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Kansas「Song For America」: シンフォニック・ブルースロックの2nd!現代に生きる伝説的米プログレの最新作が6月にリリース!

こんにちは、ギタリストの関口です。

アメリカン・プログレ・ハードバンドとして70年代後期から活躍しているプログレッシブ・ロックバンドKansasがニューアルバム『The Absence of Presence』を6月26日にリリースすることが発表されました!

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Kansasのアルバムは前作『The Prelude Implicit』以来4年ぶりとなるわけですが、最近では往年のメンバーに加え若手のギタリストも交えた7人編成としてまだまだとどまるところを知りません。

バンドは3月から『Point of Know Return』の30周年ツアーを北米を中心に行っており、10月からはこのニューアルバムのヨーロッパツアーも行う予定です。

本日はプログレムーブ後期にリリースされた彼らの2ndアルバムをご紹介します。

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Song For America / Kansas


Song For America

Kansasはアメリカのプログレッシブ・ロックバンド。

英国発のムーブとアメリカの土壌との融合


プログレッシブ・ロックのムーブメントがピークを迎えたころ、ヨーロッパから海を渡ったアメリカ大陸の方でもこのジャンルは人気を博していました。

ただイギリスやヨーロッパとは違い、アメリカには古くからジャズやブルースという独自に進化した音楽があったためクラシック要素を含むプログレッシブ・ロックをそのまま輸入はせず、より大衆にアピールした形が誕生します。

それがアメリカン・プログレ・ハードというジャンル。JourneyやBoston、Totoなどが属するこれはプログレと名乗っておきながらシンセサイザーによる新鮮なサウンドをロックに取り入れる以外、音楽的探求に薄くヨーロッパのプログレとは明らかに違っていました。

そのためイギリスのオーセンティックなプログレこそ良しとするファンからは当然批判もあり、大衆がアクセスしやすい方向性に根ざしたその音楽は皮肉を込め「商業ロック」と呼ばれるようになります。

そんなアメリカン・プログレ・ハードの中でも数少ないプログレの伝統を継承するバンドとして認められたのがKansas

1969年にFrank Zappaに触発されたWhite Clover Bandがその前身に当たりますが、激しいメンバーチェンジの中で当時のメンバーでドラムのPhil Ehartが1972年にイギリスのプログレッシブ・ロックに衝撃を受け同路線へ変更したのが始まり。その際、活動拠点からバンド名をKansasに変更します。

バンドは1974年に1stアルバム『Kansas』でデビューをすると時代の追い風もあって人気に火がつきます。本作『Song For America』は1975年の2ndアルバムになりますが、これと続く3rdアルバム『Masque』はいずれもゴールドディスク(日本でいうハーフミリオン)を獲得しています。

アルバム参加メンバー


  • Steve Walsh – Organ, Synthesizer, Piano, Vocal
  • Kerry Livgren – Guitar, Synthesizer, ARP Strings, Piano
  • Robby Steinhardt – Violin, Vocal
  • Rich Williams – Guitar
  • Dave Hope – Bass
  • Phil Ehart – Drums, Glockenspiel

楽曲紹介


  1. Down the Road
  2. Song for America
  3. Lamplight Symphony
  4. Lonely Street
  5. The Devil Game
  6. Incomudro – Hymn to the Atman

先ほどアメリカン・プログレ・ハードについて消極的な意見も書きましたが、本来陰鬱な空気をまとったプログレにとっても爽やかなアメリカの風は非常にマッチします。

#1「Down the Road」からストリングスなどで味付けをした骨太のハードロックを展開。プログレというよりこの頃はブギウギのニュアンスが強く、アメリカという地に置いてブルースの風味が残っています。しかしポップながらフックを効かせたリフなどはGenesisやGentle Giantの流れを組むプログレロックと見て間違いありません。

10分に及ぶタイトル曲#2「Song for America」。Yes風のメロディとストリングスで彩るクラシカルなテーマが感動的。イントロから二転三転する構成やモーグシンセによるリードプレイはEmerson, Lake & Palmerのようです。随所に見せるクールなベースのフィル、5拍子のコーラスパートがこれほどまでにキャッチーに聴けるのかと彼らのセンスの高さを感じます。

#3「Lamplight Symphony」はその名の通り初期Kansasによるシンフォニックロック曲。全編にキーボードによる多彩な音色を散りばめ、当時で言えばモダンなメロディラインに絶妙な緊張感も付加し壮大かつ重厚に展開する傑作。

#4「Lonely Street」は”ど”が付くほどアメリカンブルースソング。黒人音楽をルーツに持つそれは一見イギリス発祥のプログレとは相容れない存在かもしれませんが、74年Pink Floydの「Money」ではソロパートにブルース進行を用いたり、The Moody Bluesがその名の通りR&Bをルーツに持っていたりするので本場アメリカで聴かせるプログレバンドによるブルースロックということですね。このノリはSpock’s Beardなどへも受け継がれていきます。

#5「The Devil Game」。イントロからKansasの代名詞でもあるシンセストリングスサウンド全開で畳み掛けていきます。ヴァースでのメロディは依然ブルージィですが3:43〜のブレイクなどは構築プログレの旨味成分を活かしており、音楽性は大衆向けながら複雑なアレンジの普及にも買っています。

ラストとなる#6「Incomudro – Hymn to the Atman」は12分の大作。後々登場する「Magnum Opus」のようなストリングによる厳かなイントロとドラマ性を感じさせるヴァース。ボーカルであるスティーブの表現力は彼の弾くピアノと連動し実に叙情的です。

この曲は中盤の長いインターバルこそ強烈で、3分すぎからはプログレらしいメランコリックな雰囲気にクラシックなオルガンのフィーチャー、4:39〜は再びモーグシンセの登場でロックンロールがベースとなっているバンドサウンドに広がりと適度な緊張感を与えていきます。6:50〜からは1分半以上に及ぶフィルのドラムソロがあったりと、アルバム全体を通し聴きやすくキャッチなーでありながら自分たちのやりたい音楽を明確にしたバランスの良い仕上がりになっています。

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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