市川哲史著「プログレ「箱男」」購入。狭い視界から広い世界を覗く開放感。
こんにちは、ギタリストの関口です。
本日平和島の東京流通センターにて、半年に一度の音楽即売会M3がありました。
打ち上げも済んで先ほど帰って来たのですが朝も早かったのでブログも書けずこの時間になってしまいました。
M3の話は一夜明けてからゆっくりお伝えするとして今日は出版されたばかりのプログレ本をご紹介します。
市川哲史著 プログレ「箱男」
市川哲史さんは、音楽評論家。ロッキング・オンを中心に洋邦問わず評論を続ける音楽シーンのご意見番のような方です。
彼の著書は他に「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう」があり、「五大プログレバンド」の本人たちにインタビューする形で、実に480Pという超ロングコラムのまとめ本となっています。
そんな、日本人で人間的側面からプログレを語れる数少ない市川さんの最新著書がこの「プログレ「箱男」」です。
「箱男」とは
昭和の小説家、安部公房の代表作「箱男」と年々その数を増していくプログレの「ボックスセット」を掛けたタイトルからして皮肉混じりな一冊。
そもそも箱男とは、頭から腰まで段ボール箱をすっぽりと被り、覗き窓から外を見つめて都市を彷徨う「箱男」が主人公。その「ぼく」が書いた手記を軸に他の人が書いたらしい文章、新聞、寓話、詩、写真など色んな時空から世を見つめる長編小説です。実は読んだことがないのでWikipediaの受け売りですが、思い切り興味を惹かれました。
その実験的構成がもはやプログレですが、誰にも気づかれずひっそりと世界を覗き見る開放感がプログレフリークとも共通していると著者は言うわけです。
「五大プログレバンド」…Yes, Genesis, King Crimson, Pink Floyd, Emerson, Lake & Palmerを取り上げており、毎年増加していく高カロリーな「プログレの箱」とその中身に踊らされるファンたちのため、読めば「箱」の内容がわかるという「読むディスコグラフィー本」となります。
なんともニッチな!
僕も買ったばかりなのでまだ箱の中身を覗けていないのですが、舌を出したバネのおもちゃが飛び出すのか、はたまた煙に年を取らされるのか、軽快で皮肉たっぷりな喋り口調がなんとも心地いい本書。これからどんな仕掛けが飛び出すのか楽しみです。
本屋で見かけました。
(=^ェ^=)