LeSoir「Mosaic」: 女性ボーカルらしい美麗さと攻撃的なロックサウンドが音楽に三次元をもたらす!プログレ界でも認められつつあるオランダアートロックの最新作。

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日は2020年に新譜を発表したLeSoirというバンドをご紹介していきます!

Mosaic / LeSoir


Mosaic

LeSoir(ルソワ)はオランダのプログレッシブ・ロックバンド。

来歴


2009年にオランダ出身の女性キーボード/フルート/ボーカルMaartje MeessenとギタリストIngo Dassenが中心となり結成されたアートロックバンド。バンド名はフランス語で「夜」を意味します。

他のメンバーにはベースにIngo Jetten、ドラムにBob van Heumen、そしてギターやキーボードを操る女性プレイヤーEleen Bartholomeusが在籍。Gazpacho、The Pineapple Thief、Devin Townsend、Steven Wilsonなどから影響を受け固定観念に囚われない自由な発想で楽曲制作を行います

またミーセンはサズと呼ばれるペルシャやトルコでは親しみのある弦楽器も扱っています。

Mos Turkish Mahogani Short Neck Saz Baglama With Case for sale ...

こちらがサズ。ナイロン弦と可動式のフレットが特徴で、ミーセンはステージでエレキ仕様の物を使っています。

バンドは2011年にセルフタイトルアルバム『LeSoir』でデビューをすると、2013年には『Transience』、2014年に『Luctor Et Emergo』と次々アルバムをリリース。精力的な活動を見せます。

2017年リリースの4thアルバム『Latitude』では共同プロデューサーにThe Pineapple ThiefのフロントマンBruce Soordを招き制作。音楽をそれまでの二次元的な解釈ではなく三次元アートとして、感情や想像を介した視覚的な奥行きをサウンドスケープに込める試みがなされます。

本人たちの感想から、結果としてまだまだ研究の余地ありと見なされましたが、アーティスティックな発想だけでなく美しいメロディやミーセンのボーカル、Renaissanceを思わす麗しきシンフォサウンドがオランダ国外での評価を得ることに繋がります。

バンドは2019年の春、ポーランドのプログレバンドRiversideのツアーに特別ゲストとして同行。5週間に渡るツアーを成功させたと同時にニューアルバムに対する創造性も刺激されました。

本作『Mosaic』は、そんなRiversideとのツアーを受け、さらに前作『Latitude』で得たノウハウなども詰め込んだ2020年最新作となります。

アルバム参加メンバー


  • Maartje Meessen – Vocal, Flute, Piano
  • Ingo Dassen – Guitar
  • Eleen Bartholomeus – Vocals, Guitar, Keyboard, Percussion, Saz
  • Ingo Jetten – Bass
  • Bob van Heumen – Drums

Image

(L to R) Ingo(D), Eleen, Maartje, Bob, Ingo(J)

楽曲紹介


  1. Mosaic
  2. Is This It?
  3. Somebody Like You
  4. The Geese
  5. Measure Of Things
  6. Dystopia
  7. It’s Never Quiet
  8. MXI
  9. Two Faces

クリアな女性ボーカルプログレで思い浮かべるアコースティックサウンドと、それに対比した重たくダークなギターが特徴の作品。

#1「Mosaic」はタイトルナンバーにして、もっとも万人が思い浮かべる女性ボーカルプログレの象徴。前半はアコースティックな編成に比較的単調な展開ですが、女性が二人いることで奥行きのあるハーモニーが単純に綺麗です。2:50〜をすぎるとロックバンドらしく芯の太いビートへ変わります。チェスを使ったMVも芸術的感性が高いです。

#2「Is This It?」はアートの側面が強い、アヴァンギャルドなナンバー。ディレイのギターが雨粒のように踊るイントロや、オリエンタルかつ自由度高く歌うミーセンのボーカルがサイケデリックの雰囲気も醸し出しています。個人的にはイギリスのシンガーRosalie Cunninghamを思わせました。

お次は爽やかなポスト系ロックになった#3「Somebody Like You」。ギターソロなどのリードプレイはダッセンの役割ですが、イントロでのディレイギターなど繊細なアプローチにはエレーンも活躍。サズが奏でるエスニックなサウンドと、女性ボーカルの麗しさも親和性が高く本作でも文句なしのリードナンバーとなっています。

#4「The Geese」はシンフォニック感満載のバラード。存在感のあるボーカルですが、それを後押しする分厚いコーラスもLeSoirの強みの一つです。本作では特に楽曲の「色味」について追求している節があり、花のように綺麗なアンビエントからくっきりとしたロックバンドとしてのヘヴィさも兼ね備えています。

#5「Measure Of Things」はアルペジオとクアイアによるオリエンタルな空気のイントロが特徴。後半の大サビではボーカルとギターソロがより一層エモーショナルに曲を引き立てています。

続く#6「Dystopia」はディレイギターやスライドギター、空間を包むシンセストリングスまでとことんPink Floydの「狂気」です。「狂気」のジャケットに描かれるのは光のプリズムで、これは光の反射や分散を利用した科学的な現象であるため、ある意味で機械的なのかなという解釈に持ち込むとそこに「Dystopia」との感れが見えてきそうです。

#7「It’s Never Quiet」はパーカッシズムなノリのよさにフルートやクアイアのコーラスも交えることでエスニックなアレンジになっているのが特徴。また、ギターは6弦を刻むメタルの側面もありかなり多方面から観察できる一曲となっています。

#8「MXI」は本作のテーマである鮮やかな色彩を物語る2分ほどのピアノインスト。霧のようなストリングスとエレクトリカルなドラムのリズムは彼らが影響を受けたSteven Wilsonの風味も感じられます。

ラストナンバー#9「Two Faces」はボーカルスタートによる大作バラード。サビではこれまで以上に力強いリズム隊と強烈なコードの引き込み、そしてリフレインすることで耳に馴染むメロディを展開しており、芸術点が高くも手に取りやすいクオリティを確保している所以かもしれません。後半はエモーショナルに盛り上げていく展開で、特にパワフルなドラムとダーティにかき鳴らすギターサウンドに「アート」そのものを感じられる仕上がりとなっています!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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