Teramaze「Her Halo」: 叙情性に富んだ豪州の正統派プログレメタルバンド、ニューアルバムがもうすぐリリース!(試聴あり)
by 関口竜太 · 2019-06-17
こんにちは、ギタリストの関口です。
オーストラリアのプログレッシブ・メタルバンドTeramaze(テラメイズ)の4年ぶりとなるニューアルバムが6月21日にリリースされます。
タイトルは「Are We Soldiers」。
本作ではバンドのオリジナルメンバーであるボーカリストBrett Rerekura(ブレット・レレクラ)が復活するとあって注目度も高いです。
現在、Apple Musicなど音楽ストリーミングサービスでは新曲「Fight Or Flight」「From Saviour to Assassin」「Weight of Humanity」の先行配信が開始されている他、YouTubeではそれらの新曲のMVも公開中!
Teramaze – Fight Or Flight (Official Music Video)
Teramaze – From Saviour To Assassin (Official Music Video)
Teramaze – Weight Of Humanity (Official Lyric Video)
これからが楽しみな大注目なバンドです!「このバンドよくわからない!」という方のために本日はそんな彼らのアルバムを一枚ご紹介します!
Her Halo / Teramaze
Teramaze(テラメイズ)は、オーストラリアのプログレッシブ・メタルバンド。
メンバー
- Dean Wells – Guitar, Vocal
- Nathan Peachey – Vocal
- Jonah Weingarten – Keyboard
- Andrew Cameron – Bass
- Nick Ross – Drums
最新アルバムのボーカルはオリジナルメンバーであるBrett Rerekura。
バンドの変遷
Teramazeは元々、リーダーでありギタリストDean Wellsが10代のころに結成したバンドでした。
その後2012年にアルバム「Anhedonia」でデビューします。
しかしこの頃の音楽性はダウンチューニングを活かしたMetallicaやPanteraのようなスラッシュメタルといった具合で、さほどプログレッシブさは感じられません。なお本人たちはオーストラリアのエモ系メタルバンドKarnivoolに例えています。
様相が変わったのは2015年。
ボーカルであったブレットが脱退、新たにNathan Peachey(ネイサン・ピーチィ)が加入します。ブレットに比べると若干声が細い印象を受けるネイサンでしたが、その表現力の高さからバンドはメタル一辺倒の激しい音楽性にダイナミクスをつけるようになります。
音楽性
2ndアルバム「Esoteric Symbolism」とボーカルがネイサンに変わってからリリースされた本作「Her Halo」においてTeramazeは一気にプログレッシブ・メタルとしての地位を獲得していきます。
オーストラリアのプログレメタルといえばCaligula’s Horseなどが有名ですが、Caligula’s HorseがDjentを抱え込んだメタルなのに対しTeramazeは叙情性に富んだ正統派プログレッシブ・メタルといった具合。
影響されたバンドに挙げているDream Theaterはもちろん、USのFrost*やUKのHakenなどモダンなプログレッシブ・メタルバンドを好きな人なら気に入ること間違いなしです。
楽曲
アルバムは全8曲。それまで長くても7分程度で収まっていたバンドとしては新たに12分と9分超えという長尺曲を2曲内包した力作となっています。
- An Ordinary Dream (Enla Momento)
- To Love, A Tyrant
- Her Halo
- Out of Subconscious
- For the Innocent
- Trapeze
- Broken
- Delusions of Grandeur
#1「An Ordinary Dream (Enla Momento)」から12分を超える大作。本人たちが自称する「プログレメタルというよりプログレロックに近い」という言葉を体現したかのようなオープニングナンバーです。…僕はプログレメタルだと思いますけどね笑
しかし、1stアルバムを聴いた後だとその言葉にも納得で、何せアコースティックギターの出番が急増、ロックバンドには往々にしてあることですが二つのアルバムを聴き比べるともはや別バンドです。
全編通して楽しめるメロディアスなボーカルと分厚いハーモニーは#3「Her Halo」でも顕著に現れている他、的確にプログラムされたマシーンのようなタイトなリフとグッと雰囲気を落とし語らうようなプログレエピックとの対比がTeramaze最大の持ち味と言えます。
Jonah WeingartenのキーボードはDerek Sherinianを想起させ#2「To Love, A Tyrant」に置けるソロなどはまさにそれです!
本作のスタイルも十分に素晴らしいのですが2代目ボーカルNathan Peacheyは本作にてお別れ、今月出るニューアルバムでは初代Brett Rerekuraに代わって新たな迷路の入り口を指し示してくれることでしょう。
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関口竜太
東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。
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