「金持ち父さん 貧乏父さん」解説。お金に対する考えを変えるお金持ちの哲学。
ロバート・キヨサキ著「金持ち父さん 貧乏父さん」読み終わりました!
本書は2000年に大ヒットを記録した経済書で、「お金に対する考え方」をわかりやすく説明したもの。同年にはスペンサー・ジョンソン著のベストセラー「チーズはどこへ消えた?」もヒットしており、不況の煽りが目立ち出す世紀末ならではのヒットと言えそうです。
「お金のために働く」のではなく「お金が自分のために働く」
この本が言っているもっとも大事なことは「お金の恐怖に支配されるな」という一点。
人は誰しも「何かが欲しい」という欲望の下に生活しています。そのために毎日仕事へ行きお金を稼ぐ。それは裏を返すと「もしお金がなくなったらどうしよう」という恐怖に駆られていることになります。
仮に、今の生活でお金が十分にないと思っている人が、5年後お給料が上がると生活はどうなるでしょう。
一見、豊かになるように思えますが増えた分の給料で生活の水準を上げ、税金は多く取られ、実際は給料が上がる前とほとんど生活の豊かさや心の余裕は変わっていません。
そしてまた恐怖に駆られ給料を少しでも上げなくてはと仕事へ向かうのです。これを「ラットレース」と言います。
金持ちのお金の動き
金持ちが重要視しているのは「お金をまず自分に投資する」ということ。
中流以下、多くの人のお金(収入と支出)の流れは、まずもらったお給料をローンの返済、税金、固定費に当て、残ったお金でやりくりします。結果、せっかく自分に支払われたお金なのに、それを国に払い銀行に払い会社に払い、自分に使える僅かなお金すらなくなることに怯えなくてはいけません。
これが金持ちの場合、まず前提として自ら会社を立ち上げています。そしてもらった給料をまず自分への投資、資産のために使います。
ここで言う資産というのは「自分のポケットにお金を入れてくれる存在」です。
逆に負債とは「ポケットからお金を奪っていく存在」です。
例えばそれは株だったり、不動産だったりするのですが持っているだけでお金を発生し自分のところへ流してくれるもの、これが資産です。よく、「持ち家は資産」と言われたりもしますが、実際は何十年にも渡って毎月ローンを支払わなければいけませんし、家には水道光熱費という固定費や維持費もかかってくるため、ここでは負債に該当します。
資産へお金を使ったら、それらを可能な限り会社の経費で落とし、残ったお金から換算した税金と、固定費を支払います。要するに同じ給与だとしても支払う順番が違うだけで使えるお金の額が違うということですね。
そして先に使った資産はまた給料となって増えていき、その余ったお金で家や車を買うためラットレースになりません。まさに「お金が自分のために働く」のです。
危険なのは、家や車など資産だと思い込んでいたものが実は負債だったというパターン。これは気を付けたいです。
自転車理論
この投資や資産を作ることについて、ロバート・キヨサキは「自転車に乗りたければ実際に乗ってみる」という理論を提案しています。
どんなに自転車に関する書籍を読み漁ったところで実際に乗ってみなければバランスを取り上手にペダルを漕ぐことはできません。そのために初めは転ぶこともあるでしょうが何度も挑戦し続けることで最終的に乗れるようになるでしょう。
もちろん勉強をするなということではなく、お金について詳しくなることは大切で、それは「ファイナンシャル・インテリジェンス」という言葉で常に肯定されています。
そして冒頭で「誰しも欲望の下に生きている」と言いましたが、欲張ることは怠け心につける最高の薬です。「それを買うお金はない」と鼻から否定するのではなく「買うためにはどうしたらいいか」頭を使えとロバート・キヨサキは言っています。
肝心なのは恐怖に屈せず挑戦してみるという精神。
そういう人生論も学べる、とてもわかりやすい経済書でした。