Nikolo Kotzev「Nostradamus」: 交響楽団を率いたブルガリアのギタリストによる超本格派ロックオペラ!

おはようございます、ギタリストの関口です。

半分衣替えが完了したところで朝晩寒いですね。

今週末は弾丸で岩手に行く予定なのですが今から荷物には悩まされそうです。

さて、今日は先日のNeal Morseに引き続きロックオペラ作品をご紹介していきます。日本ではあまり情報がないので前から書きたかった1枚です。

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Nikolo Kotzev’s Nostradamus / Nikolo Kotzev


Nikolo Kotzev’s Nostradamus

Nikolo Kotzev(ニコロ・コツェフ)はブルガリアのミュージシャンでギタリスト、ヴァイオリニスト、ソングライター、プロデューサー。

ロックオペラ専門ギタリスト


ブルガリア出身のニコロですがフィンランドに住んでいた時期がありそこでBrazen Abbot(ブレイズン・アボット)というハードロックバンドを結成、1995年から2005年までにライブ音源を含む6枚のアルバムをリリースしており代理店を通して日本盤も流通しています。

このBrazen Abbotの大きな特徴は複数のボーカルを抱え作品をリリースしていたところでした。

ボーカルには元Rainbowや元Deep PurpleのJoe Lynn Tuner、Skid RowのTony Harnellなど有名なアーティストも多数参加。

スウェーデンのハードロックバンドEuropeのメンバーであるMic Michaeli(Key)、John Levén(Bass)、Ian Haugland(Drums)なども一時は参加するなど、基本北欧のバンドではありましたがアメリカからもメンバーが召集されたスーパーグループでした。

ノストラダムスの生涯を描くロックオペラ


Brazen Abbotの活動中、ニコロは2001年にソロアルバムとして本格的なロックオペラ作品をリリースします。

それが本作「Nikolo Kotzev’s Nostradamus」です。

このノストラダムスという人物。日本では「ノストラダムスの大予言」の名で知らない人はいないくらいの知名度を誇り、おかげで1999年の夏、日本列島はこのノストラダムスかGLAYかといった具合でした。

実際のノストラダムスは医師であり占星術師であり詩人であり料理研究家でもあった異色の経歴ですが、生前から彼の予言は民衆に持て囃され、その難解さと16世紀という時代背景も相まって死後も奇妙に神格化することで多くの信奉者を生みました。

本作はそんな彼の生涯を描いた2枚組アルバムとなります。

アルバム参加ミュージシャン


キャスト/ボーカル – 役柄

  • Joe Lynn Turner – Nostradamus
  • Alannah Myles – Anne Gemelle
  • Sass Jordan – Queen Catherine of France
  • Glenn Hughes – King Henri II of France
  • Göran Edman – Soldier/Ghost
  • Jørn Lande – Inquisitor
  • Doogie White – Storyteller

参加ミュージシャン

  • Nikolo Kotzev – Guitars, Violin
  • Mic Michaeli – Organ
  • John Levén – Bass
  • Ian Haugland – Drums
  • The Sofia Strings Symphonic Orchestra conducted by Nelko Kolarov

豪華なキャストと安定のバンドメンバー


本作はロックオペラのセオリーの元、複数のボーカルが起用されそれらはキャストとして各登場人物の役柄を演じるという内容になっています。これに関しては当時活動していたBrazen Abbotでの経験が大いに生かされています。

キャストやバンドのメンバーはBrazen Abbotから引き続き選ばれた人材も多く、キャストのJoe Lynn TurnerGöran Edman、バンドにおいては先述したEuropeの3人などがそれに当たります。またYngwie Malmsteenのボーカルで知られるDoogie Whiteがストーリーテラー。

ちなみにGöran Edmanは現在、スウェーデンのプログレッシブ・ロックバンドKarmakanicにおいても活躍中。

HR/HMとフルオーケストラサウンド


曲調自体は王道のHR/HMで特にYngwie MalmsteenやSkid Rowなど80年代メタルの香りが色濃く出ています。そして何より交響楽団を使ったフルオーケストラが魅力的

Disc1/#1「Overture」からクラシックと聴き間違えてしまいそうな超本格交響曲のオープニング。同時期、Dream Theaterの「SDoIT」がリリースされていますがそちらではシンセサイザーによる演奏だったため本作での迫力は段違いです。

このオーケストラサウンドは全編で楽しめますがDisc1/#10「Inqusition」Disc2/#4「World War Ⅱ」#7「The End Of The World」では中世を思わせる重厚な雰囲気とヘヴィメタルサウンドの融合において真骨頂です。

当然、Disc1/#3「Desecration」#11「The King Will Die」Disc2/#1「War Of Religions」などのメタルフリーク向け楽曲も多数収録。2001年という時代を考慮するとギターのサウンドは少々細めですがこの手のアルバムではボーカルとストーリーに伴う空気感に左右されるので仕方ないですね。テクニック面は十分聴きごたえのあるものです。

バラードも優秀。Disc1/#13「Try To Live Again」ではAlannah Mylesの美しいボーカルが深く染み渡ります。複数のボーカルを起用する最大のメリットがこの瞬間にありますね。

Disc1/#4「Introduction」のオルガンや#5「Home Again」のフルートなど管楽器とアコースティックギターのアンサンブルは70年代プログレの様式もどことなく思わせ、全編を通し表現力豊かなキャストとキャッチーなメロディ、そこに加わるオーケストラで聴けてしまいます。

最後に


ロックとオーケストラの融合は昔からテーマで、Yngwie J. Malmsteenも行なっていたしDream Theaterも行なっていましたがタイトなバンドスタイルと後ろに引き気味なオーケストラとのラグが聴き手にも難しさを感じさせるものです。

しかしその点がよくマッチしてるのはこの作品でのセールスポイント。ストーリー形式なので通して聴くことに意義がありますが、個人的にはDisc1の#3「Desecration」#6「Henriette」がオススメです!

関口竜太

東京都出身。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロギタリスト山口和也氏に師事。ロックやメタルに加え、ブルース、ファンク、ジャズなど幅広い演奏や音楽理論を学ぶ。 プログレッシブロック/メタルの大ファン。自身が企画するプログレッシブ・ロックプロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。

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