Spheric Universe Experience「Unreal」: 沈黙を貫くフランス産プログレメタルの3rd!スタイルの確立と成長を見せたバランス作!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はSpheric Universe Experienceの2009年にリリースされた3rdアルバムをご紹介します。

Unreal / Spheric Universe Experience


Unreal

Spheric Universe Experience(スフェリック・ユニバース・エクスペリエンス)はフランスのプログレッシブ・メタルバンド。

来歴


1999年にギタリストVince BenaimとベーシストJohn Draiが中心となり結成されたGates Of Deliriumというプログレッシブ・メタルバンドをきっかけに、そこから発展したAmnesyaが前身。

そのAmnesya時代にキーボードのFred Colomboが加入し活動をしていきますが、バンドは音楽性の違いのために分裂してしまいます。

メインコアであったメンバーで新たにバンド名をSpheric Universe Experienceへと変更し、8ヶ月をかけデモアルバム『The Burning Box』を作成します。当時セッションボーカルをしていたFranck Garciaに歌入れを頼んだところ、メンバーがこれに感銘したことで正式メンバーに迎えられます。

バンドは2005年に1stアルバム『Mental Torments』にてメジャーデビューを果たし、Dream TheaterやCircus Maximus、Seventh Wonderを筆頭とするテクニカル系プログレッシブ・メタルのスタイルで各メディアでも話題を呼びました。

2007年リリースの『Anima』では、メロディアスな楽曲に一層拍車がかかりテクニカル成分も増すことで日本でも一時取り上げられる知名度に。

本作『Unreal』はさらにその延長線上となった待望の3rdアルバム。ドラマーの変遷が激しく現在まで6度変わっていますが、本作は中でも4年ほど在籍し存在感を見せたChristophe Briandの参加作となっています。

アルバム参加メンバー


  • Vince Benaim – Gutiar
  • John Drai – Bass
  • Fred Colombo – Keyboard
  • Franck Garcia – Vocal
  • Christophe Briand – Drums

楽曲紹介


  1. White Willow
  2. Down Memory Lane
  3. Lakeside Park
  4. 3rd Type
  5. Near Death Experience
  6. Lost Ghost
  7.  Dragged
  8. O.B.E
  9. Tomorrow

先に断っておくと、バンドは2012年の4thアルバム『New Eve』以降、作品制作については完全に沈黙していますが解散はしておらず、現在はライブ活動がメイン

その中で最も複雑な1stから現状最新作の4thにかけて徐々にコンパクトになっていくのがこのバンドの特徴。本作はその過渡期に当たりますね。

オープニング曲#1「White Willow」はデジタルシンセの波紋からタイトなギターリフへ展開していくSUEお決まりのイントロパターン。オルタナメタルを思わせるヴァースと漢臭いコーラスに暑苦しさはあるものの、相変わらずサビはハイトーンでキャッチーです。

#2「Down Memory Lane」は他国センスに嗜好のある彼ららしい一曲。イントロからエジプシャンなシタールを取り入れコンパクトにまとめ上げたメタル曲で、アレンジへの丁寧な仕事が感じられます。間奏のクラビネットもDream TheaterぽくてGoodです。

#3「Lakeside Park」はCircus Maximus風とも言えるテンション感のあるシンセとギターで攻め立てるメタルナンバー。

#4「3rd Type」のイントロはRushを起源とするテクニカルなシーケンスの発展形。メロディック・シンフォメタルな雰囲気にカウンターで入るピアノが実にクール。曲全体を通してフレッドのキーボードがフィーチャーされている一曲です。

#5「Near Death Experience」#6「Lost Ghost」は、前作でもこのポジションに位置した「Stormy Dome」と「World of Madness」を想起させるピアノのイントロとドラマティックなメタルとの組曲として機能。中でも#6は重たい雰囲気ながらメロディの良さでそれを中和していくシンフォニック・バラードで豊かなコーラスやヴィンスの抒情的ソロなど退屈させない造りになっています。

#7「Dragged」も流れとしては#3や#6と同様のヘヴィメタル。6分前後というこのジャンルでは決して長くない尺の中で安易な展開に走らずドラマティックに仕上げている様は、前作から得たものによる成長を感じます。

#8「O.B.E」は前作の「Black Material」を思い起こさせるようなインストナンバー。ハードエッジなギターとフュージョンライクなキーボードとの緩急が魅力的です。

ラストとなる#9「Tomorrow」は8分の長尺ナンバーとしてアルバムの締めくくりに鎮座。開幕から超攻撃的なリフが炸裂、自由な節で曲を紡ぐボーカルやバラードなサビ、そこへの架け橋となるグランドピアノなど仏産プログレメタルの名エピックです。

4枚あるこのバンドのアルバムで、個人的にお勧めできるのが1st〜から今作までの3枚なのですが、もし反応や要望があるようでしたら彼らが行き着いた4thアルバムもまとめたいと思います。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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