デスメタルからクリーンへの変遷。スウェーデンのKatatoniaが表現したい深淵の形とは。
おはようございます、ギタリストの関口です。
前に、花粉症についてもう一回ピークが来るって言ったんですけど昨日がそれでした。暖かい風と桜の開花宣言に乗っかって一日鼻水止まらなかったです…
11日前後のものとピークが比じゃなく…対策しないとおそらくそっちも辛いものになっているはずですが対策しててもこの辺で一発来るみたいですね。記録として取っておきます。自分のデータは大事です、誰も管理してくれませんから。
The Fall of Hearts / Katatonia
Katatonia(カタトニア)は、スウェーデンのヘヴィメタル/オルタナティブ・メタル/プログレッシブ・メタルバンド。
現メンバー
- Jonas Renkse – Vocal, Guitar, Keyboard, Drums, Percussion (1991年 ~)
- Anders Nyström – Guitar, Vocal (1991年 ~)
- Niklas “Nille” Sandin – Bass (2009年 ~)
- Daniel “Mojjo” Moilanen – Drums (2015年 ~)
- Roger Öjersson – Guitar (2016年 ~)
デス・ドゥーム・メタルからオルタナ、プログレへ
そもそもデス・ドゥームというのは、70年代のBlack Sabbath以降、終末や悪魔崇拝などのオカルトを題材に、スピード感よりも重苦しいサウンドを追求していきた「ドゥーム・メタル」というジャンルを基礎にデスメタルの要素をプラスしたものです。
Katatoniaは、そんなデス・ドゥームの先駆者的存在でした。
僕はそちらのジャンルには詳しくないのですが、デビュー当時の「Dance of December Soul」などは今とは違い全編デスボイスで歌い上げています。しかし当時からプログレの要素は強く、アルバムには10分を超える曲も珍しくありません。
またデスボイスによって輪郭がぼやける分、ギターやシンフォニックな面でメロディアスを補っているように感じます。事実リフは陰鬱さこそあれ音楽的に馴染みやすく同じスウェーデンのArch Enemyなどのメロデス、Opethなどプログレデスへの影響力も伺えます。
陰鬱さが生み出すダウナーなProg Metal
そんな彼らが97年作「Brave Murder Day」を最後にデスメタルを辞め以降はクリーンボイスのメタルを展開していくことになります。
深淵なダークさは残しつつ、ヨナスによるデスとは違うクリーンなアプローチが非常に好印象です。それこそOpethのクリーンボイスを逆輸入したような繊細な穏やかさがそこにはあります。
そうして出来上がった「The Fall of Hearts」は2016年リリースの現状最新作。おすすめは#1「Takeover」と#7「Serac」。ギターソロはほぼ皆無なバンドですがドラマ性を感じるプログレッションとヘヴィなサウンド、そして深い森に渦巻く美しいメロディは、デスメタルに慢心せず自分たちの信じる音楽を突き詰めた結果の現れだと思います。