Neal Morse「Testimony2」: 豪華絢爛サウンドで振り返る人生観

おはようございます、ギタリストの関口です。

GWの10連休も終わって体調など崩されていないでしょうか。僕は後半で予定を詰め込んだおかげでちょっと寝不足気味ですが昨日なんかは作業もせずゆっくり寝かせていただきました。飲みが飲みを呼んでまた人と会う予定ができたのでそれまで休肝です。

とても久々となるプログレアルバム紹介!

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Testimony 2 / Neal Morse


Testimony 2

Neal Morseはアメリカのミュージシャン、シンガーソングライター、キーボディスト。

経緯


2002年に10年在籍したSpock’s Beardを脱退、クリスチャン・ミュージックの世界へ転身します。「Workship Sessions」と題してアコースティック編成のクリスチャン向け楽曲を発表する一方でSB時代から続くシンフォプログレのスタイルもソロで引き続き行います。

本作は2011年リリースの8thアルバム(プログレアルバムとしては6枚目)。2003年にリリースされた「Testimony」という2枚組のアルバムの続編となるタイトルです。

Testimony〜ニール・モーズがたどり着いた新たな人生観〜

参加ミュージシャン


  • Neal Morse – Guitar, Keyboard, Vocal
  • Mike Portnoy – Drums
  • Randy George – Bass

ゲストミュージシャン

  • Steve Morse – Guitar solo on “Seeds of Gold”
  • Paul Bielatowicz – Guitar solo on “Overture No. 4” and “It’s For You”
  • Matthew Ward – Chorus
  • Debbie Bressee, April Zachary, Mark Pogue, Mita Pogue – Chorus
  • Jim Hoke – Saxophones
  • Mark Leniger – Saxophone solo
  • Kenny Barnd – Violin on “Jesus Bring Me Home”
  • Chris Carmichael – Violin, Viola and Cello
  • Eric Brenton – Electric Violin solo on “Time Changer”
  • Nick D’Virgilio, Alan Morse, Dave Meros – Chorus on “Time Changer”

メインメンバーは現在まで続く盟友三名。ゲストにはFlying Colorsで再び邂逅するSteve Morse、Eric Gilletteが登場するまでニールのリードギターを支えたPaul Bielatowicz、そしてSB時代のメンバーも参加。

Paul Bielatowiczという爽やかギタリストが気になる!エモーショナルなソロに聴き惚れろ!

続編を強く意識させる手法


まずジャケットを見ると「Testimony」を意識したデザインになっていますが手を広げている少年と横の木が成長しています。

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以前リリースされた「1」の方ではパート5までを書き綴っていましたが本作は続編なのでパート6〜8までを収録。「1」では曲タイトルの前に「Pt.1:」「Pt.2:」と付けられていたので場面変換もわかりやすかったのですが「2」 ではそれが廃止されています。

リストとパートを区切るとこんな感じ。

Part6 – 22:50
1. Mercy Street
2. Overture No.4
3. Time Changer
4. Jayda

Part7 – 22:54
5. Nighttime Collectors
6. Time has come Today
7. Jesus’ Blood
8. The Truth Will Set You Free

Part8 – 32:36
9. Chance of a Lifetime
10. Jesus Bring Me Home
11. Road Dog Blues
12. It’s For You
13. Crossing Over / Mercy Street Reprise

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こうして見ると曲単位の小さいところから最終的にディスク3枚に及ぶ大作として聴き並べることができます。

より大胆なアプローチが増えた「2」


さて、気になるサウンドをチェックしていきます。基本的にはこれまでもこれからも変わらないNeal Morseサウンドで、Part6最初の#1「Mercy Street」は「Workship Sessions」の雰囲気も感じさせる明るいネオプログレ。続く#2「Overture No.4」では一転、スリリングかつテクニカルなプログレアンサンブルが繰り広げられます。

プログレの大作において「Overture(序曲)」に当たる曲を冒頭に配置させるパターン①と2パート目に配置するパターン②がありますが、EL&Pの「Tarkus」やTransatlanticのように20分〜30分に及ぶ1曲を表す際は前者、Dream Theater「Metropolis Pt.2」やSpock’s Beard「Snow」のようにアルバム内でストーリーを追う形式の際は後者が多いです。

2005年リリースの「?(Question Mark)」以降、参加ミュージシャンを一気に増やしサウンドに豪華絢爛さを増していくニールですが、それ以前にリリースされていた「1」を再現したかったという目論見も伺えます。

Part7に入ると#5「Nighttime Collector」のようなロックンロールや#6「Time has come Today」の実にニールらしい展開が続きます。「1」はこれまでの人生を振り返るといった内容でしたが今作では作曲家としての人生観やキリスト教への回心について述べる場面が多く、「Jesus」といった単語が随所に見られます。

Part8で特筆したいのは名バラード#12「It’s For You」。テクニカルギタリストのポールならではの高速スウィープの応酬といったところでしょうか。ギタリストは基本、ネオクラシカルなアプローチが好きです笑

Disc2には「Testimony」シリーズを終えてという3曲。ここではアメリカンロックな「Absolute Beginner」、分厚いコーラスが印象的なバラード「Supernatural」、26分に及ぶ大作の「Seeds of Gold」を収録。シリーズものばかりでお腹いっぱいという人に向けたオリジナル3曲となります。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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