Neal Morse「Sola Scriptura」: ルターの生涯を描くエピックプログレの決定版!最新作のヒントともなりうる2007年4th作。

こんにちは、ギタリストの関口です。

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Neal Morseのニューアルバム『Sola Gratia』の発表がありましたが、それに関連付いた作品に2007年リリース『Sola Scriptura』があります。

過去の記事でもこのアルバムについて触れてはいるのですが詳細には乏しいので、本日はお馴染みアーカイブ&再編集にてこの『Sola Scriptura』をご紹介していきます!

Sola Scriptura / Neal Morse


Sola Scriptura

Neal Morse(ニール・モーズ)はアメリカのキーボーディスト、及びマルチミュージシャン。

来歴


1992年にアメリカで兄のAlan Morseと共に結成したSpock’s Beardを、2002年に脱退。その理由をニールは神からの啓示とし、以後クリスチャン・ミュージシャンへと転身することに決めます。

Spock’s Beardと共に活動を休止したバンドもあり、それが米英欧のスーパーグループTransatlantic。当時2ndアルバムまでを順調にリリースしており、さらなる新作やライブに向け動き出していたようですが、ニールの転身により活動休止を余儀なくされます。その後2009年より復活しています。

さて、そんなわけで2003年にクリスチャン・ミュージシャンとしての再スタートを切ったニールは持ち前の多作ぶりを遺憾無く発揮。

バンドで行なっていたようなプログレッシブ・ロックスタイルの「Prog Rock」アルバムとアコースティックスタイルによる「Workship Sessions」アルバムとの2種類を展開。毎年のように作品をリリースし続けています。

先述したTransatlanticを初め、2009年以降はかつてのプロジェクトや新バンドの結成など活動の幅を広げますが、本作『Sola Scriptura』がリリースされた2007年ごろはそんなソロ活動真っ只中。

本作はローマ・カトリック教会から分離しプロテスタントを誕生させたドイツの神学者マーティン・ルターの生涯を描いたコンセプトアルバム。ルターは「人の姿となられた神の言葉としてのイエス・キリストにのみ従う」という信仰義認を提示。「全てを聖書に従う」という教えをラテン語にした言葉が「Sola Scriptura」ということになります

メンバーには現在まで続く盟友Mike PortnoyRandy Georgeがこの活動をサポート。ゲストとして一部ギターソロにPaul Gilbertも参加しています。

アルバム参加メンバー


  • Neal Morse – Vocal, Guitar, Keyboard
  • Mike Portnoy – Drums
  • Randy George – Bass

ゲストミュージシャン

  • Paul Gilbert – Lead Guitar on “VI. Upon the Door” of #1, “I. Do You Know My Name?” of #2, Flamenco guitar on “IV. Two Down, One to Go” of #2

その他参加ミュージシャン

  • Chris Carmichael – Violin, Viola
  • Michael Thurman – French horn
  • Rachel Rigdon – Violin
  • Hannah Vanderpool – Cello
  • Debbie Bresee – Background Vocal
  • Richard Morse – Background Vocal
  • April Zachary – Background Vocal
  • Wade Browne – Background Vocal
  • Joey Pippin – Background Vocal
  • Amy Pippin – Background Vocal
  • Revonna Cooper – Background Vocal
  • Wil Henderson – Vocal

楽曲紹介


  1. The Door
    I. Introduction
    II. In the Name of God
    III. All Ask For
    IV. Mercy for Sale
    V. Keep Silent
    VI. Upon the Door
  2. The Conflict
    I. Do You Know May Name?
    II. Party to the Lie
    III. Underground
    IV. Two Down, One to Go
    V. The Vineyard
    VI. Already Home
  3. Heaven in My Heart
  4. The Conclusion
    I. Randy’s Jame
    II. Long Night’s Journey
    III. Re-Introduction
    IV. Come Out of Her
    V. Clothed with the Sun
    VI. In Closing…

29分と25分の超大作2曲を含む全4曲。Nealのソロアルバムの中でも一際プログレメタル感の強い仕上がりです。

#1「The Door」は6部構成29分の楽曲。前作『?(Question Mark)』までのニール作品と比べてもアルバム全体でかなりヘヴィでテクニカルな一面を覗かせます。

イントロから、シンセサイザーは元よりそれをギターでもユニゾンしたシーケンス的フレーズや、Procol Harumが初出させニールの十八番となったディミニッシュを降下させるシーンなどこれぞニール節。3連を基調としたフレージングの組み方と、それを変拍子に変換し自由に拍を変形させる手法はもはやお馴染みであり、マイクのドラムとも相性抜群です。

「III. All Ask For」ではフックの効いた美しいコーラスワークが魅力で、このメロディはルターのテーマとしてアルバムに深く突き刺さっています。ラストパートの「VI. Upon the Door」ではポールのエモーショナルな超絶ギターソロが堪能でき次の曲へと繋いで行きます。

#2「The Conflict」は、冒頭から再びポールのソロ。ヘヴィなリフに対し粒の細かいドリアン系の速弾きは彼のトレードマークでもあります。この曲では7:09〜からメインテーマのシーケンスフレーズを展開させ、プログレッシブなインタールードを生み出しています。この間奏パートを後の右腕となるEric GilleteがYouTubeに上げており、個人的にはそこでこの曲に対する評価が一気に上がりました。

他にはバラードパート「III. Underground」。浮遊感のあるこのパートのコード進行は独特なドミナントの解決をしていて、これもニールお決まりの手法ですね。続く「IV. Two Down, One to Go」はラテンのノリたっぷりのパートですがここでのフラメンコギターソロはポールが担当。

#3「Heaven in My Heart」は唯一の単体バラードソング。Transatlanticの「Bridge Across Forever」や「Shine」などにも繋がる美しいメロディラインが特徴です。

ラストとなる#4「The Conclusion」。こちらも6パート16分の大作となりアルバムを締めています。大まかな流れはこれまでのテーマやメロディラインをリプライズ的に再登場させ伏線回収していくというもの。歌詞は英語ですが繰り返されるこれらの伏線から曲とアルバムの全体像は掴みやすくなっていますね。

ただ逆を返せばいくつかの同じテーマが作中で何度も繰り返されるので、プログレにありがちなこれらの演出や、そもそもコンセプトアルバムという概念を楽しめる方でないと飽きが生じるかもしれません。

しかしながらファンの間では非常に評価の高い一枚で、濃厚に凝縮されたプログレメタル感とニールの産む万人向けのメロディライン、そこに加わるポールやマイクなどシーントップクラスの演奏も相まって、テクニカル系エピックプログレがお好きな方には是非チェックしてほしい傑作に仕上がっています!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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