Genesis「Nursery Cryme」: UK五大プログレのレジェンドが今年復活!黄金期を印象付ける71年の3rdアルバム!

こんにちは、ギタリストの関口です。

昨日のKansasニューアルバムより先駆けてイギリスでもプログレニュースです。

UK五大ブログレバンドGenesis再結成とライブツアーがこの度発表されました!

このニュースはイギリスの日刊紙「The Sun」によって事前のリークがあったのですがほぼその情報通りに今回復活なんだそうです。

メンバーはPhil CollinsMike RutherfordTony Banksの3人で、復活に伴って行われるGenesisのライブツアーは2007年以来13年ぶりということでファンにも期待が高まります。

また元Genesisのメンバーで全盛期を支えたSteve Hackettは5月に川崎CLUB CITTA’にて来日公演が予定されているのでそちらもチェックですね!▼

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CLUB  CITTA’ HP

というわけで本日はこちらのアルバムをご紹介!

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Nursery Cryme / Genesis


Nursery Cryme

Genesisはイギリスのプログレッシブ・ロックバンド。

レジェンドバンドの黄金期


Genesisの歴史は1967年まで遡りますが、1970年リリースの前作『Trespass』発表後にオリジナルメンバーであったAnthony PhillipsとJohn Mayhewがバンド抜け、代わりにギタリストSteve HackettとドラマーPhil Collinsの二人が加入します。

それまでのGenesisはトラッドフォーク気味のサウンドスケープで、これは脱退したアンソニーの資質によるところが大きかったのですが、新たに加わったスティーブとコリンズの二人がバンドに変革をもたらすべく、これから迎えるプログレッシブ・ロック全盛期のGenesis伝説を飾る最後のピースとなります。

そうして発表された本作『Nursery Cryme』ですが、シアトリカルな楽曲とボーカルPeter Gabrielのステージパフォーマンスも相まってイギリスは元よりイタリアで人気を博します。

そこから、ピーターがプライベートな問題でバンドを抜ける1975年『The Lamb Lies Down on Broadway』まで、Genesisはプログレッシブ・ロックバンドとしてトップを走り続け現在でもUK五大プログレの一角に数えられるに至っています。

アルバム参加メンバー


  • Peter Gabriel – Vocal, Flute, Accordion, Tambarine
  • Steve Hackett – Guitar
  • Tony Banks – Organ, Mellotron, Piano, 12strings Guitar, Vocal
  • Mike Rutherford – Bass, Vocal,
  • Phil Collins – Drums, Percussion, Vocal

楽曲紹介


  1. The Musical Box
  2. For Absent Friends
  3. The Return of the Giant Hogweed
  4. Seven Stones
  5. Harold the Barrel
  6. Harlequin
  7. The Fountain of Salmacis

謎の不気味さが漂うジャケットとは裏腹にバンド黄金期の皮切りとなる作品。

冒頭から響く12弦ギターとピアノの旋律が美しいオープナー#1「The Musical Box」。物語の語り部のようなピーターのボーカルもさることながら、3:40〜のエッジあるギターリフとオルガンでバンドインしてからの本領発揮具合がたまりません。手数の多いコリンズとレガートによる速弾きのスティーブのソロが光る一曲です。

 

#2「For Absent Friends」は12弦ギターとピーターの繊細なトーンが沁みる2分弱のアコースティックバラード。

続く#3「The Return of the Giant Hogweed」は3連のギターリフが現代的で今あるロックの基礎とも言えるテクニカルなフレージング。#2までとは打って変わって若干粗暴に歌うピーターが印象的です。バンドの表現力は一級品で、シャッフルナンバーのこの曲は一筋縄ではいかないはずですがフィルのドラムに導かれ溢れるダイナミクスを見事にコントロールしているのが素晴らしい。

#4「Seven Stones」は冒頭、メロトロンによる悲しげな雰囲気。プログレッシブ・ロックの一つの典型となり、全編で響くオルガンとクアイアコーラスに一層メロウな叙情性を感じてしまいます。続くポップなビートとコミカルな歌詞で仕上げられた#5「Harold the Barrel」。The Beatles的でもありQueen的でもあるこの楽曲はそれまでのシアトリカルとはまた違った軽快さで人気な曲です。

 

#5同様3分程度にまとめられた小曲#6「Harlequin」。冒頭から12弦ギターと美しいコーラスパートでファンタジックかつ牧歌的な世界観を作っていきますが、Genesisが元々持っていたトラッドフォークの名残とも取れる一曲。単にシンプルなバッキングに終わらず2分〜のコーラスではギターで裏メロのようなリックを弾いているのもポイントです。

ラストとなる#7「The Fountain of Salmacis」。メロトロンにシーケンスの波が押して引いてを繰り返すイントロから開幕します。ピーターのボーカルは#1に戻ってきたように物語を感じさせる深みがあります。3:14〜のインターバルではSteveによるテクニカルなタッピングが聴けるほか、後にRushなどへの影響もあるブレイクやオルガンフレーズで曲の勢いを加速していきます。8分に及ぶ大作ですがクロージングはスローに壮大に、メロトロンによるストリングスでたっぷり余韻を残して終幕。

古き良き時代のバンドが徐々に見られなくなっていく昨今、Genesisにも是非日本にきていただきたいものです。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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