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Pattern-Seeking Animals: 米Spock’s Beardの影の功労者John Boegeholdがプロデュースする新生バンド2019年のデビュー作!

おはようございます、ギタリストの関口です。

アメリカの新生プログレバンドPattern-Seeking Animalsのニューアルバム『Prehensile Tales』のリリースが今年決定しましたので、今日はこのバンドについて迫っていきます!

Pattern-Seeking Animals / Pattern-Seeking Animals


Pattern-Seeking.. -Ltd-

Pattern-Seeking Animals(パターン・シーキング・アニマルズ)はアメリカのプログレッシブ・ロックバンド。

SBの新たなファミリーツリー


アメリカのプログレハードバンドSpock’s Beardの現ボーカルTed LeonardとベースDave Meros、さらに元SBでSantanaなど大御所アーティストのサポートも行なっているドラマーJimmy Keeganが結集した新生プログレバンド。結成は2018年。

そしてこの3人をまとめるのが同じくSBに曲の提供としてコラボレーションを行う作曲家John Boegeholdで、彼が本プロジェクトのメインドライバーとなります。

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ご存知の通り、Spock’s Beardは兄Alan Morse、弟Neal Morseのモーズ兄弟が中心となり90年代初頭から活躍するバンドですが、作曲の大部分を担っていたのは弟のニールでした。そのニールが2002年、アルバム『Snow』を最後にバンドを脱退するという事実は、言わばバンドのブレインを失うに匹敵する事件だったわけです。

Spock’s Beardは元々スーパープレイヤーの集まりであるのでニールが抜けたくらいで運営が傾くほど柔ではないことくらい誰もがわかっていたことですが、それまでニールが行なっていたパフォーマンスは作曲を初めボーカル、キーボード、ギターと多様なものでした。

この穴を埋めるべくバンドは新メンバーとしてTed Leonardを迎え、ギタリストであるアランやキーボディスト奥本亮にはこれまで以上の仕事量が課せられたことは想像に難くありません。

そうした上で、バンドは曲を発表していかなくてはならないわけですが、そこは悲観せずニール在籍時に負けず劣らずコンスタントに作品を発表し続けています。2018年リリースの『Noise Floor』においてはついにニールが在籍していた時期の6枚を超える7枚目のアルバムリリースを果たし現在はその音楽の変化にファンも納得をしています。

そうして互いを補いながら常に歩み続けたSBのスタイルの一つとして外からゲストを招きコラボするというものがあります。話は長くなりましたがその一人が作曲家でマルチプレイヤーでもあるJohn Boegeholdです。

Pattern-Seeking Animalsはそんなジョンが中心となり、彼が手がけた楽曲たちをSBのメンバーが演奏するという、逆転の発想で生まれた言わば裏Spock’s Beard。バンドタイトルとなる本作は2019年のリリース作となりますが、驚くほど積極的な作曲ペースで今年2020年においてもニューアルバムがドロップされることが決定しています。

アルバム参加メンバー


  • Ted Leonard – Vocal, Guitar
  • John Boegehold – Keyboard, Synthesizer, Guitar, Mandolin
  • Dave Meros – Bass
  • Jimmy Keegan – Drums, Percussion, Vocal
  • Producer – John Boegehold

楽曲紹介


  1. No Burden Left to Carry
  2. The Same Mistakes Again
  3. Orphans of The Universe
  4. No One Ever Died and Made Me King
  5. Fall Away
  6. These Are My Things
  7. We Write The Ghost Stories
  8. No Land’s Man
  9. Stars Along the Way

本作を聴くに置ける重要点は「Spock’s Beardを予想させた上でのNot Spock’s Beard」だということです。

全員がSBに関与してきた以上、音楽性もそれに準じたものになることが予想されるのですが、それはジョンの描く構想とは別のものです。作曲家として、またプログレッシブ・ミュージシャンとして現状では存在しないものを探求し実験することは当然のセオリーだと思います。

現にジョンも「PSAはまだきれいな白紙なんだ。異なる音楽的影響を引き出し、おそらくSBでは使用しない現代的な制作アイデアやサウンドを使っていったよ」と語っています。

オープニングとなる#1「No Burden Left to Carry」の静かなピアノと雄大なテーマによるバンドインが始まりの合図。ハードロックながらバラードから入っていくという試みも新しいし、ドラマ性を増したGenesisのように展開していくナンバーです。

#1ではプログレッシブな印象も受けるのですが、本格的なバラードとして機能する#2「The Same Mistakes Again」、#5「Fall Away」、#6「These Are My Things」もまた一味違う出来栄え。繊細で奥ゆかしいピアノとメロディラインこそジョンの作曲センスが光る部分で、歌い上げるテッドのボーカルもそこに引っ張られているから実に優しく力強い。

#3 「Orphans of The Universe」ではミステリアスなインストパートが繰り広げられる10分半の長尺ナンバー。「Orphan」というのは孤児のことで、直接重たいテーマとして扱っているわけではないにしろ、動物や自然のモチーフとは対になる曲と言えます。そう考えるとここまで曲がプログレッシブに仕上がっているのはもしかしたらテクニカル系ロックへのアンチテーゼなのかもしれません。

アルバムの中でもリードトラックとして収録されている#4「No One Ever Died and Made Me King」。ブルーススケールが基本のハードロックナンバーで、ボーカルが本業のテッドから瞬発的な速弾きも引き出されるバンドのワイルドなイメージソングです。

他に変わり種と言われると#7「We Write The Ghost Stories」。ロックオペラの一節にもありそうなドラマ性を含んだ曲で、タイトルにもあるように幽玄なシンセやスローテンポの不思議なコードワークがThe Flower Kingsの装いも感じられます。

#8「No Land’s Man」は80年代の商業ロックぽさも感じるライトロック。曲全体を通してメロディアスな仕上がりになっている上、サビにおけるテッドの突き抜けるハイトーンがとても心地よい終盤のハイライトです。

ラストとなる#9「Stars Along the Way」はフィルターのかかったドラムや柔らかいベースラインがR&Bっぽさも感じさせる10分のバラード。ソフトタッチなアコギやボーカルの裏メロにもなっているフルートなど最後まで行き届いたアレンジが身に沁みます。

ニューアルバムは2020年5月15日にリリース予定。最長で17分の楽曲を含む全6曲収録の本アルバムは、今年も進み続けるプログレッシブ・ロック界に一石を投じることになるでしょう。

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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