Neal Morse「Momentum」: バンドを離れニールが見た景色とは?大作を含むソロ活動の集大成!

おはようございます、ギタリストの関口です。

今朝はブログを書いてるこの部屋もエアコンなし!少し暑いですが許容範囲になってきました。湿度がまだあるので除湿機は仕舞えませんけどね。

本日もプログレのご紹介をしていきます!

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Momentum / Neal Morse


Momentum

Neal Morse(ニール・モーズ)はアメリカのミュージシャン。Spock’s Beard(2002年脱退)やTransatlanticFlying Colorsなど大作シンフォニック傾向にあるプログレバンドの中心人物です。

Progシリーズの集大成


2002年にオリジナルバンドSpock’s Beardを脱退しソロ活動へ転向したニール。活動内容は基本的に歌によるキリスト教の信仰ですが、そのアルバムは二種類に分けられます。

一つは2003年リリースの「Testimony」を皮切りとし、脱退したSpock’s Beardの音楽性をそのまま引き継いだようなProg Rockシリーズ

Neal Morse「Testimony」: バンドを離れニールがたどり着いた新たな人生観

もう一つはアコースティック曲を主体とし、テクニックや音像に頼らないSSWとしてのニールを体現したWorkship Sessionsシリーズ。こちらは2005年「Lead Me Lord」から2018年「Life & Times」まで11枚のアルバムがリリースされています。

Neal Morse2018年タイトル。プログレから一旦離れアコースティックな気分に!

その中で本作は前者、Prog Rockシリーズに当たる作品でニールの活動においてもターニングポイントとなる一枚です。

Momentumでニールが見たターニングポイントとは


ニールがこのアルバムから感じたことはレコーディングメンバーの安定度でした。

Randy George(Ba)と元Dream TheaterのMike Portnoy(Dr)のトリオ編成で始めたソロ活動も、アルバムを追うごとにゲストミュージシャンを迎え入れ、ソロ活動というよりはニール・モーズ交響楽団のような壮大なシンフォニック・ロックへと発展していきます。

ギターソロも始めはニール自身がレコーディングを行なっていましたが後にソロなどテクニカルなパートはPaul BielatowiczEric Gillette、さらにゲストとしてPaul Gilbertなどにも腕を振るってもらうことになります。

そうしてかつてトリオ編成だったニールのProgスタイルは次第に安定度と信頼度を増していきます。

2015年、このソロ活動から発展し、よりメンバーの個性をオープンに活かしたThe Neal Morse Bandが誕生します。本作はその転機を迎える直前のアルバムということになります。

今年2019年にソロ名義としては7年ぶりとなるProgシリーズ「Jesus Christ The Exorcist」がリリースとなりましたがこちらはロックオペラ作品として、メジャーな流通まで漕ぎ着けている話題作。メンバーもこれまでのソロ作品とは一味も二味も違うので聴き比べてみてほしいです。

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アルバム参加メンバー


  • Neal Morse – Vocal, Keyboard, Guitar
  • Mike Portnoy – Drums
  • Randy George – Bass
  • Rick Altizer – Chorus
  • Chris Carmichael – Strings
  • Paul Gilbert – Guitar (on “Momentum” guitar solo)
  • Eric Gillette – Chorus
  • Bill Hubauer – Keyboard (on  “World Without End”)
  • Wil Morse – Chorus
  • Adson Sodré  – Guitar (on “World Without End” guitar solo)

楽曲紹介


  1. Momentum
  2. Thought, Pt.5
  3. Smoke and Mirrors
  4. Weathering Sky
  5. Freak
  6. World Without End
    Ⅰ. Introduction
    Ⅱ. Never Pass Away
    Ⅲ. Losing Your Soul
    Ⅳ. The Mystery
    Ⅴ. Some Kind of Yesterday
    Ⅵ. Never Pass Away (Reprise)

本作は比較的コンパクトな5曲に33分半にも及ぶ超大作を含む全6曲。ニールのそれまでのアルバムを見ても、最もキャッチーでシングル的な曲から構築されるためファンにも親しまれる一枚だと思います。

#1「Momentum」は本作のリードトラック。シンセとギターのユニゾンによるネオクラシカルフレーズから幕を開ける景気付けの一曲。キャッチーなサビと4/4基調のシンプルなハードロックに仕上がっています。ギターソロはMr.Big、Racer XのギタリストPaul Gilbertであり肩書きを書くことすら忍ばれる有名人。

この曲はMVが作られており屋外でニールが歌うシーンとスタジオでランディ、マイクと共に演奏するシーン、そしてギターソロ時はポールが写真のみ出演という形で構成されています。なおMV用に尺は若干短くなっています。

 

#2「Thought, Pt.5」は前職Spock’s Beardの2ndアルバム「Beware Of Darkness」に収録された「Thought」シリーズの続編。パート2は同バンドの5thアルバム「Ⅴ」に、パート3はニール脱退後にリリースされた11thアルバム「Brief Nocturnes and Dreamless Sleep」にニールをゲストに迎え「Afterthought」というタイトルで収録されています。

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コーラスにThe Neal Morse BandのリードギタリストEric Gilletteを迎え「Thought」お決まりのマドリガーレコーラスを心ゆくまで堪能できます。本曲もRadiant Recordsスタジオで撮ったMVが存在。

 

#3「Smoke and Mirrors」はコードワークが美しいアコースティックバラード。ゲスト参加しているChris Carmichaelのストリングスがこれ以上ないくらい切なく響きます。

しっかりとコードが提示されたバラードのあとには一転浮遊感のあるリフが特徴的#4「Weathering Sky」が登場。本編はミディアムテンポのロックナンバーですが豊かなコーラスとのびのび叩くマイクのドラムがとても愉快。

 

#5「Freak」はタイトなシンセストリングスの刻みに乗ったボーカルからスタート。さすがはシンフォニックの巨匠、どんなポップソングもシンフォニックナンバーへ変えてしまいます。

そしてお待ちかねの#6「World Without End」6部構成33分半という長さはニールの単発ソロ曲の中ではぶっちぎりの大作ぶり。ちなみに第2位は「Sola Scriptura」に収録された「The Door」で29:14。

6部構成のパート1「Ⅰ. Introduction」はお得意のプログレインストパートオーケストラを想起させる壮大なテーマにストリングスを絡めた16分のタイトなリフがスリリングに曲を引き締めます。ギターソロはブラジル北東部の都市ジェキエー出身のAdson Sodré。Paul Bielatowiczに近い繊細なソロでニールのライブでもリードギターを担当していました。

一通りキメやソロパートを披露した後メインパート「Ⅱ. Never Pass Away」。前進するイメージを持ったストリングスが気持ちを高揚させてくれます。続く「Ⅲ. Losing Your Soul」はメインの16分リフを8分まで落としヘヴィさを強調、ドライブしたニールのボーカルもラップ感があってミクスチャー的。再びアドソンのギターソロも堪能できます。

オリジナルのリフをモチーフに6/8へシフトチェンジ、ルネサンスを思わせるシンセアプローチも聴けるバラード「Ⅳ. The Mystery」へ。メロでビートを変えるドラムワークも特徴的。後半は7/8を利用したGenesis風のユニゾンから本曲1度目のカタルシス。

盛り上げてから落とされたバラード「Ⅴ. Some Kind of Yesterday」より再びテーマが原点に立ち返っていきます。イントロの再現というべきインストパートでラストへ向けて畳み掛けを行なっていきます。

2度目のカタルシスの後迎えるフィナーレ、「Ⅵ. Never Pass Away (Reprise)」はしっかり7分も確保された大団円の壮大バラード仕上げ。前の5曲が束になっても届かないボリュームがこの曲にはありますが決してこの曲のみを聴けばいいわけじゃなく、5曲を通した後に聴くことで感動も一入となる美術作品に近いテーマがそこにはあります。

最後に


このアルバムで、本ブログにおけるNeal Morseのソロ作品(Progシリーズ)の全紹介が終わりました!好きすぎてつい饒舌になってしまうのでここぞというときに記事に起こしてきたのですが終わってみればとても早かったように感じます。

Workship Sessionシリーズは「Life & Times」をご紹介していますがアコースティック弾き語りという基本的なスタンスがほとんど変わらないためこちらはしばらくまとめることはなさそうです。プログレでもないので。

まだSpock’s Beardの作品で記事を起こすに至っていないものが多数あるのでそれらをまとめていけたらなと思います。あと、ニールのソロ作品を一気に紹介できる記事も面白そうです!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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