Gentle Giant「Octopus」: 8種類に渡るスタイルで影響力をタコ足に伸ばした実験的4thアルバム。

おはようございます、ギタリストの関口です。

7月です!

昨日はブログ生産のあと美容院で約2ヶ月半ぶりのカット。ひたすら伸びた髪を切ってもらっている最中、思えば6月はさほど人と会わなかったなぁと一人反省会

人と会わないから美容院行かないし日々の緊張感も欠けてくる。今月は何かあると思う!うん、雨が多いけどフットワーク軽く参りましょう!

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さて、アメリカの大衆文化を扱う雑誌Rolling Stoneの日本支部、Rolling Stone Japanより「音楽史上最高のプログレ・ロック・アルバム50選」が発表になりました(本家では2018年3月に発表されたもの)

上位のアルバムはどの方も概ね予想がつくとは思いますが、こういうランキングは新旧問わず作品を発見する場でもあるので毎度わくわくしながら見させていただいています。

そのランキングで16位という上位に食い込み、かつブログの下書きに長いこと幽閉されていたアルバムがありましたので今日はそちらをご紹介していきます。

Octopus / Gentle Giant


Octopus (Steven Wilson 5.1 Remix) (Blu-Ray+CD)

Gentle Giantはイギリスのプログレッシブ・ロックバンド。1970年代のプログレ最盛期に活躍、五大プログレバンドに続く技巧派のバンドとして人気を博しました。

アルバム参加メンバー


  • Gary Green – Lead Guitar, 12strings Guitar, Chorus
  • Kerry Minnear – Organ, Minimoog, Mellotron, Honky-tonk piano, Tympani, xylophone Vibraphone, Cello, Bass, Vocal
  • Derek Shulman – Vocal, Saxphone
  • Philip Shulman – Trumpet, Saxophone, Descant, Recorder, Vocal
  • Ray Shulman – Bass, Guitar, Violin, Percussion, Chorus
  • John Weathers – Drums, Percussion

バンドとして注目を浴び出した傑作


1972年リリースの4thアルバム。

本作から1stアルバムよりのドラマーMartin Smithが脱退し代わりにJohn Weathersが加入。そしてデビューよりバンドを支えたマルチプレイヤーPhilip Shulmanの在籍時ラストアルバムにもなります。

デビューよりジャズロックや伝統的な楽器を数多く取り入れ、当時まさに発展途上にあるプログレロックの可能性を模索し続けていたGentle Giantですが、本作からセールス的にも注目され出します

楽曲紹介


  1. The Advent of Panurge
  2. Raconteur Troubadour
  3. A Cry for Everyone
  4. Knots
  5. The Boys in the Band
  6. Dog’s Life
  7. Think of Me with Kindness
  8. River

米Rolling Stone誌に言わせればデビュー当時から「マッドサイエンティスト」であったGentle Giantですが一個人の口からはそこまで過激な発言はできないなと、記事を読んでから自分の器を再認識させられるこの頃です…

それでもとにかく実験的であるという点については果てしなく同意したいです。本作においても明らかにメンバーの数と楽器の数が合わない一人数役の音楽を展開していて、その様相はまさしくオクトパスのようです。

#1「The Advent of Panurge」は邦題に「パナージの到来」と付けられていて、フランスのルネッサンスの人文主義者、フランソワ・ラブレーによる「パンタグリュエル物語」を題材としています。

それだけ説明するとなんのこっちゃですが、音を聴いてもらえば加入したてのウェザースによるグルーヴィなドラムがなんとも印象的!ジャジーなピアノとサックスに反応していくゲイリーのボーカルもこなれてきた感じがありますね。

ヴァイオリンやオルガン、シンセサイザーによりシンフォニックに仕立てあげられた#2「Raconteur Troubadour」は当時で考えれば予想を遥かに上回るアンサンブル。

本作で実験的なのはこのようなシンフォニックロックへの入門だけではなく少々時期の早いハードロックも例外ではありません。#3「A Cry for Everyone」チェロやキーボードと融合したハードロックとしては同年代のLed Zeppelinよりもある意味で進化しており、後のYes「ロンリーハート」の原型とも言えそうな一曲。

#4「Knots」はおまちかね、これぞGentle Giantというべきマドリガーレコーラスパートマドリガーレは14世紀初頭に北イタリアなどで演奏された多重声楽ですがすぐに廃れ、その後16世紀初頭にルネサンス・マドリガーレとして多くの作曲家に愛される手法です。プログレにおいてはこのバンドが代表格ですが現代ではNeal Morseなどが愛用して使っています。

モーグシンセによる典型的なプログレロック#5「The Boys in the Band」、アコースティックに多重コーラスで厚みを出した#6「Dog’s Life」、Gentle Giant流ピアノバラードである#7「Think of Me with Kindness」…といった具合にタコに例えられた8曲のタイトルはどれも様々なスタイルを織り成しています。

これを影響の一つに数えるアルバムはDream Theaterの「Octavarium」であり同じく「8」をテーマに先人たちのプログレ様式を取り込んだ異なるスタイルの8曲を展開しています。

Dream Theater「Octavarium」: 「0〜8」は無限へと…新時代「令和」の幕開け!

ラストとなる#8「River」はデレクとレイによれば「ゲイリーの流れ者的な部分を表現した」という、確かに気ままなジャムも感じ取れる楽曲。中世から旅を続けてきたというようなバンドのコンセプトにもマッチしているので意外とバンドのイメージに合うのはこの曲かもしれません。

なお、タコのバケモノのようなジャケットはYesやAsiaのジャケットで有名なRoger Deanによるものですが、1年後に発売されたアメリカ盤LPではCharles E. Whiteが描いた瓶詰めのタコとなっています。

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アメリカ盤LPジャケット

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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