Rubber Tea「Infusion」: ドイツの若きマルチプレイヤーたちによる新鋭バンドがデビュー!幻想さと芯のある美しさが同居した新感覚サイケプログレ!

こんにちは、ギタリストの関口です。

スポンサーリンク

本日はドイツの新鋭プログレッシブ・ロック バンドRubber Teaのデビュー作をご紹介します。

Infusion / Rubber Tea


Infusion

Rubber Tea(ラバー・ティー)はドイツのプログレッシブ・ロックバンド。

来歴


Rubber Teaの結成は2017年。ドイツのブルーメンを出身地とする若手ミュージシャン5人により結成されました。

女性ボーカルでサックスやフルートも演奏するVanessa Gross、ボーカル、キーボード、12弦ギターなどを担当するLennart Hinz、ギタリストのJonas Roustai、ベーシストでありシタールも演奏するDavid Erzmannm、そしてドラマーのHenri Pinkの5人は結成時からアートロックやプログレッシブ・ロックといった音楽に触発され活動を開始します。

5人はドイツで50年以上の歴史を誇るウッドストック的野外フェスBurg-Herzberg-Festivalを初め、数々のクラブやフェスへの出演を重ねていきます。

そして2年以上の歳月を経て制作されたのが、本デビューアルバム『Infusion』。管楽器やオルガン、メロトロンと言ったPink Floyd的なサイケサウンドに、ヴェネッサによるボーカルが魅惑的な世界へと誘ってくれます。

アルバム参加メンバー


  • Vanessa Gross – Vocal, Sax, Flute
  • Lennart Hinz – Vocal, Keyboard, 12 String Guitar, Mellotron, Vocoder, FX Pedals
  • David Erzmann – Fretless Bass, Sitar, FX Pedals
  • Jonas Roustai – Guitar, FX Pedals
  • Henri Pink – Drums, Percussion

その他参加ミュージシャン

  • Maik Scheling – Guitar, FX Pedals
  • Christopher Olesch – Vibraphone on #1,2,3
  • Alex Petratos – Congas, Güiro on #4,7
  • Jakob Rubin – Alto Sax solo on #4
  • Trötenfreak Lasse – Trumpet on #4

P8317357-scaled

楽曲紹介


  1. On Misty Mountains/Downstream
  2. In Weeping Waters
  3. Te Traitor
  4. Plastic Scream
  5. Storm Glass
  6. The Drought
  7. American Dream

同じドイツのサイケ系プログレバンドRPWLと、イギリス・ウェールズのバンドMagentaのフォーク成分を混ぜたような幻想さと芯のある美しさが同居した新感覚のバンドサウンド

#1「On Misty Mountains/Downstream」はイントロから70年代のサイケ・フォーク系サウンドで、キラキラとしたシンセにアンニュイな雰囲気でのブラスやリードシンセから、5拍子のリズムセクションへ切り替わって行きます。12弦ギターとヴェネッサの繊細なボーカル、そして幻想的なシンセサイザーが曲を引っ張りながら、3:04〜はPink Floydの『狂気』を思わせる陰鬱かつサックスも交えたメロディに心が洗われます。

全編5拍子の進行が印象的な#2「In Weeping Waters」。ピアノとフルートによるインターバルにジャズっぽさも感じながら、木琴の優しいサウンドがさらに幽玄でスピリチュアルな自然を感じさせます。この曲を含め3曲で参加した木琴奏者であるゲストのChristopher Oleschはその技術を活かしソロライブを行うほどの実力者です。

「裏切り者」の意を持つ#3「Te Traitor」は、アルト気味なボーカルとスネアドラムによる緊張感に支配されるナンバー。Jonas Roustaiのギターは歪み成分こそ控えめながら程よく抜け、そこにエレキギター本来の気持ち良さがあります。管楽器とオルガンも交えたシンフォニックな1:25〜のキメの大胆さや、ジャジーなドラムとベースが支えるサックスソロなど映画音楽のようなアダルトな仕上がりとなっています。

#4「Plastic Scream」は6/8のゆったりとしたバラードながら表情の豊かなギターソロを初め、ピアノやドラム、ベースなどとも一丸となってタッチによる細かな緩急を堪能できる一曲。後半に連れ盛り上げるインストパートはまさにサイケのそれで、浮遊感もあり気持ちがいいです。

#5「Storm Glass」SEによる導入からエジプシャンな雰囲気もあり、ボコーダーを使ったようなノイジーなボーカルがブレイクと共に訪れるフリーキーな一曲。1:55〜のハーモナイズギターも、微妙にズレを作ることでシンプルなメロディながら情報量を増した策士ぶりを感じます。

#6「The Drought」ではキーボーディストのLennart Hinzがボーカルを兼任する数少ない楽曲。男性ボーカルというだけで一層Pink Floydっぽさが増しますし、トレモロエフェクトによる儚げなアルペジオや、ダークなハードロックと化す中盤以降の展開、若干マイナーどころのバンドが醸すエスニックな雰囲気なども男臭いパワーがあって個人的には大好きです。

ラストとなる#7「American Dream」。クリーントーンに繊細なタッチで奏でるギターから突き抜けるようなシンセリードのバンドインへ流れて行きます。2分に及ぶイントロはKing Crimson的で非常に前衛でありながら、その聴きやすさを辿ればかなりクリアなミックスに帰結します。

ゲストにコンガやギロと言ったパーカッシブ奏者も加え、アルペジオやワウペダルのトレモロギター、SEなど情報量が極めて多いにも関わらず全ての楽器がしっかり分離して届くクリアさはこのバンドにおいてこれからの強みになると思います。

#7ではボーカルと呼べるものはなく、男性によるディベートがSE的に仕込まれているだけなのでザックリインストととして処理してもいいですが、3:38〜の如何にもプログレッシブな展開はクリムゾンだし、その後のシンセリードはGenesisやEmerson, Lake & Palmerからの流れもあったりしてすごく優美。

なお、音源の形態によっては#1がスラッシュで区切られた2曲に分かれていることもあるみたいなので全8曲となっている資料も存在します。決してボーナストラックがあるとかではないので注意です。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

おすすめ

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。