • Jem Godfrey (Frost*) – Keyboard
  • Tony Levin (King Crimson, Peter Gabriel) – Bass
  • Jonas Reingold (The Flower Kings, Steve Hackett) – Bass
  • Paul Gilbert (Mr. Big, Racer X) – Guitar
  • Rick Nielsen (Cheap Trick) – Guitar
  • Carl Verheyen (Supertramp) – Guitar
  • Randy McStine – Guitar
  • Stan Cotey – Guitar
  • Jacob Dupre – Piano
  • Ed Goldfarb – Keyboard
  • Don Carr – Guitar
  • Phil Naish
  • Michael Omartian
  • Tom Hemby – Guitar
  • Dave Martin
  • Kat Bowser
  • Beth Cohen
  • Nathan Heironimus
  • Sophia D’Virgilio
  • Abbey Road Studios – String and brass sections

楽曲紹介


  1. Prelude
  2. Invisible
  3. Turn Your Life Around
  4. I’m Gone
  5. Money (That’s What I Want)
  6. Waiting For No One
  7. Snake Oil Salesman
  8. Where’s The Passion
  9. Mercy
  10. Overcome
  11. In My Bones
  12. Wrong Place, Wrong Time
  13. Not My Time To Say Goodbye
  14. I Know The Way

オープニングである#1「Prelude」の豊かなストリングスから、タイトルナンバー#2「Invisible」へと繋がっていきます。アコースティックギターのシンプルなバッキングにニックの繊細なボーカルが響くナンバーとなっています。

#3「Turn Your Life Around」は冒頭からプログレッシブな2分半に及ぶイントロが大きな特徴の楽曲。スリリングなストリングスと重ためのアンサンブル、カツカツとタイトに刻むギターが非常にかっこいいロックです。ゲストで参加しているJem GodfreyのキーボードやJonas Reingoldのベースにも注目です。

アルバムでも随一ファンクな#4「I’m Gone」。SAW波形を弄ったフュージョンにも近いシンセリードやDaft Punkを思わすエレクトロなサウンド構築、豪華なサビでのコーラスなど強烈なトラックとなっています。

先行シングルとなった#5「Money (That’s What I Want)」はかつてはThe Beatlesもカヴァーしたことのあるアメリカのソウル歌手Barrett Strongが1959年にリリースしたナンバー。モジュレートされたギターサウンドやウッディなベース、ソウルフルなコーラスはPeter GabrielのソロのようなポップさもありPink Floydのような幽玄な雰囲気も持ち合わせています。

#6「Waiting for No One」はピアノと重厚なストリングスが美しいソウルナンバー。#7「Snake Oil Salesman」は勢いのあるアコースティックギターが気持ちいい、縦ノリのアップビートナンバー。爽やかなアメリカンロックですがベースはKing CrimsonのTony Levinです。

#8「Where’s The Passion」は全編にオーケストラを取り入れたポップなバラードソング。非常にキャッチーなメロディと歌詞、ストリングスとリンクするサビでのテーマなど壮大さにも拍車がかかります。アウトロでのギターソロはRandy McStineによるもの。

ここまで比較的バラードやソウルナンバーでしたが、後半は一気にロック色が強くなります。そしてその先発となる#9「Mercy」はロックドラマーNick D’Virgilioの重たく痛快なドラミングにゴドフリーの流暢なキーボードソロが光ります。3つのブロックを起点にしたメインリフはどことなくNeal Morse、ないしSpock’s Beardを思わせます。

続く#10「Overcome」もヘヴィロックな一曲。お待ちかねのPaul Gilbertが参加したこの曲は、ファンジックさとKing Crimsonのようなダークでアヴァンギャルドな雰囲気を併せ持ったナンバー。セクションごとでリズムパターンが変わるのが特徴的です。

アメリカンハードロック/ブルースロックな#11「In My Bones」はオルガンやブラスセクションを大胆に取り入れたご機嫌な一曲。さらに続く#12「Wrong Place, Wrong Time」ではファニーなシンセサウンドやランディのギターソロ、対位法を用いたコーラスワークなどが聴かれますが、プログレッシブ・ロックとしての影響よりリズム音楽をひたすら消化した結果プログレッシブになっていると言った具合です。

#13「Not My Time To Say Goodbye」は#2や#5の流れがあるエレクトロポップナンバー。ポップなメロディやロック調としたエレキギターのバッキング、そして依然存在感を発揮するオーケストレーションが特徴的な7分のミディアムソングになっています。

ラストとなる#14「I Know The Way」はアメリカンポップにアルバムを締めるシンプルな一曲となっています。苦悩をテーマに歌う本作にとってとても前向きで力強さがあり、また新しい一日を始められそうなそんなクロージングテーマとしてニック9年ぶりのソロ作を飾っています。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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