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Caligula’s Horse「Moments from Ephemeral City」: 豪州プログレの皇帝馬、記念すべき1stアルバム!早熟したDjentと裾野の広いテクニカルメタル!

おはようございます、ギタリストの関口です。

オーストラリアのプログレメタルバンド、Caligula’s Horseが現在バンド初となるヘッドラインでの北米ツアーを行なっています。

2017年にモダンなDjentと正統派メタルの両面を持つテクニカルアルバム『In Contact』をリリースしており国内外で人気を博しました。

冬支度を計画しながら豪州プログレCaligula’s Horseにハマる。

今回のツアーはアルバムの活動の一環だそうなのでもしかしたら今年あたりニューアルバムがくるかもしれませんね。要チェックです!

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Moments from Ephemeral City / Caligula’s Horse


Moments from Ephemeral City

Caligula’s Horse(カリグラス・ホース)はオーストラリアのプログレッシブ・メタルバンド。

経緯


Caligula’s Horseが出身地とするブリズベンはオーストラリアの東海岸沿い、先住民アボリジニーで有名な街ゴールドコーストから少し北西に行ったところに位置しています。

海から流れる川が点在するこの街で2011年、ボーカルJim GreyとギタリストSam Vallenによって結成されます。当初メンバーはこの二人のみでサムがギターの他ベースやドラムを演奏することで音源を制作。

本作『Moments from Ephemeral City』がその記念すべきデビューアルバムとなるのですが、その際に初期メンバーとなるDave Couper、Geoff Irish、Zac Greensillの三人が招集されます。この三人は現在はいずれも脱退していますがアルバムを伴ったツアーの他、いずれも2017年前後まで在籍していました。

アルバム参加メンバー


  • Jim Grey – Vocal
  • Sam Vallen – Guitar
  • Zac Greensill – Guitar
  • Dave Couper – Bass
  • Geoff Irish – Drums

楽曲紹介


  1. The City Has No Empathy (You Sentimental Lie)
  2. Silence
  3. Singularity
  4. Alone in the World
  5. Ephemera
  6. Equally Flawed
  7. Calliope’s Son (Don’t Ever Look Back)
  8. Colossus
  9. Vanishing Rites (Tread Softly Little One)

1stアルバムながら実に堂々として、すでに完成されているプログレッシブ・メタルアーカイブです。

#1「The City Has No Empathy (You Sentimental Lie)」では初めこそ爪を隠した鷹のように繊細なアルペジオですが、そこから強烈な刻みとロングサスティーンによるレガートソロをかましてきます。ジムのボーカルもウィスパーから力強いコーラスまで表現力も抜群。系統としてはLeprousのEinar Solbergに近いです。

また、2011年…制作期間や音楽性の確立も含めると2010年かそれ以前の段階からすでにDjentの音作りにも着手していました。歯切れのいい休符がなんとも心地よいギターリフにボーカルが被せていく近代メタルのアンサンブルです。Djentの代名詞であるPeripheryのデビューが2010年ですのでもしかしたらここからの影響はあったかもしれませんが、かといって一年やそこいらで吸収できるものでもありません。

続く#2「Silence」では暗くダウナーな曲展開を見せていてこれは彼らとしては珍しいアプローチです。彼らのバックグラウンドにはOpeth、Mastodon、The Oceanなどが存在し正統派メタルを受け継ぎながら実験的要素も好きだったというのが伺えます。

インスト曲#3「Singularity」では再び激しいリフに火がつきます。Djent風ではあるものの完全に振り切っていないと言える点として、リフの上でDream Theaterのような大きなメロディや非常に滑らかなソロを弾くことが挙げられます。完全にDjentに振り切るとこうはなりません。また常に100%ではなくしっかり場面転換と緩急を設けることで王道なプログレロックの意志も引き継いでいるように感じます。というより抑えられるところは抑えるとした方が表現としては正解だと身を以て知っているのでしょう。

#4「Alone in the World」は彼らのキャリアにとって初の11分となる大作ナンバー。激しめのサビやインストパートと対を為すように、Aメロでの展開やコーラスではグッと堪えて力を溜めます。Caligula’s Horseはとにかくこの力のコントロールがすごくうまい。前半はそんなテクニカルメタルとして突き進み、後半はピアノとストリングスによってジムのボーカルを引き立たせる叙情性たっぷりの展開へと持ち込んでいます。

#5「Ephemera」はアコギや神聖な空気にさせるベルやパーカッション、さらにピアノやチェロなど暖かい音色で包み込んだ3分ほどのバラード。コーラスは前半の50秒までで、あとはサムによる柔らかいタッチのギターソロという少々変わった構成です。

不穏なピアノから導入していく#6「Equally Flawed」。モダンプログレメタルとも取れますがオルタナメタルとしての側面が強い一曲。彼らへの影響の一端であるThe Dillinger Escape Planや同じ豪州の先駆者Ne Obliviscarisにも敬意を払いながらアコースティックサウンドやオリエンタルなフレージングなどのオリジナリティをしっかりと組み込んでいます。

#7「Calliope’s Son (Don’t Ever Look Back)」が一応本編としてはラストとなりますが、インストナンバーとして聴くと#3のようなテクニカルなメタルとは一味違う、Djent寄りのメタル。ひたすらヘヴィで激しい刻みが印象に残りやすいですが裏で効果的なFXを挿入していることから安易なメロディで聴かせるのではなくアイコンとしての楽曲への挑戦なのでしょう。

#8「Colossus」#9「Vanishing Rites (Tread Softly Little One)」はボーナストラックとなりますが、バンドど真ん中のプログレメタル#8とジャジーでシティ感あるパートとの二面性が売りの#9で最後は余韻もたっぷりの満足感が高い一枚です。

随所随所に面白いアプローチが多いのですが、いかんせんそれらがメタルの中に入りきれておらず水と油が分離しているというか、取ってつけた感じになってしまっているのがいささか惜しい気もします。それを込みでも総評として9点以上をあげたいアーティスティックなテクニカルメタルです!

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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