今大注目の女性ギタリストSarah Longfield。呼吸するような透明感と繊細で高度なギターワークは必聴!(視聴あり)
おはようございます、ギタリストの関口です。
月曜の朝ですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。お勤めの方はもう職場に着いていないとまずい時間でしょうか。年度末も迫って慌ただしくもなりますが段々と冬の寒さも薄れてきましたので体調など崩されないようお過ごしください!
そんな月曜も吹っ飛ぶに爽やかロックをご紹介します!
Disparity / Sarah Longfield
Sarah Longfieldは、アメリカ・ウィスコンシン州出身のギタリスト・ソングライター。現在26歳の女性ギタリストでジャケットの彼女。2007年よりYouTubeを中心に活動、2011年18歳のときCDデビュー。
幅広いバックグラウンドが支える現代的ギタリスト
女性ギタリストと聞いて僕の思う世の偏見をまとめると、「男より好きなものを突き詰めるタイプ」。とても古臭い考えですが、女性の音楽の関わりは今でもピアノやヴァイオリン、声楽などクラシックに精通する部分が強く、ギター、それもロックギターを弾く場合外部からなんらかの強い刺激があったと考えられます。
家族の影響、友人に連れられたライブ…それは本人にしかわからないことですが、いずれにせよロックを始めるまでに至る存在というのは、その人の音楽性を決定づけることとなりそこが軸の中心となるので多くのミュージシャンのジャンルは大抵一つに絞られます。
故に多彩な音楽性やバックグラウンドを持つ人物というのは珍しい、もしくは年齢を重ねることでその境地へたどり着くこともありますが、サラはデビューの18歳にしてすでにそこへ到達してしまったタイプと言えるでしょう。
根本はメタル、そしてセンシティブ
スウェーデンのギターメーカー、Strandbergとエンドース契約を交わしている彼女はその細身の体躯とは裏腹に8弦ギターを弾きこなします。
初めはもちろん6弦ギターだったそうですが、ある日7弦ギターに出会うなりそれをクールだと思い購入、後日同じ理由で8弦ギターを手にしスタイルを確立しました。
【インタビュー前編】新世代ギター女王サラ・ロングフィールド、アルバム『ディスパリティ』で日本初見参(音楽ライター:山崎智之)
ジャンル分けという言葉すら書いていて時代遅れに思いますが、プログレッシブな要素があることは間違いありません。PolyphiaやChon、同じく女性ギタリストでStrandbergを弾きこなすYvette Young率いるCovetなど新時代プログレストリームの中心です。
Animals As LeadersのTosin Abasiからの影響を公言している通りメタルが根本にあり、他にジェントやポストロック、マスロックも彼女を作るファクターとなります。
Disparityについて
まるで自然の中に佇むようなアンビエントに多方面から聞こえてくる繊細な息遣いとでも言いいそうな、優雅でキラキラした楽曲が揃っています。
中には#4「Cataclysm」#9「The Fall」と言ったギターキッズも唸るテクニカルなナンバーも用意されていて、全9曲30分というサイズのアルバムながら密度が高く凝縮した音楽を堪能できます。
高度な音楽理論とテクニックによって日々複雑化してくる現代音楽ですが、深く考えることなく呼吸するように体内へ吸収できる透明感と爽やかな空気が、今後のプログレシーンと音楽の進化を担うSarah Longfieldの一番の魅力と言えそうです。