Bent Knee「You Know What They Mean」: バークリー出身のインテリアートロック集団をご存知?キケンにトリップするアートロックの最新作!

おはようございます、ギタリストの関口です。

昨晩から風がすごく強いですね。日中暖かかったり急に寒くなったりと12月なのに気候が安定せず落ち着きませんがあと半月で今年も終わりですので最後まで体調管理はお気をつけて!

本日もアルバム紹介。前衛的なアートロックの新譜です!

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You Know What They Mean / Bent Knee


You Know What They Mean

Bent Knee(ベント・ニー)はアメリカのアート・ロックバンド。

来歴


Bent Kneeは2009年、バークリー音楽院に在籍していたギタリストBen Levinと女性ボーカルCourtney Swainによって結成されます。バンド名はこの二人の名前を融合したものです(Ben + (Cour)tney)。

スウェインの自由でアヴァンギャルドなボーカルと、時にはそれに追従し時には全く相反する行動を起こす楽曲は予測不能で、プログレッシブ・ロックともインダストリアル・ロックとも言えるしバロック・ポップやドイツ音楽のようでもある非常に前衛的なスタイルをしています。

2011年、バンドは自主制作による1stアルバム『Bent Knee』を、2014年には2ndアルバム『Shiny Eyed Babies』をリリース。この二枚が功を奏し晴れて翌年にはアメリカのインディーズレーベルCuneiform Recordsと契約を結ぶことになります。

Cuneiform Recordsはジャズミュージックを中心に扱っているのが特徴のレーベルで、申し訳ないことに契約アーティストについては詳しくないものが多いのですが…90年代後半以降イギリスのSoft Machineが過去作のリマスター版をリリースするに当たり契約を行なっています。Soft Machineはカンタベリー・ロックというプログレの中でもジャズの要素が強いジャンルですのでCuneiformとの契約も納得です。

事実、2016年リリースされた3rdアルバム『Say So』はジャズのようなムーディーさを持ち合わせつつゲストによるオーケストレーションもふんだんに取り入れたマルチ・シンフォニック・ロックでした。

続く4th『Land Animal』は2017年にリリース。その際、レーベル大手プログレッシブ・ロックレーベルInside Out Musicへ移籍となっています。

レーベルのおかげで知名度は着実に増しており、Haken、Leprous、Thank You Scientistなど国内外問わないプログレッシブ・バンドとの共演も増えます。中にはアメリカのメタルコアバンドThe Dillinger Escape Planと共演する機会もあり、Bent Kneeが提供するロックはこの辺りのエクストリームさをもカバーできる音楽へと成長していました。

2018年にはツアーの最中ドラムのGavin Wallace-Ailsworthが右足首の故障をし休止を余儀なくされるという事態にも見舞われましたが、その後無事に復帰。バンド休止中に書き上げた新たなアイディアと楽曲を持って2019年、最新作『You Know What They Mean』がリリースされました。

メンバー


  • Courtney Swain – Vocal, Keyboard
  • Ben Levin – Guitar
  • Jessica Kion – Bass
  • Gavin Wallace-Ailsworth – Drums
  • Chris Baum – Violin
  • Vince Welch – Synthesizer, Sound Production

楽曲紹介


  1. Lansing
  2. Bone Rage
  3. Give Us the Gold
  4. Hold Me In
  5. Egg Replacer
  6. Cradle of Rocks
  7. Lovell
  8. Lovemenot
  9. Bird Song
  10. Catch Light
  11. Garbage Shark
  12. Golden Hour
  13. It Happens

先述した通り超絶アヴァンギャルドな最新作。音楽はジャケットアートのように複雑に混ざり合ったカクテルで、よく言えば最新で前衛的な個性に溢れ、悪く言えばその判断に迷う掴み所のなさ。

日本のアーティストではなかなかこの類を表現しきれませんが、初期の椎名林檎+Ego-Wrappin+αという感じでしょうかね。

#2「Bone Rage」の轟音から度肝を抜かれること間違いなしです。完全に音が割れてるこの域をどうやってレコーディングしたのだろうと早くも疑問が湧いてきます。が、さすがリードトラックだけあってシンプルなロックリフとスウェインの伸び伸びとしたボーカルの絡みがクールかつ大胆。高熱にうなされてるとき見る夢のようなMVも強烈です。

 

#3「Give Us the Gold」はR&Bやジャズの要素も取り込んだ意欲作。Jessica Kionによる控えめなベースや打ち込みのようなハット、サビではスリリングなシンフォニックアンサブルへと変貌します。どんなバッキングにさえもボーカルが対応できるので感服してしまいますね。

R&Bグルーヴな#4「Hold Me In」。ボーカルには深いリヴァース・ディレイがかけられサイケデリック・ロックのようにトリップしそうなギミックを孕んだ一曲です。

サウンドスケープであるVince Welchが言う所の「シンプルを目指した」という言葉通り#6「Cradle of Rock」ではループ的なドラムの他にダーティなリズムパートも追加されたストレートなロックを展開。Chris Baumによるスタイリッシュなヴァイオリンやギターソロが楽曲にタイトさを生んでいます。

オールドロックのライブをサンプリングしたような#8「Lovemenot」はイギリスのCreamのようなヘヴィロックを展開。スウェインのソウルフルなボーカルと終始ダウナーなバンドアンサンブルがカオスへとシフトしていく轟音ナンバー。

一転、穏やかな木漏れ日の中さえずるようなバラードの小曲#9「Bird Song」へ。音数の少ない中歌われる美しい一曲でモノクロ映画のようなノスタルジーさも感じSigur Rósを彷彿とさせます。続く#10「Catch Light」はパーカッシブなアレンジを効果的に取り入れたアメリカングルーヴロックな一曲。

本作の中で最も難解なのが#11「Garbage Shark」。長いアンビエントの中に感じられるのは無機質でインダストリアルな雰囲気なのですがゆらりと現れる幽霊のようなボーカルは不穏でBjörkっぽさがあるかなというのが個人的な感想ですね。

幽玄さで言えば負けてない#12「Golden Hour」。#10のような重苦しさがない分、宇宙感に溢れ壮大なテーマを思わせる一曲です。そしてラストとなる#13「It Happens」ではファンキーなドラムとベース、そして浮遊感のあるシンセとの絡みが特徴となるアシッド・ハウス。

イメージするプログレッシブ・ロックとはかけ離れているため今回はアート・ロックとしてご紹介させていただきましたがインテレクチュアルな前衛的楽曲の数々は今後新たな音楽の未来を作るための実験なのだと思わせてくれます。

 

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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