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Haken「The Mountain」: 贅沢を全て叶えてくれる!テクニカルかつ多ジャンルな英モダンプログレメタルの3rd!

おはようございます、ギタリストの関口です。

再びの月曜日ですが…今週は一本動画の投稿がありますのでどうぞお楽しみに。そちらを編集しながら先週のベストプログレアルバム15よりまだご紹介していないアルバムを消化していきます!

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The Mountain / Haken


Mountain

Haken(ヘイケン)はイギリスのプログレッシブ・メタルバンド。

現代流の紳士プログレメタル


Hakenの活躍で言えば2016年リリースの4thアルバム「Affinity」の方が日本では有名で、それを言うのも、初めて日本盤がリリースされたのがその「Affinity」だったわけでこれにより広く流通してHakenを知ったという人も多いはず。僕もその一人です。

さて、そんなHakenは2007年にマルチプレイヤーであるRichard Henshall、ギタリストMatthew Marshall、ボーカルRoss Jenningsの3人によって結成されました。厳密には2004年にはすでに話に持ち上がっていましたがメンバー募集に3年を費やし、その間各々のスキルアップも測るという結成して間も無く充電期間に突入したわけですね。

本格始動時の追加のメンバーにはドラムRaymond Hearne、ベースThomas MacLean、キーボードPeter Jonesが加入。

精力的なライブ活動からいくつかデモを制作していき2008年にはそれらをまとめたデモアルバム「Enter the 5th Dimension」を発表しますが同時にオリジナルメンバーであるギタリストのマーシャルとキーボディストジョーンズが脱退。後任には元Linear SphereのギタリストCharlie Griffiths、キーボディストDiego Tejeidaがオーデションにより新加入することとなります。

この6人に目を付けたのがアメリカSensory RecordsのKen Golden。Sensory Recordsは規模としては小さいながらもノルウェーのCircus MaximusやLeprous、フランスのSpheric Universe Experienceなどアメリカのレーベルでありながらヨーロッパのプログレッシブ・メタルを中心に支援を行なっているレーベルです。イギリスHakenのデビューもそこからのスタートとなりました。

Sensoryからは「Aquarius」「Visions」の2枚のアルバムをリリース。Dream TheaterやMetallicaなど息の荒いヘヴィメタルサウンドを展開する一方でイギリス紳士らしい70年代の王道プログレッシブ・ロックも踏襲。ヴィンテージ楽器やメロトロンといったどストレートなアプローチを当時から武器にしていました。またどちらかと言えば北欧寄りのジェニングスのボーカルは繊細な繊細な歌声に倒れそうで倒れないしなやかな表現力も持ち合わせ、バンドの強みになっていきます。

Sensoryを離れた6人は新たに名門Inside Out Recordsと契約。そして2013年9月ににリリースされたのが本作「The Mountain」となります。先の2作品ではジェニングスが全ての歌詞を書いていたのですが、本作を制作するに辺りメンバーそれぞれに視点を合わせた手法が取られていて、方向性に関しても一概にメタルとは言い切れない幅の広さで、イギリス国内外でさらなる人気を勝ち取ることとなります。

なお、本作を最後に6年在籍したベーシストのマックレーンが脱退しています。

アルバム参加メンバー


  • Ross Jennings – Lead Vocal
  • Richard Henshall – Guitar, Keyboard, Backing Vocal
  • Charlie Griffiths – Guitar, Backing Vocal
  • Thomas MacLean – Bass, Backing Vocal
  • Diego Tejeida – Keyboard
  • Raymond Hearne – Drums, Percussion, Backing Vocal, Cimbasso, Tuba

ゲストミュージシャン

  • Joey ‘Dah Lipz’ Ryan – French Horn
  • Matthew Lewis – Trombone
  • Barry Clements – Bass Trombone

楽曲紹介


  1. The Path
  2. Atlas Stone
  3. Cockroach King
  4. In Memoriam
  5. Because It’s There
  6. Falling Back to Earth
  7. As Death Embraces
  8. Pareidolia
  9. Somebody

全9曲(バージョンによってはボーナストラックあり)。先述した通り、メタルを基盤としながらさまざまなジャンルにまで腕を伸ばしその全てをプログレッシブへ昇華したまさに「高み」へ登っていった作品。

#1「The Path」は3分弱の小曲ながらThe BeatlesやElton Johnといったイギリスの偉人を思わすイギリス紳士のピアノ曲。山頂にかかった霧が徐々に晴れていくようなジェニングスのウィスパーで爽やかなボーカルが印象的です。

続く#2「Atlas Stone」はメロディックなアッパーチューン。途中、変拍子上でのエレキピアノによるインターバルあり、そのテーマによるスキャットあり、ファンキーなベースのスラップありと早くも本作のバリエーションの広さを主張してきます。テクニカル的にもタイトで申し分ありません。

#3「Cockroach King」よりプログレッシブ・ロックに特化した一曲で、オルガンのグリスがすでに期待を持たせるのですが、冒頭いきなりのマドリガーレコーラス。これはGentle GiantやNeal Morseが得意とする手法でルネサンス期から存在する多重コーラスとなります。2:49〜はがっつりジャズもやっていたりと早くも挑戦が伺える一曲。

ピアノの独奏から入る#4「In Memoriam」はアグレッシブなメタルナンバー。ヴァースで決めるカッティングはクールでDjentyなサウンドはオーストラリアのCaligula’s Horseに近いかも。

#5「Because It’s There」Moon Safariを思わせる見事な清らかなコーラスが占めるシンフォニック・バラード。続く#6「Falling Back to Earth」ミステリアスに展開するシカゴ調のロックミュージカルですが中盤のテクニカルなインストパートはグリフィシズのギターソロからバンド全体のキメに映ったりなどプログレメタル然していて非常にかっこいいです。

ピアノバラード#7「As Death Embraces」ではジェニングスの透き通るファルセットが聴きどころ。

続く10分の大作#8「Pareidolia」ですが、イントロ後のヴァースではギターのシタール的アプローチやパーカッションによってエスニックな雰囲気を醸し出しています。その後は広がりのあるコーラスとDream Theaterの「The Count of Tuscany」を匂わせるプログレメタル。

ラストナンバー#9「Somebody」はこれもMoon Safariのような立体感のあるコーラスが魅力的なミドルナンバー。ディエゴのブラスシンセとピアノにより彩られた壮大な大団円を迎えて終幕です。

最後に


とにかくモダンメタルバンドとは思えないくらい挑戦的であらゆるジャンルを視野に入れたバンド内コンピレーションとも言える一枚。

そこにエクストリームな音楽を求めてしまうと肩透かしを食らうかもしれない本アルバムですが、元より「プログレを聴きたい」「でも古くない最新のスタイルがいい」「ジャズが好き」「ファンクもないと困る」「でもイギリスなのを忘れないで」という贅沢なプログレッシャーの要望に全て答えた傑作となっています。

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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