A.C.T「Rebirth」: 4作連続シリーズスタート!北欧の最新アルバムは爽やかな朝にぴったりのパーティプログレ!

おはようございます、ギタリストの関口です。

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本日はA.C.Tの2019年作『Rebirth』をご紹介します!

Rebirth / A.C.T


Rebirth -Mcd-

A.C.T(アクト)はスウェーデンのプログレッシブ・ロック/メタルバンド。

来歴


スウェーデン最南部の都市マルメで1995年にFairylandという名前で結成されたのがA.C.Tの始まり。

マルメの音楽学校に通っていたギターOla Andersson、ドラムTomas Erlandsson、キーボードJerry Sahlinの3人に加え、ボーカルのHerman SamingとベースのPeter Aspは、翌年にバンド名をA.C.Tへ変更します。

改名の翌年にスウェーデンのバンドコンテストで決勝まで勝ち進んだことがきっかけで、スウェーデンのインディーズ界隈に名を轟かせたA.C.Tは、精力的なライブツアーを展開。Yngwie Malmsteenのオープニングアクト務めるなど経験と認知度を上げていきます。

そしてここまでに録り貯めたデモ曲によってMTM Musicと契約、1999年『Today’s Report』でデビューを果たします。

2001年には2ndアルバム『Imaginary Friends』をリリースしこの時点で結成からのメンバートマスが脱退、新たにThomas Lejonが加入しました。

キャッチーなメロディとポップな音色、一転ダークでヘヴィなプログレッションと演奏力の高さはデビューから定評を呼び、2006年から8年間の沈黙を破ってリリースされた5thアルバム『Circus Pandemonium』は特に彼らの代表作に数えられます。

そんな中、バンドが新たに打ち出したのは4年4作品連続でハーフタイム程度の小規模アルバムをリリースするというもの。本作『Rebirth』はその第一弾となりますが、最終的に人つなぎになった壮大なコンセプトシリーズとして今から期待が高まっています。

メンバー


  • Herman Saming – lead vocals
  • Ola Andersson – lead guitar, vocals
  • Jerry Sahlin – keyboards, vocals
  • Peter Asp – bass guitar, synthesizer, percussion
  • Thomas Lejon – drums, percussion

楽曲紹介


  1. The Ruler of the World
  2. Running Out of Luck
  3. Digital Affair
  4. Meet the Past
  5. A BrokenTrust

EP全体を通して印象深いのがハープの音と鳥のさえずり。穏やかな朝の様相をうかがわせます。#1「The Ruler of the World」では前作の「The Funniest Man Alive」のような、QueenやElton Johnを思わせる爽やかなナンバー。中盤ではダークでヘヴィにうねるプログレッシブな展開の二面性もA.C.Tの魅力です。

続く#2「Running out of Luck」、デジタルな導入に惹かれる#3「Digital Affair」ではハードな刻みと北欧ならではの豊かなコーラスにロックファンも納得。A.C.TはHerman Samingの暖かみあるボーカルも素晴らしくて、これがハードな曲もしっとりしたバラードも表現するに足る説得力を生み出しています。

再びパーティソングとなる#4「Meet the Past」は南米風のノリに明るいピアノも前面に押し出されています。複雑なことがかっこいいバンドはシンプルをやってもかっこいいんだぜ!と呼応する様子が伝わってきます。

ラスト#5「A Broken Trust」はどこかDream Theater的でありRush的であるヘヴィなプログレのショートナンバー。途中、デジタルサンプリング的なアレンジもされ#3を思い起こさせるので今後のA.C.Tの音楽性にも繋がってくるのかも。

全22分。爽やかな朝にぴったりの最新プログレでした!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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