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Opeth「Still Life」: 真の愛を謳う神聖なブラックメタルプログレ。北欧の暗黒神のキャリア前期に置けるハイライト的名盤!

おはようございます、ギタリストの関口です。

二日続けてOpethですが本作も重要なアルバムですので迫る来日公演に向け、ご紹介していきます。

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Still Life / Opeth


Still Lfe

Opeth(オーペス)はスウェーデンのプログレッシブ・メタルバンド。

いよいよ始まるOpeth劇


1997年、ベーシストとドラマーの相次いだ脱退から新ドラマーMartin Lopezを迎えて制作された前作「My Arms, Your Hearse」

ロペスのドラムとフロントマンMikael Åkerfeldの弾くベースが若干リズム隊にぎこちなさを感じさせつつも、期待通りの演奏力、愛や人間関係について歌う新しいブラックメタルとしての形、前の曲のフレーズを以降の曲が引き継ぐコンセプトアルバムとしてのスムースさ、そしてそれらの曲を書き上げたミカエルとギタリストPeter Lindgrenのソングライティングセンスが光る作品だと各専門家からも称賛されました。

リリースから翌年、ロペスと共に新メンバーの加入へ応募したベーシストMartín Méndezが正式にOpethとして迎えられると、プロデューサーには前作に引き続きスウェーデンのメタルバンドDream EvilのギタリストFredrik Nordströmを迎え、半年の歳月を経て本作「Still Life」が制作されました。

本作は前作同様、コンセプトアルバムとしての意味を為し、メタルらしくアンチキリストについて歌われていますがそこだけ見ると非常にこの手のジャンルらしい印象を受けます。しかし実際は非クリスチャンである主人公が故郷から追放され、悲しくも偽善者として処刑される運命にありながら、最期は亡き恋人と天国で出会い愛を確かめ合うという他のブラックメタルにはない儚い美しさを帯びていて、それこそがOpethの世界観が広く受け入れられる所以でしょう。

「Still Life」はいくつか「初めて」となる事例があり、先述したメンデスの初参加の他、2019年の最新作「In Cauda Venenum」までジャケットアートを担当するTravis Smithとの良好な関係が始まるのも本作が初めて。次いでジャケットにバンドロゴだけでなくタイトルまで記載されたのも本作が初出となります。

アルバム参加メンバー


  • Mikael Åkerfeldt – Vocal, Guitar
  • Peter Lindgren – Guitar
  • Martin Lopez – Drums
  • Martín Méndez – Bass

楽曲紹介


  1. The Moor
  2. Godhead’s Lament
  3. Benighted
  4. Moonlapse Vertigo
  5. Face of Melinda
  6. Serenity Painted Death
  7. White Cluster

シンセストリングスとボリューム奏法により擬似的をオーケストレーションを再現した#1「The Moor」の冒頭。あえて本格的なオーケストラにさせないことでメタルバンドであるという軸をブレさず物語性を感じさせます。動となるバンドアンサンブルではグロウルを効かせたミカエルのボーカル、以前よりも厚みや出番を増したジェントルなコーラスパートなど黄金期の到来にふさわしいオープニングです。

続く#2「Godhead’s Lament」も前半の暴虐性あるデスメタルからハーモナイズを行なったメロウなリードギターを経て叙情的に展開していく楽曲構築が魅力的。平均して長尺になる楽曲の数々も苦なく聴けてしまうのは激しさの裏にある悲しみ成分からか。

前作収録の「Credence」以来、Opethのもう一つの顔となった完全クリーンなアコースティックバラード#3「Benighted」。深めのリヴァーブがかかったミカエルのボーカルはどことなく聖堂で歌われたような荘厳な雰囲気があります。

#4「Moonlapse Vertigo」では掻き鳴らされるコードバッキングの上で飛び回るリードギターのテーマが印象的です。ボーカルパートのヴァースはクリーン→デスというこれまでの逆をいく構成で、気だるさのあるアンビエントとのメリハリが複雑な心境を表現しています。

#5「Face of Melinda」はタイトル通りヒロインであるメリンダのテーマで、前半はルーズめなドラムに乗っかるアルペジオと物悲しいボーカルで織りなすストーリー。後半はバンドインしスローながら重みのあるアンサンブルとテンション感あるコード進行で再び歌われていきます。

ドラムのフィルインからシャッフルで始まる#6「Serenity Painted Death」。途中ストレートに切り替わったりテンポチェンジしたりとより複雑に構築された一曲です。クロマチックで下降し次の展開に繋げているのは彼らにしては少々強引かもと思いつつプログレッシブさで言えばこの最も際立っていますね。

そして#7「White Cluster」。主人公が死後、メリンダと再会するラストシーンを描いています。差別と暴虐に満ちた音楽性、鮮血のように真っ赤なジャケットにあって「ホワイト・クラスター」というタイトルが意味深々とこのアルバムを締めくくってくれます。激しいアンサンブルもありながらクリーンで歌われているため純粋にプログレッシブ・メタルの大作として受け入れることもできる名曲です。

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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