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Kotebel「Cosmology」: スペインの宇宙学プログレ!日本との縁も感じるクラシックベースのジャズロック。

おはようございます、ギタリストの関口です。

昨日は雨も降らず隅田川花火が楽しめましたね!僕は現地まで観に行けていませんが自宅の屋上からしっかり眺めることができたし(第一会場のみ)、バンバン打ち上がる火薬音が夏の到来を知らせているようで心地よかったです。

さて、本日は少し趣を変えたプログレをご紹介していきます。

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Cosmology / Kotebel


Cosmology

Kotebel(コテベル)は、スペインのインストゥルメンタル・プログレッシブ・ロックバンド。

ソロ活動からバンドへの変遷


1999年、ベネズエラ人のキーボディストCarlos Plaza(カルロス・プラザ)が自らのソロプロジェクトとして立ち上げたのがKotebelの始まり。

このときゲストとしてフルート奏者Omar Acosta(オマール・アコスタ)とドラマーCarlos Franco(カルロス・フランコ)を迎え、ロマン派やモダンクラシックからの影響が強いプラザ自身の音楽性を体現した「Structure」でデビューを飾ります。

こちらはクラシック音楽らしく7部構成50分の1曲が収録された本格的なもので、変拍子や煌びやかなシンセサイザーも取り入れた作風はVangelisに近いものを感じます。

2002年からはKotebelにとってボーカル期。

新たにギタリストCésar García Forero(セザール・ガルシア・フォレロ)、女性ボーカリストCarolina Prieto(カロリーナ・プリエト)を迎え入れ、オペラ的な声楽も取り入れたジャズロックプログレへ変化していきます。

2004年。フェスへの参加をきっかけに本格的にバンドとしての活動を目標立てたプラザの元へ、ベーシストJaime Pascual(ハイメ・パスカル)とキーボディストMarisa Cabrelles(マリサ・キャブレレス)が加入。

ソロプロジェクトとして始まったKotebelはこの段階でプラザ一人のものではなくなりました。

フェスの後2006年にキャブレレスは脱退、新たに女性キーボディストAdriana Plaza Engelke(アドリアーナ・プラザ・エンゲル)が加入しアルバム「Omphalos」をリリース。

この頃はプログレッシブ・ロックバンドとしての音楽性もかなり板についてきてEmerson, Lake & Palmerを彷彿とさせる王道アプローチの他、生きたフルートによるアンサンブルと厳かなボーカルが独特のスタイルを築き上げていました。

しかし、そんなフルート奏者のアコスタとボーカルのプリエトは翌2007年に脱退、以降Kotebelはインストゥルメンタルバンドとして再スタートを切っていきます。

メンバー


  • Carlos Guillermo Plaza – Keyboard, Piano
  • Carlos Franco – Drums
  • César García Forero – Guitar
  • Jaime Pascual – Bass
  • Adriana Plaza Engelke – Keyboard

元メンバー

  • Omar Acosta – Flute
  • Carolina Prieto – Vocal
  • Marisa Cabrelles – Keyboard

楽曲紹介


  1. Post Ignem
  2. Geocentric Universe
  3. Mechanical Universe
  4. Entangled Universe
  5. Oneness
  6. Mishima’s Dream
  7. A Bao a Qu
  8. Canto ⅩⅩⅧ
  9. Paradise Lost

クラシックからの流派で大作志向になりがちな本バンド。本作も例外ではなく#2〜#5は計32分半に及ぶ大作組曲をメインディッシュに添えた大掛かりな構成が魅力的。

本作はタイトル通り、宇宙論をテーマに展開していて彼らの持ち味であるラテンやジャズロックをベースにプラザ源泉のクラシック要素を取り込んだ硬派なプログレッシブ・ロック

#1「Post Ignem」より穏やかながら壮大な幕開けを思わすシンフォニックロックです。随所にメロトロンやラテンパーカッションなどを挟み緊張感のあるアンサンブルで盛り上げていく様はハンガリーのシンフォプログレバンドAfter Cryingを思わせます。

 

 

#2「Geocentric Universe」〜#5「Oneness」は先述した通り宇宙学をテーマにした32分半の組曲。こちらも基本的な成り立ちは変わりませんが#2ではバンドを去ってしまったアコスタを思わせるフルートとアコースティックな音色が切なく響きます。

インダストリアルな#3「Mechanical Universe」と表情豊かな#4「Entangled Universe」はジャズロックのアプローチを推し出し、途中プラザの美しいピアノが緩急を彩ります。#5ではEL&Pで聴けるようなオルガンアンサンブルが特徴で組曲を締めくくっています。

他に特筆すべきは#6「Misima’s Dream」。おそらく日本で最も有名な作家・三島由紀夫さんについての曲と思われますが何分インストなのでそこは想像で補うしかありません。

ですが、三島由紀夫さんの長編小説「美しい星」では昭和37年当時にしてUFOや宇宙人などのSF的要素を絡めていますし、こちらはスウェーデンや中国で翻訳もされているのでもしかしたらスペインにも翻訳版が渡ってKotebelのメンバーがファンだった可能性もゼロではありません。なお曲はKing Crimsonからの影響を伺わせるアルバムの中で特異なヘヴィチューン

ベネズエラ人の立ち上げたソロプロジェクトが宇宙とプログレを通して日本との縁を再発見する非常に興味深い作品となっています。言葉はなくとも音楽で繋がる文学作品です!

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関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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