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Leprous「The Congregation」: ダークな攻撃性と妖艶なボーカルが魅力の北欧プログレメタル4th!

こんにちは、ギタリストの関口です。

本日ご紹介するのはLeprousが急成長を見せた4thアルバムです!

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The Congregation / Leprous


ザ・コングレゲイション

Leprous(レプラス)はノルウェーのプログレッシブ・メタルバンド。

来歴


ノルウェーの西、国内最大の樽板教会ヘッダール・スターヴ教会やヨーロッパでも指折りのブルース・フェスティバルが行われているノトデンで2001年、キーボードボーカルであるEinar Solberg(エイナル・ソルベリ)とギタリストTor Oddmund Suhrke(トル・オッドマンド・シュルケ)によって結成されたプログレッシブ・メタルバンド。

2009年に1stアルバム『Tall Poppy Syndrome』でデビューを果たすまでにセカンドギタリストØystein Landsverk(オイステイン・ランドスベルク)、ベーシストHalvor Strand(ハルヴォル・ストランド)、ドラマーTobias Ørnes Andersen(トビアス・オルネス・アンダーセン)が追加となりバンドの個性を固めていきます。

一方で同じくノルウェーのブラックメタルバンドEmperorのフロントマンで知られるIhsahn(イーサーン)はエイナルの義理の弟に当たりますが、そのEmperorのバックバンドに参加したことでLeprousの名は知れ渡っていくこととなります。

2010年にバンドはアメリカやヨーロッパのプログレフェスにも度々出演。ハルヴォルの脱退がありつつもスウェーデンのシンフォニック・メタルバンドTherionのサポートを務めるなどワーカホリックぶりを発揮していきます。それらの功績からか、2011年にはプログレッシブ・レーベルの総本山、Inside Outへ移籍。リリースされた2ndアルバム『Bilateral』は世間からの関心をさらに高めました。

2013年リリースの『Coal』、ではエイナルのハイトーンに磨きがかかり現在までのスタイルを確立。本作『The Congregation』、は2015年にリリースされた4thアルバムで、この前年にはデビュー前からのバンドの屋台骨であったドラムのトビアスが脱退、新たにツアーで同行していたBaard Kolstad(バード・コルスタッド)が加入しています。

アルバム参加メンバー


  • Einar Solberg – Vocal, Keyboard, Production
  • Tor Oddmund Suhrke – Guitar
  • Øystein Landsverk – Guitar
  • Simen Børven – Bass
  • Baard Kolstad – Drums

楽曲紹介


  1. The Price
  2. Third Law
  3. Rewind
  4. The Flood
  5. Triumphant
  6. Within My Fence
  7. RED
  8. Slave
  9. Moon
  10. Down
  11. Lower
  12. Pixel (Bonus Track)

2019年にリリースした6thアルバム『Pitfalls』はより現代的でありながらリスナーを突き放すほどアバンギャルドでもなく、メタルと叙情性の絶妙なバランスが大変評価された一枚でしたが、二作前となる本作『The Congregation』はまさにそんなキラーアルバムへの架け橋であったと言えるでしょう。

#1「The Price」は導入3連を持ち味にしたメタルナンバーですが、ただ3連なだけでなくそこにある音楽的なダイナミクスはサラッと聴けて非常に強力。ブリッジで訪れるクリーントーンの16分ミュートピッキングも粒が揃っていて「気持ちのいい音楽の追求=メタル」に繋がっている本作への説得力を早くも感じます。

Djent的なズバズバと切れまくるリフが特徴の#2「Third Law」。サビはオルタナメタルやスローテンポのメタルコアといった印象で相変わらずのハイトーンも秀逸ですが、間奏ではハイハットとベース、ギターの線が細かく会話をするようなニュアンスの演奏も聴かれるナンバー。

続く#3「Rewind」。ストリングスのアンビエントからスピード感溢れるタムにより疾走していくメタルナンバー。ハイトーンが特筆されがちなエイナルのボーカルですがヴァースでのナチュラルな歌も太くてかっこいいです。段階的に激情化していく構成になっており頂点に達する5分以降ではシャウトも聴けるカタルシスの強い一曲。

#4「The Flood」は幻想的な導入からヘヴィなバンドイン、そして雄叫びに近いクアイアで闘争心を掻き立てるブラックサウンド。このゴシックさはKatatoniaToolの様式を受け継いでいるということがよくわかり、動と静の緩急が深淵な世界へ引き込んでくれます。クロージングでのファルセットによるスキャットも切なく沁みます。

#5「Triumphant」9/8のリフにボーカルが乗っていくヴァースが特徴的。ディミニッシュ系コードによるギターの刻みが没入的に弾き込まれ、そこにドラムのタムも追従してくる展開へ。楽曲の構築美が美しいバンドが見せるダークサイドメタルです。

#6「Within My Fence」はシングルコイルが生み出すようなキレの良いカッティングリフから始まるある意味で爽やかなナンバー。ハイの尖ったギターサウンドではありますが、バッキングでは7弦のローヘヴィも登場し当時まさにトレンドであったDjentサウンドを形成しています。元々ミディアムロングな曲時間のバンドではありますがアルバムの中でも3分ととりわけ珍しくすっきりとした締めになっています。

イントロのメロトロンサウンドが70年代プログレを想起させる#7「RED」。ブリブリとしたシンセベースに霧のようなコーラスで彼ら流の空気を作り出していきます。デジタル色の強いこの曲は、マニアックなところだとフランスのプログレメタルバンドSpheric Universe Experienceの4thアルバム『The New Eve』に近しいサウンドメイクを思わせました。

ボドムのギターを効果音的に使用しシンセサイザーでボーカルをアシストする#8「Slave」。3:10〜の長いインターバルを経てOpethを彷彿とさせるデスメタルを堪能できます。そこからドラマティックに疾走する#9「Moon」。ドラムのコルスタッドが叩くタムロールはアルバムを通しても印象に残りやすいですが、寡黙で職人気質なドラミングの中にも真に燃えるパワフルさを感じます。

#10「Down」では開幕7拍子を基準にした変則的ジェンティリフでバンドのタイトさとゴシックさを見せつけていきます。ヴァースでは宙に漂うシンセサイザーとタム回しで静かに進行しますが、サビではLeprousの代名詞となったエイナルのハイトーンが炸裂。また無機質なリフにも中盤ではシンセサイザーも絡めて音域を稼ぐなど単なるメタルリフで終わっていない細部への気遣いが見られます。

このバンドが暗澹たるメタル一辺倒に陥らずバイラテラルだと言われるのはラスト#11「Lower」のような曲があってこそ。エレキピアノの消えそうなバックにナチュラルなボーカルの語りが物語を綴っていきます。そしてグロッケンの淡く細い雰囲気から津波のように音の壁で飲み込んでいく、そのダイナミクスと瞬発力は飽和気味のメタル界においてもそうそうお目にはかかれない代物です。

ボーナストラックとして収録された#12「Pixel」は次々作『Pitfalls』に通ずるエイナルのハイトーンが魅力的なナンバー。かき鳴らされるギターとツーバスからは到底想像に至らないような妖艶なメロディが聴き手を魅了してくれます。

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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