Her Halo / Teramaze
Her Halo
Teramaze(テラメイズ) は、オーストラリアのプログレッシブ・メタルバンド。
メンバー
Dean Wells – Guitar, Vocal
Nathan Peachey – Vocal
Jonah Weingarten – Keyboard
Andrew Cameron – Bass
Nick Ross – Drums
最新アルバムのボーカルはオリジナルメンバーであるBrett Rerekura 。
バンドの変遷
Teramazeは元々、リーダーでありギタリストDean Wells が10代のころに結成したバンド でした。
その後2012年にアルバム「Anhedonia」でデビューします。
しかしこの頃の音楽性はダウンチューニングを活かしたMetallicaやPanteraのようなスラッシュメタル といった具合で、さほどプログレッシブさは感じられません。なお本人たちはオーストラリアのエモ系メタルバンドKarnivool に例えています。
様相が変わったのは2015年。
ボーカルであったブレットが脱退 、新たにNathan Peachey(ネイサン・ピーチィ) が加入します。ブレットに比べると若干声が細い印象を受けるネイサンでしたが、その表現力の高さからバンドはメタル一辺倒の激しい音楽性にダイナミクスをつけるようになります。
音楽性
2ndアルバム「Esoteric Symbolism」 とボーカルがネイサンに変わってからリリースされた本作「Her Halo」 においてTeramazeは一気にプログレッシブ・メタルとしての地位を獲得していきます。
オーストラリアのプログレメタルといえばCaligula’s Horse などが有名ですが、Caligula’s HorseがDjentを抱え込んだメタルなのに対しTeramazeは叙情性に富んだ正統派プログレッシブ・メタル といった具合。
影響されたバンドに挙げているDream Theater はもちろん、USのFrost* やUKのHaken などモダンなプログレッシブ・メタルバンドを好きな人なら気に入ること間違いなし です。
楽曲
アルバムは全8曲。それまで長くても7分程度で収まっていたバンドとしては新たに12分と9分超えという長尺曲を2曲内包した力作となっています。
An Ordinary Dream (Enla Momento)
To Love, A Tyrant
Her Halo
Out of Subconscious
For the Innocent
Trapeze
Broken
Delusions of Grandeur
#1「An Ordinary Dream (Enla Momento)」 から12分を超える大作。本人たちが自称する「プログレメタルというよりプログレロックに近い」 という言葉を体現したかのようなオープニングナンバーです。…僕はプログレメタルだと思いますけどね笑
しかし、1stアルバムを聴いた後だとその言葉にも納得で、何せアコースティックギターの出番が急増、ロックバンドには往々にしてあることですが二つのアルバムを聴き比べるともはや別バンドです。
全編通して楽しめるメロディアスなボーカルと分厚いハーモニー は#3「Her Halo」 でも顕著に現れている他、的確にプログラムされたマシーンのようなタイトなリフ とグッと雰囲気を落とし語らうようなプログレエピック との対比がTeramaze最大の持ち味と言えます。
Jonah Weingarten のキーボードはDerek Sherinian を想起させ#2「To Love, A Tyrant」 に置けるソロなどはまさにそれです!
本作のスタイルも十分に素晴らしいのですが2代目ボーカルNathan Peacheyは本作にてお別れ、今月出るニューアルバムでは初代Brett Rerekuraに代わって新たな迷路の入り口を指し示してくれることでしょう。
VIDEO
Are We Soldiers
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