松本孝弘「華」: ギタリスト松本孝弘、58歳。世界を掴むことになったきっかけの名盤をご紹介!

おはようございます、ギタリストの関口です。

3月も残すところあと数日、花粉とか震災とか卒業式とか、各所に気を配らないといけない反面、気候は暖かくなってくるのでなんとなく倦怠感なんかも感じてしまいますね。

本日3月27日は、B’z松本孝弘さんのお誕生日です!今年でなんと58歳。僕は松本さんのおかげでギターの持つ奥深さや可能性を垣間見たので今日はそちらのアルバムをご紹介します。春にもぴったりです!

ちなみに僕は松本さんがはにかんだときの八重歯が好きです。

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華 / 松本孝弘


松本孝弘は、日本のミュージシャン。ギタリスト、ソングライター、音楽プロデューサー。ロックユニットB’zのギタリストでありリーダー。

来歴〜人物


20歳からプロ活動を開始、浜田麻里、TM NETWORKなど数多くのミュージシャンのレコーディング・ライブサポートに参加します。

1988年に1stソロアルバム「Thousand Wave」をリリースする他、B’zとしてデビューするのもこの年です。

ソロではアルバムを12枚、Mr.BigのEric MartinやNight RangerのJack Blades等と一緒に活動したTMG、フュージョンギター界の巨匠Larry Carltonとのアルバム「Take Your Pick」はグラミー賞を獲得。

ギターメーカー、Gibsonから日本人として初のシグネチュアモデルも発売しているなど世界的な評価も高いです。

近年ではGLAYのTAKUROさんのソロプロジェクトにプロデューサーとしても一層の活躍をしています。

書くこといっぱいあって本線とずれるのでこの辺で笑

ハードロックをやり続けてきた男の東洋人としての「ねがい」


松本さんはそれまで、自身が影響を受けたハードロック、ブルースロックと言ったものをベースに音楽製作を行ってきました。しかし、僕はこのアルバムがきっかけでその後の「House Of Strings」「Strings Of My Soul」「Take Your Pick」そして「Electric Island, Acorstic Sea」に繋がっていると思います。

海外でレコーディングすることが増えた頃、自分が東洋人だということを強く意識したことがあったそうで、同時期台湾や中国の公演を行ったこともきっかけになり「より多くの人に自分の音楽を聴いてもらいたい」という願いから作られました。

今や世界のTAKですからまさにその願いも叶っているわけですがその皮切りとなったのがこの「華」になります。

楽曲紹介


#1 恋歌

胡弓を使った中国の雰囲気を持つ雄大なバラード。ジャケットのイメージとも合っていてアルバムのコンセプトを最もよく表しています。

#2 #1090[千夢一夜]

日本人なら言わずと知れたミュージックステーションのEDナンバー。こちらも「恋歌」からの流れを崩さない東洋的なアレンジで名曲のメロディというのはどんなアレンジでも成立するんだということを認識させられます。

#3 華

続くタイトルトラックはピアノとギターから、後半ストリングスによるオーケストレーションまでが印象的なバラード。エレキによるジャジーな色っぽいクリーントーンが松本さんの特徴となったのはおそらくこの頃から。

#4 街

ポップなメロディを持つロックバラード。稲葉さんのボーカルがそのまま乗っかりそうな「歌える」一曲。思い切りよく聴こえながら、その実うまく制御しないと弾けないという隠れた難易度がTAKならではです。

#5 御堂筋BLUE

僕がこのアルバムで最も衝撃を受けたベストオブギターインスト。マイナーブルースにJPOP的な流れるサビをプラスしたナンバー。中盤インプロヴィゼーションによる速弾きや珍しいアーミングも聴くことができ何度唸ったことか。

#6 朱〜朝焼け〜

松本さんが「大阪で感じるイメージ」を表したとされるスローバラード。チョーキングの独特なニュアンスをこれでもかというくらいに堪能できる一曲。

#7 Little Wing

Jimi Hendrixのカヴァー。もちろんインストで。アレンジ自体はアルバムの雰囲気に丈を合わせていますがワウによるエモーショナルなソロなどリスペクトも忘れてはいません。余談ですがイントロの「ッチャーン」という有名な入りは松本さんもお気に入りのようでTMGの「Two of a Kind」で聴ける他、B’zでも近いニュアンスで弾いてる曲があったような。

#8 Romeo & Juliet

こちらは映画「ロミオ&ジュリエット」のテーマ曲カヴァー。交響曲としての壮大なアレンジがなされており、リミックスを交流もあるSteve Vaiが担当しています。

#9 hallelujah

賛美歌を思わせるパイプオルガンが印象的な小曲。その後の曲との繋がりも意識していると思われます。

#10 ENGAGED

アルバムを作るにあたりGLAYのTAKUROさんに作曲を依頼したミディアムバラード。当時のTAKUROさんの作曲法はアコギで弾きながら出てきた言葉を同時に紡ぐという歌ありきの方法だったため、非常にポップなメロディラインを持っていますが歌詞は松本さんに却下されたという逸話も。GLAYのラジオで歌ありverのデモテープが流れたことがあります。タイトルはその歌詞の内容から来ています。

#11 You Know…

同じBeing所属のアーティスト七緒香さんへ提供した楽曲を元にインストアレンジを加えたもの。

#12 2011

1分半ほどのジャズテイスト曲。タイトルは稲葉さんが「10年後の松本孝弘」を想像し命名。このアルバムは2002年リリースでしたがその8年後にはLarry Carltonと共作のJazzアルバム「Take Your Pick」にてグラミー賞を獲得しているのでゾッとしてしまう先見の明ですね!

なお、同日にハードロックが基調となるミニアルバム「西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST」もリリースされておりそちらについても書ければなと思います。

松本さんお誕生日おめでとうございます!

関口竜太

東京都出身。ギタリスト、音楽ライター。 ​14歳でギターを始め、高校卒業と同時にプロ・ギタリスト山口和也氏に師事。 ブログ「イメージは燃える朝焼け」、YouTube「せっちんミュージック」、プログレッシヴ・ロック・プロジェクト「Mind Over Matter」を展開中。2021年から『EURO-ROCK PRESS』にてライター業、書籍『PROG MUSIC Disc Guide』にも執筆にて参加。

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