Native Construct「Quiet World」: メタル業界が震え切った!果てしないエネルギッシュさと若さで”完成させすぎた”モダンプログレの礎。

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日は過去の紹介記事から現在の視点で捉えるアーカイブ&再編集第三弾です。今日はNative Construstの『Quiet World』をご紹介します。

Quiet World / Native Construct


QUIET WORLD

Native Construst(ネイティブ・コンストラクト)は、アメリカのプログレッシブ・メタルバンド。

来歴


2011年、アメリカはボストンにあるバークリー音楽大学に在籍していたRobert EdensMyles YangMax Harchikによって結成されたプログレッシブ・メタルバンド。

バークリー音楽大学といえばDream Theaterの前進Majestyが結成されたことでも有名ですが、ジャムセッションから始まった彼らの音楽は次第にBetween the Buried And MeのようなモダンなメタルサウンドとQueenが持つシアトリカルな展開やオペラ的ボーカルによって注目を浴びることになります。

2014年、名門レーベルMetal Bradeの創始者Brian Slagelの目にその音楽が止まったことでデビューが決定。

そして、翌2015年に本作『Quiet World』がリリース。「言葉を発せられない男」と「その男が惹かれ愛情を注ぎたい女」から発展した「自分自身でコントロール出来る静寂な世界の構築」をテーマに、クラシックやミュージカル、ワールドミュージック、そしてDjentなど非常に幅広い音楽を見事にまとめあげた傑作として話題を呼びます。

なお、アルバムはバークリー在籍中にレコーディングされたため、学業や予算とのバランスを考慮しながら制作されました。一方でバンドの1stアルバムというえげつないエネルギーと学生ならではの豊かな発想が具現化された一枚と言っていいでしょう。

その後、バンドには現在の若手メタルシーンのトップを行くマレーシア出身のギタリストPoh Hockが加入。確実に広がったであろう音楽性で新作が楽しみなところではありましたが、昨年3月に運営の厳しさから活動休止を余儀なくされています。

アルバム参加メンバー


  • Robert Edens – Vocal
  • Myles Yang – Guitar
  • Max Harchik – Bass

楽曲紹介


  1. Mute
  2. The Spark Of The Archon
  3. Passage
  4. Your Familiar Face
  5. Come Hell Or High Water
  6. Chromatic Lights
  7. Chromatic Aberration

#1「Mute」は本作のリードナンバー。過激なデスメタルのようなブラストビートにスリリングなストリングスやブラスサウンドが絡むモダンメタルの革命ソング。変拍子のブレイクにQueenを彷彿とさせるコーラス、半ば強引な展開の切り替えが徐々に癖になっていきます。

なお、作成されたPVには8弦ギターを操る二人のギタリストがいますが、上手側が正規メンバーのマイルズ、下手でStrandberg*を扱うのが加入前のハックとなります。

冒頭デジタルな印象を持つ#2「The Spark Of The Archon」。シンセとパーカッションから、徐々にドラムとギターへ切り替わり、メロディックなテーマのリードを披露していきます。エクストリームに駆け上がりそこからムーディに落とす彼らの常套手段もお手の物。後半も全身が攻撃する鎧のようになった演奏で畳み掛けてきます。

#3「Passage」は古きメロトロンサウンドも使用しながらタイトなドラムとデジタルなシンセサイザーも取り込み、前半はバラード仕様。5分すぎからはエクストリームに変貌しデスボイスとシンフォニックな音の空間を表現しています。

中盤は4分程度のバラード#4「Your Familiar Face」と、よりオペラアプローチに特化した6分弱の#5「Come Hell Or High Water」。特に#5はDjentyなギターと生々しいシンフォサウンドが魅力的で、スウェーデンのバンドA.C.Tにも通じそうな物語性が非常にマニアックです。

そして、ギターアルペジオ主体の#6「Chromatic Lights」と、これをイントロとした#7「Chromatic Aberration」

ラストは12分半に及ぶ大作の超シアトリカルナンバーで、メロウかつタイト、デスでシンフォニック、さらに目まぐるしく展開するフルスロットルの一曲。8分すぎのシンフォニックパートではブラジルのAngraの『Temple of Shadows』らしさも彷彿としました。

とにかくここまで多ジャンルを消化したメタルは過去の歴史からしても非常に珍しく、かつ聴き手にもしっかり理解が追いつく範疇に調整されている点でFrank ZappaやDevin Townsendよりもアクセスしやすい音楽を目指したことは間違いなさそうです。

現在は活動を止めている彼らですが、解散という報告はされていないのでこの先どこかで復活してほしいことを願います。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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