Asia「Alpha」: 超有名コラボが見所の「スーパーグループ」とは。英Asiaに垣間見るヒットの法則。

おはようございます、ギタリストの関口です!

東京は今日、冬の最後っ屁。最高気温は7度、雨も降りところによっては雪にも変わるそうです。「平成最後の四月の雪」だそうです。

そりゃそうだろうな!

今日は北海道より東京の方が寒いみたいなので人も外に出てこなさそうですね。僕はと言えばいよいよ新譜の入稿直前といったところですので明日には新譜情報お伝えできると思います!

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Alpha / Asia


アルファ+2 (紙ジャケット仕様)

Asia(エイジア)は、イギリス・イングランド出身のプログレッシブ・ロックバンド。

スーパーグループの先駆け


バンドの結成に当たってすでに多大な功績を得たメンバー同士が集まったグループのことを総じて「スーパーグループ」と呼びます。

近年ではSons of Apollo、The Winery Dogs、The Sea Within、Transatlanticといったようにプログレ、ハードロック界では比較的多いですね。日本ではBank Band、絢香×コブクロ、THE野党などありますが、一時のリリースに特化した言わばコラボのニュアンスが強いです。

Asiaは1980年代初期にスーパーグループの先駆けとしてデビューから話題を総取りでした。そしてこの手のバンドに多い「一枚のみ」というドリームコラボの雰囲気を打ち砕くように現在まで活動が続いています。

驚異的な参加ミュージシャン


大御所ミュージシャンを中心としている反面メンバー変遷は激しく、過去のメンバーにはすでに亡くなってしまっている人もいますがざっと紹介します。

現メンバー

  • Geoffrey Downes – Keyboard
    Asiaのオリジナルメンバー
  • Carl Palmer – Drums
    オリジナルメンバー。Emerson, Lake & Palmerで活躍。
  • Billy Sherwood – Bass, Vocal
    90年代以降のYesのベーシストとして活躍。
  • Ron Thal – Guitar
    Guns N’ Roses、Sons of Apolloで活躍するテクニカルギタリスト。

過去のメンバー

  • John Wetton – Bass, Vocal
    オリジナルメンバーでありGeoffreyの盟友。King Crimson「太陽と戦慄」「Red」など名盤を残す。2017年に死去。
  • Steve Howe – Guitar
    オリジナルメンバー。Yesのギタリスト。
  • Greg Lake – Bass, Vocal
    King Crimson、E&LPにて活躍。2016年死去。
  • John Young – Keyboard
    Scorpions、Uli Jon Rothなどハードロックのプロジェクトに参加。
  • Chris Slade – Drums
    Tom Jonesのドラマーとして有名。他にAC/DCやDamage Planなどにも参加。
  • Guthrie Govan – Guitar
    近年のテクニカルギタリストを代表する存在。Steve Wilsonのサポートとしても知られる。

そしてアルバムごとにゲストがいますがこれもTotoのSteve LukatherやSimon Phillipsだったり、King CrimsonのTony Levinだったり布袋寅泰だったりと超豪華です。

ポップなサウンドでヒットしたプログレロック


一時代を築いたミュージシャンたちによる夢のバンドは、1stアルバムから全米1位を獲得するなど大ヒットを記録します。

その大きな要因は顔ぶれもありますが、その音楽性でした。

あくまでプログレッシブ・ロックの基盤を保ちながらもその楽曲は非常に万人受けするポップなもので仕上げられていたのです。

思わず口ずさみたくなる厚いコーラス、きらびやかなキーボード、テクニカルなギター。イギリス出身でありながら同時期に活躍したKansas、Journey、Totoのようなアメリカン・プログレ・ハードのエッセンスを持ち合わせていました。

僕はアメリカン・プログレ・ハードは、70年代プログレロックにアメリカのメロディアス・ロックを加えた大陸の音楽だと思っていましたが、イギリスでもここまで独自に進化していたのです。


永遠の序曲 / Kansas

比べられるが名盤の2ndアルバム


今日ご紹介しているAlphaはAsiaにとって大ヒットしたデビューからのセカンドアルバム。当然世間の目から比べられることもありました(現在でもあります)が、非常に素晴らしい一枚です。

4つ打ちが印象的なシングル曲#1「Don’t Cry」からプログレに対する偏見は吹き飛んでしまうでしょう。先述したJourneyっぽさであれば#4の「My Own Time(I’ll Do What I Want)」、続くハードロックナンバー「The Heat Goes On」も、これまたピアノから後のTKに繋がっていきそうなキーボードワーク。ハードなリズムトラックにオルガンソロという現在のスタンダードもDeep Purpleよろしく高揚感を促します。

バンドのコンセプトとして楽曲もそれぞれ短く3分半〜4分程度にまとめられているのでプログレの入門編としても、メロディアスなハードロックをご所望の方にもおすすめできる一枚です!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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