James LaBrie’s Mullmuzzler「Mullmuzzler 2」: DTのボーカルによるソロ第二弾。テクニカルすぎない適度なハードプログレとメロウでマニアックな嗜好が楽しめる一枚!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はJames LaBrieのソロプロジェクトMullmuzzlerの2ndアルバムをご紹介します!

Mullmuzzler 2 / James LaBrie’ Mullmuzzler


James LaBrie’s Mullmuzzler 2

James LaBrie’ Mullmuzzler(ジェイムズ・ラブリエズ・マルマズラー)はアメリカのプログレッシブ・ロック/メタル・プロジェクト。

多方面を撃ち尽くす「Mullmuzzler」での二作目


Dream Theaterの二代目ボーカリストとして絶大な人気を誇るJames LaBrieのソロプロジェクト第二弾。

前作『Keep It Yourself』ではMullmuzzlerというプロジェクト単体での名義でしたが、本作ではJames LaBrie’ Mullmuzzlerと改め、よりDream TheaterのJames LaBrieであるところを強調しています。

そもそも「Mullmuzzler」とはなんなのか考えてみましたがそれ自体に意味はなくオリジナルの造語であると考えられます。英語で「mull」は後ろに「over」と続けて「考える」といったような意味ですが、それとは別にヒンディー語やマラヤーラム語では「multi」の意味があります。

また「muzzler」は「-er」によりそういう人や存在を現すものだと仮定すると、「muzzl(英)=銃口」が当てはまります。故に「Mullmuzzler」とはマルチな銃口、転じてマシンガン的な存在を指すのではと考えます。この考察は若干チグハグですし全く見当違いかもしれませんけどね。

このMullmuzzlerの名義を使ったソロアルバムは本作で打ち止めになっており、通算3枚目のアルバム『Elements of Persuasion』以降は完全にJames LaBrie名義での作品形態となっています。

メンバーは基本前作と変わっていませんが、ホーンセクションで参加してくれていたWayne GardnerとMichael Stewartへの起用はなく、代わりにサイドギターとしてトロント出身のMichael Borkoskyが参加しています。

アルバム参加メンバー


  • James LaBrie – Vocal, Production
  • Trent Gardner – Keyboard, Spoken vocal
  • Matt Guillory – Keyboard, Piano, Sampling
  • Mike Keneally – Guitar
  • Michael Borkosky – Guitar
  • Bryan Beller – Bass
  • Mike Mangini – Drums, Percussion

楽曲紹介


  1. Afterlife
  2. Venice Burning
  3. Confronting the Devil
  4. Falling
  5. Stranger
  6. A Simple Man
  7. Save Me
  8. Believe
  9. Listening
  10. Tell Me

シンセによるフェードインから始まる#1「Afterlife」。前作のオープニングのようなハードシンセスタイルからは少し控えめに、プログレッシブ・ロック感が強くなっています。サビでのコーラスアルペジオ、インターバルでのワウなどを加味するとやはりDream Theaterの『Awake』〜『Falling Into Infinity』期を思わせますね。ちなみに1:00〜の「Now my agenda」という歌詞が「マヤちゃんだ」に聴こえるのでどなたか空耳アワーに応募してください。言わずもがなDream Theaterの「Afterlife」とは別物。

続く#2「Venice Burning」。Matt Guilloryのピアノからクランチ気味のカッティング、そしてオルガンとのユニゾンによるキメを経てボーカルへと導入していくイントロのまとめかたがとても上手い。アルバム全体を通してテクニカルすぎない楽曲たちですが、ラブリエのハイトーンと叩きまくるMike Manginiのドラムによってメタルな展開を期待してしまいます。

#3「Confronting the Devil」は倍音豊かなクランチリフが特徴的なハードロックナンバー。ボーカルはダミを効かせた攻撃性とクリーン&ファルセットの繊細な部分とのコントラストが魅力的でこの表現の幅はラブリエならでは。故にDream Theater感も強くなっています。

#4「Falling」はメロウなアコースティックバラード。イントロからサビのメロディを提示するわかりやすいこの曲は、「The Silent Man」や「Hollow Year」よりもライトで「Sorrounded」よりもアンプラグド。ラブリエの新しい魅力に溢れています。

本作における最大のメタルナンバー#5「Stranger」。シンセストリングスのフェードからシリアスなピアノ、シンフォニックメタルを思わせるハードなリフとスラップ混じりのベース、お馴染みのドラムといった本プロジェクトにファンが期待するJames LaBrie像がここにあります。ソロはキーボードのマットが担当、Dream Theaterのようなメタル特化を期待するものではありませんがそれでも「A Change of Seasons」を彷彿させ一押しに評価しうる一曲です。

ハードエッジな#5のクロージングはシンセサイザーとクリーンギターによるマイナーソロとなっていますがそこから霧が晴れるように繋がっていくのが#6「A Simple Man」。綺麗目なアルペジオからVan Halen風のギターリフを有するミディアムナンバーで、Jordan Rudessを思わすマットのソロもコード感たっぷりで気持ちのいい一曲。

#7「Save Me」はイントロからワウギターを含み攻撃的に展開。ブレスが多めのオルタナティブなボーカル、対位的なフレーズの組み上げも隙がなく堅牢なドラムの上で手堅いパフォーマンスを披露しています。ソロはMike Keneallyのギター→マットのキーボードへ。

#8「Believe」は前作の「Sacrifice」や今作の#4に近いバラード。アコギとピアノでメロディを奏でながらAメロのヴァースを優しく歌うラブリエのボーカルを支えています。リズム面ではボンゴやギロといったパーカッションを多用しており『Falling Into Infinity』の風味あり。

#9「Listening」はより沈んだ雰囲気を持つR&B的楽曲で、クールなピアノと16分を意識したドラミング、ヴァースにおけるコードワークが繊細で切ない演出に仕上げています。ギターもクリーンかつジャジーに決めています。

ラストとなる#10「Tell Me」。空間系エフェクトを噛ませたヘヴィなギターに若干チープなエレピを絡ませオルタナ&ゴシックにクロージングナンバー。ボドムを効かせたギターとボーカルを隙間を縫うオブリ的ピアノ、そのボーカルも貪欲に乾いた感じが出ていてフラストレーションを与えてくれる一曲。ラストナンバーにするにはいささか強引な選出ですがこのMullmuzzlerでのラストソングとなれどJames LaBrieとしてまだまだ続いていくと、そういうことでしょうか。

テクニカルすぎない適度なハードプログレとメロウな中盤のトラック、そして締めはマニアックにと変化する味を楽しめる一枚です。前作『Keep It Yourself』との対比も楽しんでほしいと思います。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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