この20年でシーンに影響を与えたThe Best Prog Albums 2000-2019!米The Prog Reportが発表!

おはようございます、ギタリストの関口です。

アメリカのプログレ情報サイトThe Prog Reportが2000年から2019年までの20年間をまとめたベストランキングを発表しました!

去年、日本のTwitterで行われた「平成プログレベスト」や、同じThe Prog Reportが年末に発表した「2010年代ランキング(ファン投票)」に比べると若干見劣りしますが、コンセプトとしては「この20年間でシーンに影響を与えた」とするランキングらしいです。

それではさっそく見ていきましょう!

30-21


30. V / Symphony X (2000)


ファイヴ / 新・神話組曲

29. De – Loused in the Comatorium / The Mars Volta (2003)


De-Loused in the Comatorium

28. Ghost Reveries / Opeth (2005)


Ghost Reveries

27. Dark Matter / IQ (2004)


Dark Matter by IQ

26. Dissolution / The Pineapple Theif (2018)


Dissolution

25. We’re Here Because We’re Here / Anathema (2010)


We’re Here Because We’re Here

24. The Human Equation / Ayreon (2004)


The Human Equation

23. ActIV: Rebirth in Reprise / The Dear Hunter (2015)


Act IV: Rebirth in Reprise

22. Remedy Lane / Pain of Salvation (2002)


REMEDY LANE RE:VISITED

21. Octavarium / Dream Theater


Octavarium

まずは21位まで。さっそくThe Prog Reportらしいラインナップが顔を並べます。先人たちからのプログレッシブ・ロックを分析し精密に組み立てた『Octavarium』『We’re Here Because We’re Here』、新たなプログレの革命を求めて駒を進めた『Dissolution』『De – Loused in the Comatorium』などプログレにおける新旧の違いがよく出ている並びですね。

続きまして、11位までの発表です。

20-11


20. Second Nature / Flying Colors (2014)


SECOND NATURE

19. Unfold the Future / The Flower Kings (2002)


UNFOLD THE FUTURE [12 inch Analog]

18. Shrine of New Generation Slaves (2013)


Shrine of New Generation Slaves

17. Milliontown / Frost* (2006)


Milliontown

16. Fear of a Blank Planet / Porcupine Tree (2007)


Fear of a Blank Planet

15. English Electric Pt.2 / Big Big Train (2013)


English Electric Pt. Two

14. Clockwork Angels / Rush (2012)


Clockwork Angels

13. Lateralus / Tool (2001)


Lateralus

12. Bridge Across Forever / Transatlantic (2001)


ブリッジ・アクロス・フォーエヴァー~リミテッド・エディション(紙ジャケット仕様)

11. Empath / Devin Townsend (2019)


Empath

The Flower Kingsからは先日来日公演で披露した30分の大作「The Truth Will Se You Free」が収録された『Unfold the Future』がランクイン。Big Big Trainの『English Electric』はPt.1とPt.2、そしてその両方を収録したバージョンもリリースされましたが今回はPt.2がランクインしました。

Neal Morse & Mike Portnoy絡みではTransatlanticとFlying Colorsの2ndアルバムも入っていてプログレに詳しい人ほど見ると基準がわからないカオスな結果になっています。どのアルバムも素晴らしいことには変わりないですけどね。

Devin Townsendの『Empath』は去年各メディアでかなり話題を呼びました。僕も聴きましたが、ロックオペラ的なシンフォニックとブラック・メタルが合わさった感じでエクストリームなメタルに対してここまで芸術性を高められるのかと感心しましたね。そのうち取り上げたいです!

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ではTOP10に参りましょう!

10-4


10. In Absentia / Porcupine Tree (2002)


IN ABSENTIA

現代のプログレ界で最も優遇されていると言ってもいいサウンドスケープSteven Wilsonが率いるPorcupine Treeの2002年作。スティーヴンは元々はTim Bownessと共にNo-Manとしてポスト・ロック的な音楽を奏でていましたが、Pink Floydなど王道なプログレッシブ・ロック路線にシフトしたバンドがこちらのPT。2009年以降はスティーヴンがソロへ移行したため活動を休止しています。

9. Snow / Spock’s Beard (2002)


Snow

アメリカで兄Alan Morse、弟Neal Morseの兄弟から結成されたSpock’s Beard。本作はニールがバンドから離脱する前のラストアルバムでその後のニールの作品にも大きな影響を与える2枚組のコンセプト作。

8. Marbles / Marillion (2004)


Marbles

80年代にネオプログレッシブ・ロックとしてプログレの復権と勃興に貢献した立役者Marillionの13thアルバムで、コンセプト作を思わせる大作思考な構成となっています。コンスタントにリリースを続ける姿勢から未だ人気の高いバンドで、中心人物であるベーシストPete TrewavasがTransatlanticに加入しているのも納得。

7. The Mountain / Haken (2013)


Mountain

イギリスのプログレッシブ・メタルバンドとして高い地位を得るHakenの3rdアルバム。古くよりUKに伝わる伝統的なプログレのアプローチを踏襲しつつ最新のメタルサウンドと融合したモダンプログレメタルです。これに続く4thアルバム『Affinity』も名盤。

6. Blackwater Park / Opeth (2001)


BLACKWATER PARK

スウェーデンでプログレとデスメタルを融合させそのカリスマ性から世界的人気を博すOpethの5thアルバム。個人的に「デスメタル後期」と呼んでいるこの頃はプロデューサーにSteven Wilsonを招きキーボードの割合が増えた時期でもあります。昨年の来日公演ではアルバムから「The Leper Affinity」を披露していました。

5. The Similitude Of A Dream / The Neal Morse Band (2016)


SIMILITUDE OF A DREAM

Neal MorseがSpock’s Beardを脱退しソロ活動を続ける中で確立したメンバー編成により新たに立ち上げた新興プログレロックバンド。実質的なイニシアチブは依然ニールが握りながらもメンバーほぼ全員にボーカルパートがあったり、各人ののびのびとした演奏が心地よく魅力的です。

4. The Raven That Refused To Sing / Steven Wilson


The Raven That Refused To Sing

以前のランキングでは2位につけたSteven Wilsonのソロアルバムが今回第4位。ヴィンテージ楽器を多用し、「死による喪失」がテーマのタイトなロックアルバムでゲストにはGuthrie Govanも参加。

「2010年代ランキング」をベースにカバーする範囲が広がった印象のトップ10。ですがそちらではMarillionが『F.E.A.R』だったりDream Theaterが上位にランクインしていたりと若干ニュアンスに変動が見られます。それでは気になるトップ3の発表です。

3-1


3. Six Degrees Of Inner Turbulence / Dream Theater (2001)


Six Degrees of Inner Turbulence

Dream Theater6枚目となるスタジオアルバムにして現在の彼らのイメージを確立したと言ってもいいヘヴィネス&テクニカル・プログレ作品。何と言っても8部構成42分に及ぶ同タイトルの大作曲ですが、こちらはMike Portnoyの意向が他のメンバーともマッチした素晴らしいシンフォニック・ロックですね。

2. Hand. Cannot. Erase / Steven Wilson (2015)


HAND.CANNOT.ERASE

「2010年代ランキング」ではファン投票で1位を獲得したSteven Wilsonのソロアルバム。コンセプトを超えたドキュメンタリーと呼べるその内容は、激しさと叙情性が入り乱れる演奏からドラマティックかつ胸を締め付けるような切ない展開で納得の2位です。

1. The Whirlwind / Transatlantic (2009)


旋風~スペシャル・エディション(紙ジャケット仕様)

そして栄えある第1位はTransatlanticの『The Whirlwind』。アメリカのNeal MorseMike Portnoy、イギリスからPete Trewavas、スウェーデンからRoine Stoltと米英欧3各国のプログレ賢人たちによる超大型プロジェクトの3rdアルバム。ニールのソロ活動移行で一度は活動休止を余儀なくされましたが、復帰後第一弾となる本作は78分に及ぶ歴史的大作曲を収録した壮大な大西洋横断の旅となっています。

最後に


まさにThe Prog Reportなランキングでしたね!笑

個人的には非常に「俺得」なランキングでしたが、アメリカらしく構築プログレに偏っているのは仕方ない部分だと思います。逆にここへイギリスのProg Magagineや日本のストレンジデイズ(廃刊してしまいましたが)、そしてアメリカのRolling Stone誌辺りも併せて作ったらバリエーションに富そうです。

1位になったTransatlanticは今年6年ぶりのニューアルバムが噂されているので大変に楽しみです!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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