Spock’s Beard「Ⅴ」: そっくりだけど全然違う!?Symphony Xとの王道シンフォニック比較

おはようございます、ギタリストの関口です。

今朝は晴れてますが風がひんやりですね。4月に入ってからまた鼻がちょくちょくぐずってるのでマスクしたいのですが朝はコーヒーが優先なので我慢して、ティッシュの消費量を増やしてます。

さて、気を取り直してプログレ紹介いきましょう!

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Ⅴ / Spock’s Beard


V

Spock’s Beardはアメリカのプログレッシブ・ロックバンド。Ⅴは2000年リリースでその名の通り5thアルバム。

メンバー


  • Neal Morse – Vocals, Piano, All synths, Guitar
  • Alan Morse – Guitar, Vocals, Cello, Sampler
  • Dave Meros – Bass, Stand Bass, French horn, Vocals
  • Nick D’Virgilio – Drums, Percussion, Vocals
  • 奥本亮 – Hammond Organ, Mellotron

外部からの影響も取り込んだ意欲作


マルチミュージシャンであるNeal Morse在籍時のSBは、実質キーボディストが二人もいて、ギタリストが二人いて、リードボーカルが二人いてという非常にコスパのいい構成だったことは明らかです。

そしてほぼニールが実権を握っていたであろうため、その音楽は現在のSBに比べとてもクラシックなシンフォニック・ロックです。

また同年からニールは当時Dream TheaterであったMike Portnoyらと共にTransatlanticを結成しており、そこでのギタリストRoine Stolt率いるThe Flower Kingsの風味もどことなく感じ取れます。

楽曲紹介


#1「At the End of the Day」ではそんなニール節炸裂の王道シンフォ、民族楽器的なイントロの怪しさから一転、明るく爽やかなプログレソングに。途中やはりギロやパーカッションを混ぜたオリエンタルな変拍子パートを経て、ヘヴィに展開するインストなど聴き応え十分。要所要所でテーマを繰り返してくれるので長い曲にも脱線感がなく安心安定のクオリティです。

#3「Thoughts, Pt.2」は1996年作「Beware of Darkness」に収録された「Thoughts」の続編。後にニールのソロアルバム「Momentum」でも「Thoughts, Pt.5」が収録されています。ラインの違うアカペラを重ねたアンサンブルやクロマチックに下降するシンセフレーズなど不思議なダークさを漂わす曲です。デイヴのベースソロも貴重。

ポップ、バラードの4〜5曲目を終えラスト#6「The Great Nothing」は27分を超えるプログレエピック。メロトロンやアコースティックギターによる静かな入りとゆったりとした曲の進みにうずうずする感情を抑え7分を過ぎた頃からアンサンブルにもノリが出てきます。ヘヴィな演奏に対比するピアノも綺麗だし途中珍しく差し込まれるSEはPink Floydなども伺わせますね。

ジャケットとタイトルが酷似したプログレアルバム


砂漠に赤い空が印象的なこちらのジャケットですが、かなり類似するアルバムにSymphony Xの「V – The New Mythology Suite」があります。

V – The New Mythology Suite / Symphony X

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ご覧の通りそっくりです笑 アルバムのタイトルも同じく「Ⅴ」でありSB同様5thアルバム。さらにリリースは2000年10月と、8月に出たSBの「Ⅴ」と2ヶ月しか違わないという酷似ぶり。背景素材はたまたま被っただけかもしれませんがここまで一緒だとアイディアを共有したかリークがあったか疑ってしまいます。

ちなみに内容はシンフォニック・メタルな組曲ですが手数の多いテクニカルフレーズや重厚なサウンドなど全く別物です。当然と言えば当然ですけどね。

アルバムは絶版なのか買うとものすごく高額でDL配信もされていないのでYouTubeを貼っておきます。

おっと、Spock’s Beardの紹介だった!笑 こちらも是非!

 

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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