Transatlantic「Kaleidoscope」: 米英欧スーパークグループが繰り出す四手目!超大作に溺れる万華鏡幻想!

おはようございます、ギタリストの関口です。

激動の一週間が終わってほっと一息です。大好きなプログレをゆっくり聴ける日々に戻ったので今日はこちらをご紹介。

Kaleidoscope / Transatlantic


カレイドスコープ~万華鏡幻想(DVD付)

Transatlantic(トランスアトランティック)は、米英欧のプログレトッププレイヤーが集結したスーパーグループ。

メンバー


  • Neal Morse – Vocal, Keyboard (元Spock’s Beard, The Neal Morse Band etc…)
  • Mike Portnoy – Drums, Vocal (元Dream Theater etc…)
  • Roine Stolt – Vocal, Guitar (The Flower Kings, The Sea Within etc…)
  • Pete Trewavas – Bass, Vocal (Marillion, 元Big Big Train etc…)

ライブでのサポートメンバー

  • Daniel Gildenlöw – Guitar (Pain of Salvation)
  • Ted Leonard – Guitar, Keyboard, Vocal (Spock’s Beard, Enchant)

活動再開後のTransatlantic


世紀末からスタートした21世紀プログレの代表格Transatlanticでしたが、2002年にニールがソロ活動へ専念してしまうためこのプロジェクトは一旦脇に置かれることになります。そして2009年に再開、「The Whirlwind」という超大作の3rdアルバムを経て2014年にリリースされたのがこちらの「Kaleidoscope」となります。

活動休止と再開までの間に7年間のスパンがありましたが、再開後は結成当初のようなバリバリのインプロ、セッション色は控えめになりYes, EL&Pを意識したより構築向きなプログレロックとなります。

これまでのブログでテーマに応じて収録曲を小出しはしてましたがアルバム全体の説明はこれより。では参ります。

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楽曲紹介


  1. Into The Blue
    Ⅰ. Overture
    Ⅱ. The Dreamer And The Healer
    Ⅲ. A New Beginning
    Ⅳ. Written In Your Heart
    Ⅴ. The Dreamer And The Healer (Reprise)
    1曲目から25分を超える長尺の組曲。邦題はそのまま「蒼の中へ」。穏やかな音色のストリングスから壮大でスリリングなイントロは活動再開を実感させます。メインテーマとなるパート2から一通り巡ってパート5にてRepriseという手法が取られています。この「Reprise」という言葉は特に大作のプログレによく見受けられますが「再現」の意。要するに曲が長くてあちこち行ったけど元に戻ったよという意思表示です。パート3ではKing Crimsonそのままなダークでディミニッシュな雰囲気も聴けます。
  2. Shine
    アコースティックの音色が美しいバラード曲。7分半あるのですがこのバンドの中だとコンパクトに聴こえてしまう感覚の麻痺…挑戦的な転調で引き込むロイネのギターソロも一聴の価値あり。アウトロではInto The Blueのテーマも聴こえてくるニクい仕様も。光が射し込む教会で撮影されたMVも綺麗。
  3. Black As The Sky
    単発での曲紹介はしたことあるのですが3連が基調となったメジャーキーなアップナンバー。間奏では3連のノリを生かした変拍子の応用テクニックが楽しいです。
    結局リズムは2と3でできている。誰でも作れる変拍子テクニック。
  4. Beyond The Sun
    バンドの収録曲は基本、ニールやメンバーが持ち寄った断片からスタジオで骨組みを建てていく作曲法を取っていますが、この曲はニールが独断で持ち込んだバラード。ソロを経てキリスト教精神が出るのかと思いきやそこは抑えた哲学的な歌詞です。
  5. Kaleidoscope
    Ⅰ. Overture
    Ⅱ. Ride The Lightning
    Ⅲ. Black Gold
    Ⅳ. Walking The Road
    Ⅴ. Desolation Days
    Ⅵ. Lemon Looking Glass (Instrumental)
    Ⅶ. Ride The Lightning (Reprise)
    7パート31分54秒にも及ぶ超大作。マイクが「70年代からのクラシックなプログレに現代のエッセンスを加えた」と言うだけはある、新旧のいいとこ取りをこれでもかというくらいにしてしまった最強の一曲です。大まかな流れはこれまでの曲と同じですが常にポップでアグレッシブでヘヴィで切ない、4/4であったRide The Lightingのサビをパート5にて6/8にアレンジし直したバラードもエモい。パート6では息をする暇もない超インストパートに誰もが唸ります。ここが現在最新のTransatlantic終着点です。

このブログで何度も取り上げているので少しずつ解説も伝わるものになっていってると思います。そしてそれだけの名盤だということを最後にここに記しておきたいです。

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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