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Moron Police「A Boat on the Sea」: 一心に突き進むノルウェー産パンクプログレ警察。J-POPにも通ずる多ジャンルぶりが魅力的!

おはようございます、ギタリストの関口です。

今日も2019年新譜プログレの紹介です!そろそろまとめないと…

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A Boat on the Sea / Moron Police


A Boat on the Sea [Explicit]

Moron Policeはノルウェーのプログレッシブ・ロックバンド。

ご法度?活動も楽曲もパンキッシュなプログレバンド。


来歴について多くは語れないのですが、Moron Policeは2008年に結成。フルオーケストラのライブで演奏する経験を持つ実力派の4人です。

2012年にアルバム『The Propaganda Machine』にてデビュー。デビュー当時はファンシーなジャケットに反してダミを効かせたボーカルとテクニカルなヘヴィロックをプレイしていました。そのアプローチはMatias IA EklundhやFrank Zappa、90年代のSteve Vaiっぽさも思わせ、実験的でアヴァンギャルドなバンドでした。

そこからバンドは徐々にダーティな部分を削りライトでキャッチーな方向性へと転換していきます。2014年にリリースした2ndアルバム『Defenders of the Small Yard』では前作にもあったようなファンタジックな側面は受け継いでボーカルをよりマイルドに。

厚めのコーラスとアコースティックの雰囲気も採用し型にハマらないプログレッシブ・ロックバンドとしての世間的な認識を高めていきます。

楽曲もそうですが本人たちもバンド活動を悪ノリで楽しんでいる節があり、2014年に獲得したという二つの賞は「主観で評価した最も良いTwitterの投稿賞」「Playingtransexual賞(最もトランスにプレイされた曲へ送られる賞)」などいずれも遊びが見られます。堅苦しく歴史を語ったりしないラフさがどうも売りのようです。

本作『A Boat on the Sea』は2019年にリリースされた最新作ですが、バンド名で「警察」と言っておきながら、意図的に攻撃的なニュアンスを持つ歌詞を控え、少々奇抜な音楽性ながら強烈に刷り込まれる中毒性と多ジャンルの吸収、そして高い演奏力を武器に今年のプログレシーンへとサイレンを鳴らしてきました。

メンバー


  • Sondre Skollevoll – Vocals, Guitars, Additional Keyboards, Percussion
  • Lars Bjørknes – Keyboards, Grand Piano, Hammond Organ, Percussion
  • Thore Omland Pettersen – Drums
  • Christian Fredrik Steen – Bass

楽曲紹介


  1. Hocus Pocus
  2. The Phantom Below
  3. The Invisible King
  4. Beware the Blue Skies
  5. The Dog Song
  6. Captain Awkward
  7. The Undersea
  8. Isn’t It Easy

全8曲ながらアルバムを通しても33分しかない超コンパクトな仕上がり。

#1「Hocus Pocus」はタイトルだけ見ればオランダのFocusを思い浮かべてしまいますが、中身は静寂なオープニングナンバー。ピアノのアルペジオからすでにこれから始まるアルバムは本質的には繊細なものなんだと思わせてくれるし、スコレヴォルのバスボーカルとコーラスはノルウェーという国のバンドで幾度ともなく聴いてきた雰囲気です。

一転、#2「The Phantom Below」はタッピングの決めフレーズからEDM風の煽りフィルが入る疾走系ナンバー。まるでJ-POPのようなライトでカラフル雰囲気を纏っており、ハイテンポかつドラムのフィルが随所で炸裂するシンフォニックな一曲です。

#3「The Invisible King」も同様、メロディーは非常にキャッチーな仕上がりですが楽器隊の演奏はメタルをベースとしたもの。しかしハードな演奏に曲が引っ張られていないことこそ彼らのコンセプトで、スウェーデンのFreak Kitchenをよりライトにしたような感覚がありますね。

エレピによるイントロが気分を浮足立たせる#4「Beware the Blue Skies」。中盤まで#2に迫るほどのハイスピード、かつプログレ的なキメのフレーズもあるのですが、2:54〜でハーフテンポになるシーンは入りが日本的というか、盆踊り的というか少しクスッとしてしまうコミカルさがあります。サウンドスケープからそこは許されるバンドではあると思いますが。

#5「The Dog Song」はブラスシンセによるフュージョン系のキャッチーなイントロです。タイトルの「Dog」はそのままスコルレヴォルが飼っている犬のことで爽やかなコーラスとクラップによる軽快なノリでどこまでも楽しい一曲。

アニソンを思わす疾走系ストリングで幕を開ける#6「Captain Awkward」。歌入りの冒頭のスキャットで一瞬肩透かしを食らいますが概ねストレートでキャッチーなナンバー。間奏でのプログレ然としたキーボードソロもあり、コンパクトな曲の中に色とりどりの展開を濃縮した渾身の一曲だと思います。

 

パンキッシュな雰囲気もある#7「The Undersea」。ストレートな8ビートに裏で鳴るキーボードが愚直なバンド像と繊細な本質の見え隠れを演出していて心地よい。サビでは階段状に上がっていくメロラインに加えストリングスが絡んでくるアレンジで高揚感を掻き立てます。間奏ではジャズ的なソロも。

これまでを汲んでのラストソング#8「Isn’t It Easy」はバンドの思惑が読めてニヤリとしてしまうのですが。要するにこの曲、最もテクニカルなプログレナンバーなんです。そこに対し「Isn’t It Easy」というタイトルで締めてるなんとも皮肉な一曲。

イントロはこの一年に出たプログレの新譜の中でも5本指に入りそうなくらいアグレッシブで、指板を這い回るギターとシンセとのユニゾンがたまりません。歌は#1を思い起こさせるようなバスとピアノの絡みで、そこから終盤に向かうに連れ盛り上がっていくという構成。変拍子ももちろんですが、4/4でも絶妙なタイミングで入るシンコペーションがたまらないほど気持ちいいです。最後は静寂なピアノによる余韻をもって終幕します。

アヴァンギャルドぶりで言えば2ndまでの方が強烈ですが本作も十二分に聴く価値あり。プログレという凝り固まった古い雰囲気をぶち壊したいという方におすすめできる一枚です!

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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