Joey Frevola「Gone」: 若くして大義を成す次世代マルチギタリストのソロ作が高尚すぎる!

こんにちは、ギタリストの関口です。

本日はKyrosなどで活躍するギタリストJoey Frevolaのソロアルバムをご紹介していきます!

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Gone / Joey Frevola


Gone

Joey Frevola(ジョーイ・フレヴォラ)はアメリカのミュージシャンでギタリスト、マルチインストゥルメンタリスト。

来歴


1994年にフロリダ州フォートローダーデールに生まれたJoey Frevolaは、12歳でギターを始めると瞬く間に虜になっていき、2014年にアートメタルバンドEdge of Realityを結成します。

このバンドはジョーイのミュージシャンとしての限界を押し広げるために結成された折衷的なバンドでしたが、デビューアルバム『Elephants』は少なからずの評価を得、オランダのプログレ誌では「少し変わっているがSnarky PuppyとHaken to the Edgeの融合のように病みつきになる」と評されています。

Edge of Realityのデビューとは前後して、彼が18歳になる2012年からはナッシュビルにあるベルモント大学で音楽を学びます。そこで自らの音楽のフォローアップを測ったり、作曲やプレイイングなど技術の向上も行います。

これまでに影響を受けたアーティストはCardiacsを初めThe Dear Hunter、Dream Theater、Rush、Haken、Neal Morse、久石譲、Devin Townsend、Snarky Puppy,、Animals as Leadersなど。

2014年半ばにはロンドンのKyrosに加入。Kyrosはハードエッジなギターとシンセサイザーが持ち味のオルタナ/プログレッシブ・ロックバンドですがTransatlanticやHaken、Anathema、Marillion、Special Providenceなど有名な先輩バンドと多数共演。2015年にはSpock’s Beardのヨーロッパツアーにも同行している実力派バンドです。

本作『Gone』は2019年にリリースされたそんなジョーイの1stソロアルバム。TransatlanticやSpock’s Beardで知られるNeal Morseからお墨付きもあり各種ストリーミングサービスのみならずニールが運営するストリーミングサービス「Waterfall」にも追加されています。

アルバム参加メンバー


Vocalists

  • YM – Jesse Brock (Edge of Reality)
  • TFB – Adam Warne (Kyros)
  • Elise – Emma Rowley
  • Mother – Stephanie Middleton

Band

  • Joey Frevola – Guitar, Bass, Keyboard
  • Robin Johnson – Drums, Percussion
  • Laura Epling – Violin
  • Maggie Chafee – Cello
  • Emmanuel Echem – Trumpet
  • Charles Sanchez – Flute
  • Dustin Texás – French Horn

楽曲紹介


  1. Gone
  2. Footsteps
  3. Empty
  4. Rooftops
  5. Lonely
  6. Footprint in the Grass
  7. Silence I Know
  8. Find Him
  9. The Tree in the Park
  10. Ransom Note
  11. Friends
  12. Elise’s Song
  13. Someone Like You
  14. Write, Erase

長尺曲こそないものの、1stアルバムにして明確なコンセプト、それも全編シームレスに繋がった、ストーリー式のロックオペラに近い構成が取られているのが本作最大の特徴。

#1「Gone」#2「Footsteps」はこのストーリーのオープニングに当たり言わばOverture。それぞれ重厚なピアノによる独奏とケルティックなアコースティックソングに分かれています。

#3「Empty」はMVも作成されたリードトラック。イントロは4つ打ちのバスドラムにアコギと柔らかなシンセリードで構築しておりDream Theaterの「Solitary Shell」を思わせます。しかし中盤からは晴れから曇りに移行するように一転、メタル的に加速していきボーカルを務めるジェシーのハイトーンが突き刺さります。ラストは同じDream Theaterでも近年見られるようなディストピアなメタルとして締めています。

オルタナロックとしてのエモさが現れた#4「Rooftops」。曲のテンションはハイとローを行ったり来たりしてドラマ性を再現。#2で聴かれるようなケルトやアイリッシュのアレンジも爽やかさに一躍買っています。

#5「Lonely」は美しいピアノと繊細なボーカルでまとめたバラード。そこから民族的アプローチの#6「Footprint in the Grass」というインターバルを経て#7「Silence I Know」とへ続いていきます。こちらは6/8を基調にフォークロアなプログレッシブ・ロックとなっていてイギリスのBig Big Trainを彷彿とさせますね。

ファンタジックな導入からの#8「Find Him」。楽曲自体は淡白に進行するのですが#3のリプライズの役割を持っておりサビのテーマをここで繰り返しています。後半はアコギとパーカッションのヴァースで盛り上げた後次曲へ。

#9「The Tree in the Park」はイントロを持たないストレートロックナンバー。パワフルな刻みと疾走する曲に対し若干アンニュイなボーカルのヴァースが特徴的。1:30〜はプログレメタル的な変拍子のインターバルから痛快なサビへ。シンフォニックかつシリアスに展開していく様はネオプログレの王道でありつつ確かに不思議な空気を含んでいます。

シンセのシーケンスからファンクなベースのリフが飛び出す#10「Ransom Note」。メロディックなボーカルパートと不協和音を取り込んだモダンなプログレメタル、ジャズをローファイにした怪しさが同居する複雑な楽曲でありあえて例を出すならKing CrimsonやDistrict 97あたりが妥当かもしれません。曲としての導線を崩さずにかなり実験的方向へ攻めています。

#11「Friends」は一転Genesisのような爽やかな雰囲気を持つプログレソング。後半から次のシーンへ移るため楽曲の平和は長く続かないのですが…それ以外は12弦ギターの心地よいカッティングとコーラスに身を委ねられる一曲です。

エリーゼという登場人物のテーマとなる#12「Elise’s Song」。シンプルなメロディにフルートやストリングスで色付けをしたオーケストラなバラード。そのエリーゼ役であるエマの澄んだボーカルもテーマとなるメロディを擬人化したような神聖な趣を感じます。

#13「Someone Like You」は#12のエンディングとラストソング#14「Write, Erase」を繋いだインターバル。そしてラストとなる#14はこれも神聖なストリングスのアンビエントに導かれアコースティックな雰囲気にボーカルのうち二人による掛け合いのようなやりとりがなされます。シンフォニックな壮大なテーマが大半のアルバム後半は、序盤のようなアグレッシブさは薄れてしまうのですが、王道ながら実験的である本作の理解を深めるにはジョーイがリスペクトする様々なアーティストとの結びつきをより強固にする必要がありそうです。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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