Pink Floyd「Meddle」: 23分半の残響ロック!4人で作り上げたプログレ期序盤の集大成。

おはようございます、ギタリストの関口です。

雨でしっとりな朝。本日はPink Floydをご紹介していきます!

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Meddle / Pink Floyd


Meddle (Remastered Discovery Edition)

Pink Floydは、イギリスのプログレッシブ・ロックバンド。1960年代後期〜1970年代にかけて最盛した同ジャンルの先駆者にしてその後広く影響を与えた五大プログレバンドの一角。

初のバンドプロデュース作


真性のドラッガーであったSyd Barretに振り回され、そのフォローに右往左往していた1960年代後半のサイケデリック期フロイド

結果としてよかったものの彼のフォロー役に抜擢されたDavid Gilmourの加入も、ヤク中であったシドへの効果はいかがなものだったのか、それは68年に彼が脱退するまでわかりませんでした。

ワンマンであったシドの脱退をきっかけにバンドは活動方針、楽曲のあり方を見直して新たにRoger Waters主導の下動き出します。

以降、活動休止する80年代までのプログレッシブ・ロック期こそ世間様の想像するPink Floyd像であり歌っている内容は実に哲学的で陰鬱

しかし、今までテレビやスポンサーに向けてしか音楽が発信されてこなかった現状を打破するように自分たちの好きな音楽を好きなようにやるというプログレ新時代の動きはそれが何よりもよかったわけです。

バンドは1970年にまさにこの「プログレッシブ・ロック」という言葉を生み出した歴史的名盤「Atom Heart Mother(原子心母)」をリリース。スコットランドの前衛音楽家Ron Geesin(ロン・ギーシン)に助言をもらいながら同タイトルの23分に及ぶ大作を完成させます。厳密にいうと、この曲のオーケストレーションをロンに手伝ってもらったという事実があり、彼らにとっても原子心母は持て余すほど巨大な意味を持つ楽曲だったというわけです。

ならば!と立ち上がるのがUKのロックンロール。

4人のバンドのみで作られる大作のプログレというのを実現させようじゃないかと奮起し本当に作り上げてしまったのが本作「Meddle」となります。

タイトルは「medal(メダル)」と同音語「meddle(干渉、邪魔)」との語呂合わせを意図したもので、邦題である「おせっかい」というタイトルも妙に的を射ています。

バンド内では新人のギルモアもこの頃には楽曲に対して雄弁に出られるほど対等な位置関係にあり演奏力や表現力といった観点ではバンドの歴史の中でも最高潮と呼べる脂の乗った時期だと言えるでしょう。

メンバー


  • Roger Waters – Vocal, Bass
  • Richard Wright – Keyboard, Vocal
  • Nick Mason – Drums, Vocal
  • David Gilmour – Guitar, Vocal

楽曲紹介


  1. One of These Days
  2. A Pillow of Winds
  3. Fearless
  4. San Tropez
  5. Seamus
  6. Echos

リリースされた1971年はYesの「The Yes Album(サード・アルバム)」や「Fragile(こわれもの)」、Emerson, Lake & Palmerの「Tarkus」「Pictures At An Exhibition(展覧会の絵)」、Genesisの「Nursery Cryme(怪奇骨董音楽箱)」など五大プログレバンドだけでこのリリースラインナップ。

またPink Floydにとっても前作「Atom Heart Mother」と次回作「The Dark Side Of The Moon」の間に挟まれ若干の影の薄さもありますが、そんな心配はまさにお節介というものでした。

#1「One of These Days」は開始20秒ほど風の音が収録されたあとで両サイドから刻むベースがステレオに鳴り出します。2分を超えるころにはギルモアのエッジの効いたギターが唸りを上げだし「吹けよ風、呼べよ嵐」という邦題を逆に具現化していくような錯覚に陥ります。このアルバムに関しては邦題のセンスがすごいです笑

そこから繋ぐように柔らかな導入をする#2「A Pillow of Wind」はPink Floydには珍しいラブソング。スライドギターのブルージィなサウンドが印象的です。

さらにフォークへシフトした#3「Fearless」では前の2曲との類似点も提示しプログレらしい音の伏線回収も演出してみせます。また曲の終盤ではリヴァプールFCのサポーターが歌うRogers Hammersteinの「You’ll Never Walk Alone」がサンプリングされています。

#4「San Tropez」は軽快なシャッフルリズムにジャズテイストを感じるピアノソロが入ったり#5「Seamus」では犬の鳴き声がサンプリングされていながらブルージィなアコースティックナンバーが聴けたりと、いつもとご様子の違うフロイドを目一杯肌で感じられるため、ファンの間でも人気が高いです。

そして僕が原子心母のリベンジと勝手に思っている#6「Echoes」23分半の大作残響ロックはまさにイメージするフロイドの王道サウンド。それまでのアコースティックサウンドはちょっとした余興だったのよと釈明が入りそうなくらいの浮遊感と幻想感と叙情性溢れるメロディで引き込んでくれます

2コードをクロマチックでスムースに繋ぐチェロも裏でその白玉を鳴らすオルガンも、哀愁漂うギルモアのエモいソロもビート感たっぷりのドラムも、そのどれもが非常にキメの細かい情報量を含んだバンドサウンドとなっていて、他の五大バンドとの共通項が見え隠れしながら、この後へ続いていく「狂気」の片鱗を垣間見ることができます。

アルバム全体に漂うアンニュイな雰囲気に実はトップレベルの演奏力を持った絶妙なバランスのこのアルバムは本国イギリスではさほど評価されなかったもののチャートではしっかり3位を獲得。アメリカではヒットしゴールドディスクを獲得しています!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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