Mullmuzzler「Keep It Yourself」: James LaBrieのソロ1stアルバム。名盤『Metropolis』の裏でリリースされた嗜好的かつ実験的プログレッシブ作!

こんにちは、ギタリストの関口です。

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本日はDream TheaterのボーカルJames LaBrieのソロアルバムをご紹介します!

Keep It Yourself / Mullmuzzler


Keep It to Yourself

Mullmuzzler(マルマズラー)はアメリカのプログレッシブ・ロック/メタル・プロジェクト。

来歴


Dream Theaterのボーカリストとして絶大な人気を誇るJames LaBrieソロプロジェクト第一弾

彼の課外活動は1991年のFates Warning『Parallels』でのゲスト参加が始まりですが、その後一メタルバンドのフロントマンとして活動に腰を据えるため、その歌唱力の高さを堪能するにはDream Theaterしかあり得ませんでした。

Rushのトリビュートアルバム『Workingman』への参加やQueenのトリビュートアルバム『Dragon Attack』、さらに現在は解散してしまったアメリカのプログレメタルバンドShadow Galleryの『Tyranny』へのゲスト参加など他のメンバーとはまた違う人脈を経て、1999年にリリースされたのが本作『Keep It Yourself』

ドラマーにMike Mangini、キーボディストにMatt Guilloryといういずれも凄腕のサポーターを迎えたMullmuzzlerは、その後2001年には2ndアルバムもリリースしていますが、そこでは名義をJames LaBrie’s Mullmuzzlerと変え、よりラブリエの顔を強調した形になっています。

ですがその後2014年までリリースされるソロアルバムの皮切りとなる本作はDream Theaterのテクニカルプログレを彩る花形としてだけでなく、ラブリエ自身の音楽性を反映させた興味深い一枚となっています。

アルバム参加メンバー


  • James LaBrie – Vocal
  • Mike Keneally – Guitar
  • Matt Guillory – Keyboard
  • Mike Mangini – Drums
  • Bryan Beller – Bass
  • Trent Gardner – Trombone, Keyboard, Programming, Spoken Word
  • Wayne Gardner – Horn
  • Michael Stewart – Trumpet, Alto Sax

楽曲紹介


  1. His Voice
  2. Statued
  3. Shores of Avalon
  4. Beelzebubba
  5. Guardian Angel
  6. Sacrifice
  7. Lace
  8. Slow Burn
  9. As a Man Thinks

アルバムのリリース時期はちょうどDream Theaterの『Metropolis Pt.2: Scenes From A Memory』と被るため、卓越した演奏にフィーチャーした同アルバムの裏とも言えるラブリエ主体の本作。

#1「His Voice」はハードシンセのシーケンスから始まるオープニングのヘヴィナンバー。Dream Theaterでは特に初期の頃は「歌わされている」感が強かったものの、その実意外にもヘヴィネスな嗜好があるのだと認識させられる一曲。フィルで一瞬見せる技巧的なキメやマットによる特徴的なキーボードソロも魅力的。ラスサビにおいては、今ではなかなか聴けないハイトーンのコーラスも堪能できるのでチェックする価値ありです。

ブラストで攻撃的なキメのイントロが導入となる#2「Statued」。歌に入るとピアノとパットでメロウに聴かせる切り替えはラブリエのソロ作品では多く見られます。マンジーニのドラムワークも堅実でありながら嫌味なく前に出て来てくれ、これが現在のDream Theaterへの布石とも取れると思います。

#3「Shores of Avalon」は8分近いプログレッションを有したナンバー。変拍子やテクニカル性はそこまで高くないものの『Awake』時代を彷彿とさせるメロディや音色のチョイス、空気感に強烈な懐かしさを覚える初期Dream Theater好きにはたまらない一曲です。

#4「Beelzebubba」はラブリエの嗜好が反映されたソロアルバムならではの試み。コミカルなリフにリンクするマンジーニのタムワーク、全編で存在感を放つブラスやExtremeのようなグラム&ファンクな一曲となっています。

#5「Guardian Angel」は本作におけるもっともプログレッシブな曲の一つ。ドラマティックな展開にMike Keneallyのエッジの効いたギターの上でラブリエ節が光ります。サビはシンコペーションで疾走感がありながらもナチュラルに歌い切るボーカルは現在の「The Astonishing」などに活きて来そう。ギターソロへの導入もフレーズ運びもエモーショナルで実にユーフォリアな一曲となっています。

ラブリエのソロでは欠かせないアコースティックバラード。今作でその役割を担う#6「Sacrifice」はゆったりとした曲の雰囲気にやはり『Awake』や『Falling Into Infinity』を感じさせます。

#7「Lace」はシンセとギターが絡むヘヴィでゴシックなメタルナンバー。印象的なコーラスとオルガン&ギターのブレイクやインターバルでの重たいピアノ、テンション感の強いコード進行にギターとキーボードの掛け合いソロもあり聴きごたえが高い一曲です。

マンジーニがDream Theaterに加入した第一弾アルバム『A Dramatic Turn of Events』期を予期させるバラード#8「Slow Burn」。クリーンアルペジオと繊細なピアノは美しく、伸びやかなボーカルも素晴らしいです。スライドギターのようなアプローチに徹したキーボードロソロも長いサスティンに切なく感情を揺すぶられます。

ラストとなる#9「As a Man Thinks」は本作最長8分の大作曲。非常に実験に富んだ一曲となっており実に難解。冒頭のアカペラはラブリエのみで行い一部対位法も用いた複雑な旋律、ブライアンのベースでファンキーに攻めるのかと思いきやふわっとシンセサイザーが漂う緩急に意表を突かれます。サビでのハーモニーは、QueenやU2は元よりクラシックからの影響も感じさせるほど。4:29〜はオリエンタルなインターバルも挟み演奏者が聴いても楽しめるギミックも仕込まれている他、ラストは霧のようなシンセサイザーとパーカッションで2分20秒に渡る長いクロージングにより幕を引いています。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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