MIZUKI da Fantasia「幻想の一夜 〜In memory of fantasy〜」: 哀愁の波が押し寄せる日本の新星プログレバンド!

おはようございます、ギタリストの関口です。

まだなんとなく寒さが抜けなくて朝は暖房をつけてしまいます。暖房、コーヒー、膝掛け。結局一冬このスタイルで越えてしまいました。

今日は久しぶりに日本のプログレをご紹介します!

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幻想の一夜 〜In memory of fantasy〜 / MIZUKI da Fantasia


幻想の一夜~In memory of fantasy

MIZUKI da Fantasiaは、沖縄県出身のボーカリストMizukiとピアニストAnna Hardyを中心に結成された日本のプログレッシブ・ロックバンド。2017年デビュー。

「70年代のプログレと現在の音楽シーンをリンクさせる」をコンセプトに、日本でプログレッシブ・ロックを扱う数少ない雑誌「ストレンジ・デイズ 」の編集長である岩本晃市郎氏プロデュースのもとアルバムが製作されました。

音楽性


古き良き70年代プログレと歌謡曲を思わせる日本特有のポップなメロディライン・アレンジが融合しているのがポイント。

日本のプログレというと過去にカルメンマキ & OZについての記事も書いたことがありましたが、日本のプログレってこうだよねと再認識させてくれるバンドが2017年にデビューしてきた事実は音楽史としても確実な一歩です。

関連記事:日本のプログレ界に影響をもたらした歌手、カルメン・マキという“風”

多様に形容できる要素が絡むオリジナリティ


プログレサイドに耳を傾けると、イタリアの名プログレバンド P.F.M(Premiata Forneria Marconi)や初期のKing Crimsonを彷彿させる哀愁漂う雰囲気がなんとも切なく胸を締め付けます。

一方、J-POPや歌謡曲として聴いてみると、やはり懐メロ感が広がります。贅沢に使われたメロトロンサウンドもさることながら、Anna Hardyさんによる美しいピアノとストリングス、そこへ絡む重厚なバンドサウンドがプログレとしては往年、歌謡曲としては斬新さがあります。

Vo.MIZUKIさんは山口百恵、Fayray、中村由利(GANET CROW)の流れを汲むような落ち着いていて、暖かなボーカル。#2「マボロシノアイ」のようなロックソングでは野太く、#4「サクラサク道」のようなポップスでは優しく伸びやかに歌い上げるなど表現力も抜群。

アルバムはタイトル通り「幻想」をモチーフに切ない美しさがテーマとなっていますが、楽曲の幅が十分に取られており先の二曲の他、タンゴ調#5「夕暮れのタンゴ」、中期のGLAYを思わせる#11「悲しみを乗り越えて」などドJ-POPも。

もちろん超王道なプログレロック#6「奇跡の国へようこそ」、先行リリースされた#7「幻想の一夜」など純粋にプログレ作品として楽しめる一枚です!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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