CIRCA「Vally of the Windmill」: マルチプレイヤーBilly Sherwoodが紡ぐ。米英ハイブリッドの大作シンフォロック!

おはようございます、ギタリストの関口です。

今日からまたプログレのアルバム紹介も再開していきます。今年はアルバム紹介以外の方向性も模索できたらなと思っていますのでよろしくお願いいたします!

Valley of the Windmill / CIRCA


Valley of the Windmill

CIRCA(サーカ)はプログレッシブ・ロックのスーパーグループ。

21世紀正統派プログレのサウンドスケーパーBilly Sherwood


Yesのリユニオン期である90年代は、80年代ロンリー・ハート期のようなニューウェーブ・ロックから再びプログレッシブ・ロックへと回帰していった時期でもあるのですが、1997年のアルバム『Open Your Eyes』、1999年のアルバム『The Ladder』においてボーカルJohn Andersonのハイトーンを活かしたシンフォニックなスタイルを引き出す立役者として活躍したのが本日の主人公Billy Sherwood

マルチミュージシャンでもあるビリーはYesではギタリスト・キーボディストとして、またエンジニアとしてもその才覚を発揮する人物で、イギリスの出身であるYesにアメリカの息吹を吹き込んだことは個人的に功績だと思っています。

プログレ界隈において一人でなんでもこなしてしまうマルチプレイヤーというのは多く、それ故持ちつ持たれつなバンドの一員という立場には窮屈さが伴うため、最終的には様々なミュージシャンを集めたセッション寄りのスーパーグループに行き着くことも珍しくありません。

今日ご紹介するCIRCAはまさにそんなビリーが主導となり結成されたスーパーグループで、結成にはドラムAlan White、キーボードTony Kaye、ギタリストJimmy HaunといったYesからの人脈を駆使したメンバーが招集されました。

2007年にアルバム『Circa 2007』でデビューしたバンドは、スーパーグループにありがちな「一枚だけ」に止まらず、2012年以降はドラムにScott Corner、ベースにRick Tierneyを迎えコンスタントなアルバムリリースとライブ活動を行なっています。

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アルバム参加メンバー


  • Billy Sherwood – Vocal, Bass, Guitar
  • Tony Kaye – Keyboard
  • Scott Connor – Drums
  • Rick Tierney – Bass

楽曲紹介


  1. Empire Over
  2. Our Place Under The Sun
  3. Silent Resolve
  4. Valley of the Windmill

本作『Valley of the Windmill』はそんな彼らの5thアルバムとなるのですが、何と言っても大作曲4つに凝縮した尖った構成が魅力的です。

デビュー当初はYesを強烈に意識させるクラシカルなプログレを持っていましたが現メンバーによるモダンにチューニングされたスタイルの方が彼らを表現する上で自然体です。

#1「Empire Over」からアメリカンな骨太ロックが前面に立ち、メタルまでいかなくともハードでリズミカルな土台とシンセサイザーやオルガンソロ、変拍子を交えた適度なプログレッシブさが心地よいです。

#2「Our Place Under The Sun」は18分を超える大作曲。Spock’s BeardやSouthern Empireのような大作シンフォニックに位置付けられ、煌びやかなシンセサウンドやゆったりとしたコーラスで聴かせる雄大なナンバー。モーグシンセでトリップした後はロカビリーのような明るい展開から70年代を思わせるオルガンソロへと移行したりと、構築の中でもセッション的で自由な発想を享受しているように感じます。

#3「Silent Resolve」はこれも14分という長尺曲。幽玄なストリングスからスリリングに展開して行くオープニングはYesと現代のネオプログレッシブを繋ぐ中間色のような仕上がり。本編ではオリエンタルさの中に変拍子を使い意図的にもたつかせた独創性のあるテクニカルリフが特に印象的です。70年代UKに芯の太いアメリカンハードロックを混ぜたことで、浮遊感がありながら置いてけぼりにならないよう頼れるアシストが付属していて、冒険しつつも迷子にならない安心感があります。

タイトルトラックとなるラスト#4「Valley of the Windmill」は8分弱のアコースティックバラードとなります。バッキングとソロの中間のようなギター、パーカッシブなドラミングをビリーの温かみあるボーカルとクラップでまとめあげたようなサウンドで、倍音豊かなバンドアンサンブルはやはりNeal Morseを筆頭とするアメリカとイギリスのハイブリッド感。

ジャケットアートもHugh Symeによるものでしょうか、Flying Colorsの『Second Nature』やMysteryの『Delusion Rain』のような拓けたイメージは本作のサウンドにもマッチしています。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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