Druckfarben: 著名人もファンだった! カヴァーバンドから昇華したカナダの21世紀紳士プログレ!

おはようございます、ギタリストの関口です。

雨の週末ですが梅雨ですので仕方ありません。その分朝早くは町が静かで私服のひと時です。

そんな一人の時間にぴったりなプログレを今日はご紹介していこうと思います!

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Druckfarben

Druckfarben(ドルクファーベン)は、カナダのプログレッシブ・ロック/フュージョンバンド。

経歴①〜結成まで


バンドの経歴をお話しする前に、Druckfarbenを聴いて思うことがあります。

それはものすごくクラシックなプログレだということ。

2011年デビュー、年齢的にも若いバンドなので何故21世紀にネオプログレではなくこういったクラシカルな形になったのか、そこを説明するためにまずはメンバーそれぞれの青春時代へ遡っていこうと思います。

1980年代半ば、カナダトロントの音楽学校に通っていたギタリストEdward Bernard(エド)とドラマーTroy Feener(トロイ)はこの頃から知り合いで、二人してYesやGentle Giantなどプログレバンドの意見交換をする仲でした。

同じ頃、近くの高校ではキーボディストWilliam Hare(ウィリアム)がバッハやラフマニノフのクラシックを勉強していたり、トロントのライブハウスではベーシストPeter Murray(ピーター)がRushを弾きこなすとしてすでに評判を得ていたりしました。

そしてPhil Naro(ナーロ)。彼は1979年にアメリカでBilly Sheehan率いるハードロックバンドTalasのボーカリストとしてすでにデビュー、精力的な活動を続けていました。

こうして見るとエドとトロイが出会っている他はまだ接点もなく顔も知らないまばらな音楽家たち。

ただ一点、彼らに共通しているのは全員プログレッシブ・ロックが好きだったということです。

時は流れ、トロイはクラシックアルバムを演奏するミュージシャンの集まりClassic Albums Liveのメインドラマーとなります。規模のほどは不明ですが日本でも「特定のバンドやジャンルを扱ったセッション」の場は人気なのでその類と思われます。

そこでプログレセッションを開催することを切望していたトロイはついにYesの「Close to the Edge(危機)」「The Yes Album(サード・アルバム)」を演奏する機会に恵まれます。そのイベントに参加してきたのが上記に登場した他の4人です!

かくして2007年9月20日、トロントにあるフェニックスシアターでのライブを経てDruckfarbenが結成されたのです。

メンバー


  • Edward Bernard – Guitar
  • Peter Murray – Bass
  • Phil Naro – Vocal
  • Troy Feener – Drums
  • William Hare – Keyboard

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経歴②〜カバーバンドからメジャーへ


イベントだけの集まりに留まらなかった彼らは結成当初、Yes、Genesis、King Crimson、Gentle Giant、Kansas、Rushなどクラシカルなプログレバンドのカバーをして精力的に活動します。

コンスタントなライブ活動に次第とファンも増えコミュニティとして発展していきます。当時のライブのオーディエンスにはMaxwebsterのKim MitchellSpock’s BeardのNick D’Virgillio、そしてRushのプロデューサーであるTerry Brownまでもがいました。

著名人はそれだけではなかったと言われていますが拠点はカナダのはずですのでアメリカでバンド活動をしているニックなどがそこまで訪れていたと考えるとすでにカバーバンドとしての規模ではなかったはずです。

活動を続けるうち、バンドは徐々にオリジナル楽曲へと音楽を昇華させていきます。曲作りはエドが担当。

そうして2011年10月にしてDruckfarbenはクラシカルな音楽性を持つ新鋭プログレバンドとしてデビューを果たすのでした。

 

 

楽曲紹介


  1. Elpo
  2. Influenza
  3. Smaller Woonden Frog
  4. Dead Play Awake
  5. Walk Away
  6. Seems So Real
  7. Nat Nayah
  8. Sons of Anakim
  9. Non Chalant

一言で言うなれば「クラシックプログレへの愛あるオマージュ」でしょう。

彼らが集まりカバーバンドとして演奏してきたものの全てが詰まっているアルバムだと思います。

しかしながらそこに留まらない表情を見せる瞬間がありそれこそDruckfarbenのケミストリーたるオリジナリティだと思います。

#1「Elpo」2分半ほどのインスト曲。ど頭からハモンドオルガンよる往年のアプローチ。Rushを彷彿とさせるクールな変拍子リフと涼しい顔で弾かれるギターソロに培ったキャリアの実力を感じさせます。

#2「Influenza」ミドルテンポのカントリー調ポップナンバーキャッチーなメロディラインにナーロの安定感あるボーカルがゴキゲンに響く名曲です!

英国プログレの継承は至るところで見受けられますが、#3「Smaller Wooden Frog」はキーボディストのウィリアムにEL&Pの影響を伺わせる一曲#4「Dead Play Awake」ではGentle Giant風コーラスが聴きどころ。

中盤に差し掛かり比較的現代に近いロックバラードとして聴ける#5「Walk Away」がアクセントとして刺激してくれます。言ってしまえばこれも80年代商業ロックの流れでKansasを演奏していた彼らにしてみたら当然の敬意ですね。

コーラスクリーンのアルペジオが素晴らしい#6「Seems So Real」#7「Nat Nayah」。初期Dream Theater他、80年代を感じさせるテイストです。ビリー・シーン繋がりでMr.Bigなどの面影もあるからかナーロのボーカルも一層表現に拍車がかかっています。

#8「Sons of Anakim」タッチワウ的なキーボード16分のノリがファンキーなハードナンバー。ここに彼らの第二のバックグラウンドであるフュージョン性を感じます。

名残惜しさを感じさせるラストナンバー#9「Nonchalant」ストリングスとアコギの組み合わせと、その上で語るようなボーカルは意外にもMoon Safari的ネオプログレで、終始おとなしめな7分半ですが非常に美しい楽曲です。

最後に


Druckfarbenとはドイツ語で印刷用インクのことで、その名にふさわしい色鮮やかなバンドケミストリー持つ、しなやかで力強さのある紳士のプログレです。

2014年には2ndアルバムもリリースされていますのでそちらも追ってご紹介できたらなと思います。

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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