広告

Presto Ballet「The Days Between 」: メタルバンドから派生した米プログレ!骨太でティピカルなアメリカンメロハードの5th作!

こんにちは、ギタリストの関口です。

ここ最近プログレのご紹介が滞っていましたがその間に新たなインプットも得られたのでまた本日もアルバムを一枚ご紹介していこうと思います!

The Days Between / Presto Ballet


The Days Between

Presto Ballet(プレスト・バレエ)はアメリカのプログレッシブ・ロックバンド。

来歴


1980年代にアメリカを中心に活躍したヘヴィメタルバンドMetal ChurchのギタリストKurdt Vanderhoofが主導となり、2005年に結成されたプログレバンド。YesやKansasなどクラシカルなプログレッシブ・ロックをオマージュ70年代のアプローチをモダニズムに彩ったサウンドが特徴的なバンドです。

類似のバンドにはSpock’s Beard、IZZ、Magic Pie、Rushなどが存在しこのうちSpock’s BeardやRushに関してはジャケットにHygh Symeのデザインを採用していたりと共通点も見られます。

バンドは結成した年に『Peace Within the Ruins』でデビューを飾ると、アナログレコーダーとビンテージ楽器を使用したオーガニックで温かみのあるサウンドが批評家の間でも話題となります。

言わば80年代にプログレッシブ・ロックの再興としてイギリスで登場したネオプログレッシブ・ロックの親戚にも当たるわけですが、批判を受けずむしろ温故知新が評価された今回の事例との差は、時代の流れとしか言い表せません。しかしながらそれはMarillionやIQ、Pendragonらが物議を醸してもなお潰れなかったからこその市民権だと個人的には思っています。

スポンサーリンク

本作『The Days Between』は2018年にリリースされた5thアルバムで現在最新作の一枚。クルトが在籍しているMetal Churchが所属するレーベルRat Pak Recordsとの契約を結びこちらからリリースされています。

アルバム参加メンバー


  • Kurdt Vanderhoof – Guitar, Mellotron, Chamberlin, Synthesizer, Hammond organ, Bass pedals, Electric piano
  • Chuck Campbell – Lead vocal
  • Bobby Ferkovich – Bass, Vocal, Taurus pedals
  • Kerry Shacklett – Piano, keyboards, Hammond organ, Vocal
  • Charlie Lorme – Drums, Percussion

楽曲紹介


  1. Out of Mind (It’s Outta Sight)
  2. Earthbound
  3. Tip of the Hat
  4. I Just Drive
  5. Hard Times for Dreamers
  6. I Am Wire

#1「Out of Mind (It’s Outta Sight)」から、Genesisを思わせる上物のシンセサイザーと繰り返し耳にこびりつく明るいギターリックが曲を盛り上げていきます。手数の多いCharlie LormeのドラムはRushのNeil Peartを彷彿とさせますね。ストレートに刻むAメロのヴァースはメロディアスで、この辺りは彼らの土壌であるアメリカンロックによる個性。6分半と平均的な曲時間ながら中盤で見せるアコギと管楽器系のリードサウンドが先述のオーガニックさを引き立たせます。

#2「Earthbound」は、冒頭3連のピアノシーケンスから始まるアメリカンメロハードな一曲。全編を通したハモンドオルガンとの絡みはまさに70年代と言った具合ですが、煌びやかな上物に対してギター、ベース、ドラムの3ピースはヘヴィなサウンドに統一されています。ボーカルのChuck CampbellはNeal Morse系の中域が強い温かみのある声質でキャッチーなメロと相まって非常に聴きやすいのもこのバンドの強み。

バラードとなる#3「Tip of the Hat」はアコギとコーラスエフェクトをかけたエレキをダブリングされた綺麗なアルペジオの導入から。メロディックなリフで曲を引っ張るエレピと空っ風に響くクラックのボーカルが懐かしさもあり心地よいです。コーラスパートではYesを感じさせる豊かな音圧で包み込んでくれる一方、インターバルではハモンドやSAW系シンセリードによりタイトに仕上げられたプログレッシブな展開も聴くことができます。

アルバムも中盤に差し掛かり流れるバラード#4「I Just Drive」。独創的で美しいピアノのイントロを担当するのはキーボディストKerry Shacklett。思わず聴き入ってしまうほどの旋律の中にも変拍子を交えていたりするなど元IQのMartin Orfordを彷彿とさせます。メタルバンド出身であるクルトのギターは、アッパー楽曲では速弾きなども披露しますが、こうしたバラードでは一歩身を引いて理路整然とバッキングに徹するクレヴァーな一面を確認できます。

#5「Hard Times for Dreamers」で再びハードロックなナンバーへ。ローファイなシンセサウンドと手数の多い複雑なリフのブレイクから、クランチギターのカッティングとハモンドで作るメインイントロは、KasasやRushなどティピカルな北米系プログレハードの様相。3:09ごろからは70年代を強烈に意識させるオルガンサウンドとアメリカらしいポップな歌メロとの融合が、筆者の好みをドンズバで突いてきますね。7分半盛大に暴れまわったあとフェードアウトしていく身勝手さがタイトル通りの一曲です。

ラストとなる#6「I Am Wire」。ここまで平均的な曲時間で来たのでラストは大物を一発と身構えるところですが、それでも10分とプログレ初心者に優しい仕様。曲はボドムの効いたモーグベースの重たいサウンド上に乗る白玉のアコギと、語らうボーカルによるオープニングからスタート。

オルガンのシーケンスがフェードインし頂点からのブレイクでハードな本編へと突入していきます。スネアを表で打ち付けるパワフルなドラム、倍音豊かなアルペジオを奏でるギターと、バッキングとソロとで存在感をコントールするキーボードの隙間を狙ってベースが動く。コーラスパートは叙情的でありながら大作曲らしくわざと臭くならないシンプルなプロダクションも非常に好感です。

アメリカらしい痛快なハードロックを展開しつつも、イギリスから受け継ぐ紳士的で複雑な展開も多数用意されているプログレッシブ・ロックとして今後も目が離せないバンドです!

広告

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

あわせて読みたい

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。